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報セアリ

作者: ファンド

「コ・・地・・・報・リ」


 移民計画。地球に増えすぎた人類を、ずっと、ずっと遠くの星へと移民させる計画があった。地球に似た環境の、ずっと遠くの星へワープを繰り返し、何年もかけて人類の移民を行う、そんな計画だ。ある人々は地球に残り、そして残りの人々は別の惑星へと旅立った。そして死んでしまった。移民計画は失敗したのだった。船は着陸に失敗し、たくさんの人がその衝撃によって死んでしまった。しかしそれでも何とか生き延びた者もいくらかはいた。しかし、今まで積み上げてきた文明の数々を失ってしまった。その事実は数年後、地球にも知れ渡った。向こうの星に着いたら自動的に送られるはずの信号が帰ってこなかったからだ。


そんな事件が起きてから200年の時が過ぎた。あの事件当時の人は一人も生き残っているはずも無かったが、その子孫たちはこの星でまだ暮らしていた。ほとんどの科学者が死んでしまった状態では新しい機械を作り直すが出来るはずも無かったため、ごくごく基礎的な機械しか無かった。あの文明の栄えた星の話はもはやお伽話でしかなくなっていた。そんなときにある家のラジオに通信が入った


「コ・・地・・・報・リ」


その家の少女は始めは機械の故障だと思った。耳を近づけてよく聞いてみる。


「コチラハ地球報セアリ」


少女は驚いた。両親のところへと走った。少女の両親は驚きまわりの家に知らせに行った。そしてそのことはさらにその星中へと広がっていった。世界は歓喜した。そして少女は、いや、その星中の人々はその報せの続きが来るのを待った。しかし彼らは知らなかった。アナログなラジオに対応した電波ではその星まで通信が届くのに何年、何十年とかかることを。そしてその通信が送られた2年後に戦争によって地球はすでに滅びてしまったことを。

頭にパッと思いついた話を書いてるのですが、毎度毎度暗い話・・・。感想お待ちしています

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― 新着の感想 ―
[一言]  なんとも考えさせられるラストでした。星新一さんの作品をなんとなく思い出しました。じんわりと深かったです。
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