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短編:詩&エッセイ

いつも、いつも、いつも。

作者: 尖角

いつも、君だけを見ている。



でも、他の女性を見つめることもある。


時々だし、ほとんどないけれど、


全くの否定なんてできない。 それは事実だから。



けれど、聞いてほしい。


君に直接言う勇気なんてないけれど、


僕は君が好き。 この世で一番好きなんだよ?


君は気付いていないかもしれないけれど、


僕の心は君一筋。 僕にとって、君は光。


希望であって、夢であって、


僕は君がいるから生きていられる。




あの日、僕は「死にたい」と思った。


どうせ、死ぬ勇気なんてないけれど、


何か不慮の事故でも起きないかな?


っと心の底から願った。 「生きたくない」と。






僕には残念ながら、家族がいる。


いなければ、どこかで身投げしてもいい。


僕の身近な人には迷惑がかからないから。



え? 身投げしたら家族だけじゃなく、


色んな人に迷惑がかかるだろだって??



それは、僕をいじめてきた人のことだろ。


どうせ他人。 向こうだってそう思ってるだろ。



だから、僕のいじめを見て見ぬフリした。



死んだって、泣いちゃくれない。


「どうせ死ぬなら、他で死ねよ」と罵声を浴びせるだけ。



くだらない。


人間には思いやる心があるっていうけれど、


僕からしてみれば、それは身内にだけ働くもの。


はっきり言って、他人は他人。 自分は自分の世の中。



何か事件が起きれば、友達だって他人と切り捨てる。



よく、ニュースで聞くだろ?


「いつかはやると思ってました」


「挨拶もできない根暗な子だったからね」って。



「それだけで、お前に性格がわかるのか?」


「家や他での生活が、性格がわかるのか?」


って、逆に聞き返してやりたい。 僕は、心の底から思った。



だけど、わかるんだろうね。 きっと。


僕には全くと言っていいほど理解できないけれど、


思い込みで他人の性格を決めて、人生を左右させるんだ。







いじめられた側の気持ちを考えたことあるかい? 少しでも。













そんな考えが頭の中で巡っていた。


家に帰っても、親は喧嘩ばっかり。


給料が低いだとか、とにかく何かが気に入らないだとか。



外に出れば、お前はキモイ。 ウザイ。 クサイ。



何もかもが嫌だった。


この世界は、心底 僕の生きる世界じゃないと感じた。






だけど、君はそんな僕に笑いかけてくれた。


「落し物だよ」



僕がたまたま落としたものを、たまたま君が拾ってくれた。



別に、君は何かを特別考えたわけでも、思ったわけでもないだろう。





ただ、目の前で落としたから拾っただけ。


別に、僕だからってわけじゃなく、誰にでもそうしただろう。



だけど、僕には君が女神に見えた。


泣くほど嬉しかった。  それだけは、わかっていてほしい。




決して、口になんて出せない。


これは、僕の心の中だけでの秘密。


決して、誰にも知られてはいけない。


これ以上いじめられるわけにはいかないから。



それに、こんな奴に好きになられても、君だって困るだろう?



僕は君が好きだ。  だけど、君はそれを知らない。


それは、君の幸せのため。  僕は、僕のために生きる。






何を言ったところで、解決しないだろうから。



僕のいじめも、君への恋心も。  だから、静かに眠るとするよ。




ありがとう。  僕の愛した人よ。



少し、少しだけ疲れた。 もう我慢するのは厳しいよ。


だから、少しだけでいい。 休ませてくれ。  お願いだよ、神様。




ありがとう。  次の世界ではきっと、良くなると信じてる。

























































































君の記憶には残っていないだろう。 僕のようなちっぽけな人は。

だけどね、いつだって僕は君を視界の片隅においていたんだよ?

気持ち悪いと思うかい? ストーカーって思うかい? だけどね?


だけどね、 僕は君が確かに好きだった。


君にこの想いを知られるわけにはいかない。

だけどね、少しは覚えておいて欲しい。 僕という人間を。

家族だけじゃなく、いじめっ子だけじゃなく、

誰か、僕を差別の目で見ない人に覚えておいてもらいたい。



これが勝手なエゴだってことはわかっている。

こんなことが、果たして許されるのかはわからない。


だけどね、最初で最後の我儘なんだよ。 だからね、お願いだ。


僕を覚えておいて欲しい。


正確に顔を覚えていなくてもいい。

拾ってくれた君に返した「ありがとう」の声も、

そんなもの正確に覚えていなくていいから、お願いだよ。



なんとなくでいい。

名前も、顔も、声も、 そんなものどうでもいい。


だけど、僕が他の誰かと関わっていた証を覚えておいて欲しい。






お別れの時間だ。

サヨナラ、この世界。 ありがとう、愛した人よ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作品を読ませていただきました。 この作品の主人公が、いじめを受け辛い生活を送っている中、偶然に出会った人を傷つけないために、気持ちを押さえている様子がすごく印象に残りました。 辛いけれ…
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