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全てを捧げた男は神の如き力を手にし、世界を統べる  作者: 神奈月 瑠奈
第2章

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第17話

「はい、確かにワイバーン22体とアースドラゴンの死骸。スノーで増殖した魔物の討伐。その報告書確かに承りました。報酬の金貨350枚となります。今、お渡ししましょうか?」

「いや、いつも通り冒険者協会の銀行口座に入れといてくれ。それよりも当面の間依頼は受けない」

「え⁉」

「ちょっと急用が出来た。じゃッ!」

「え、えぇ⁉」


突然の冒険者稼業休止宣言に状況が呑み込めずおろおろする。一方でそんなことなど構う所以なしのレオンは急ぎ足でその場を後にする。


町を出てしばらく。周囲に誰も居ないことを確認し、空中へ跳躍する。魔力を空中で凝縮し、足場を形成。そこへ飛び乗り再度跳躍。魔力の足場はその役割を全うし、凝縮された魔力はその場で霧散する。それを繰り返し、地上から遥か上空。雲すら見下げる高さにまで到達する。すると今度は形成した足場にとどまり、一言口ずさむ。


「こい。天空雲城」


その声は大きすぎず、まるで何かに話しかけるように発される。しかし、その声はどこまでも響き渡る。

しばらくして町一つを悠に超える規模の入道雲が徐々にその姿を現し始める。そして、その入道雲に一つの穴が形成される。そこからのびる雲の階段は、レオンへと迫りよる。


ソレはあと一歩というところまで伸びるが、そこで止まる。まるで『お入りください』そう言っているかのように。


レオンは、躊躇なく雲の階段を歩き始める。そして、入道雲に空いた一つの穴へと入る。


コツコツ……


雲だった足場はいつの間にか大理石のような素材へと変わり、レオンの足音が歩みに合わせ木霊する。穴の中をしばらく歩くとその先に一筋の明かりが差し込む。レオンはその方向へひたすら歩き、ついに出口へとたどり着く。


「ゥっ……」


眩しい光に思わず声を漏らし、目を細める。次第にその明るさに目が慣れ始め、目も開くようになった。そんな大樹の目の前に広がるのはレオンが滞在する冒険者の町『ファーストテイル』を超える遥か広大な土地。そして、その中央に位置する場所には千年の時を雨風に曝され、苔や草木が巻き付いた塔。しかし、そんな悠久の時が経とうとも未だこの塔は崩れることはなく聳え立ち続けている。よく見ると塔のいたるところに人類が扱う文字とは異なる文字刻まれている。


これを見つけたのは実に半年前~~~~~~


レオンが空中を移動する練習中のことだった。

魔力の制御に失敗し、ファーストテイルに隣接する魔物蔓延る森。通称『魔の森』に落ちた。とっさに魔術で落下速度を軽減するが、それでもその衝撃で意識を飛ばしてしまう。気が付くとすでに陽は沈みかけていた。今いる位置と周囲の確認のため魔力探知で周囲を探っていると魔法の気配を感じとる。


「これは……エルフでもいるのか?こんな危険な場所に」


エルフ族。それはドラゴンの次に長命な種族であり、個体数が極めて少ない。その生息区域は発見されていない。排他的で、他種族。主に人間のことを嫌っている。中には人間と共生しているエルフもいるらしいがソレはごく一部の変わり者だけだ。エルフ族はその整った容姿と高純度の魔力。そして、人間には扱う事の出来ない奇跡を操る。人はソレを魔法と呼ぶ。魔法には未だ道が多く、その効力も絶大。と言われている


では、何故そんなおとぎ話のような存在が扱う魔法の気配をレオンが知っているのか。という疑問が浮かぶだろう


それは、レオンは前の世界線で一度だけ魔法を観たことがあるからだ。そして、その時行使された魔法の気配と今現在レオンが感じている気配が同じなのだ。いや、厳密にいえば酷似している、と言った方がいい。似ているがあの時の気配とは若干ではあるが違いがみられる。恐らく別種の魔法なのだろう。


魔力探知の範囲を広げレオンは魔法の気配を頼りに道なき道を進み始める。そこから五十分ほどだろうか。魔法の気配が強くなるにつれてレオンはふと違和感を覚える。


「……魔法の気配があるのに術者がいない」


魔法は確かに強力ではあるが明確な弱点がある。それは射程距離だ。その射程距離は術者が黙してできる範囲のみ。例えレオンのような膨大な魔力にものを言わせ魔力探知で居場所を補足したとしても目で捉えねば魔法はその効果を発揮しない。


「魔力探知の規模を拡大……」


半径二キロメートルだった魔力探知を五キロメートル先まで拡大させる。しかし、魔力探知に引っかかるのは全て魔物のみ。術者の魔力は一切感じ取れないのだ。


そうなってくると話は変わってくる。つまり、この反応の先にある魔法の気配の正体はエルフが作成した建造物。あるいは魔具マグと呼ばれるエルフ族のみが製作可能な魔法が込められた道具のどちらかだ。ちなみに市場に流通している魔道具や冒険者協会から支給されるこのブレスレットは魔具をモデルに製作されたものである。性能は天と地ほどの差があるが、これらのおかげで人類の生活水中は劇的に向上した。まさに革命の灯火と呼ばれている。


そして、ついに魔法の気配がする場所にたどり着く


「おぉ……これが気配の正体か」


レオンが見上げるその先には長年放置され続けた結果なのかツタや樹の幹が絡まって入るが立派な塔がそびえたっていた。塔の周りをぐるっと一周回って入り口を探すがそれらしきものは見当たらずレオンは混乱する。


「これじゃあ中に入れない……いや、そもそも中に入っても大丈夫か?」


過去、この塔と同じような建造物を人類は何度か発見しているがその全てに例外なく魔法の罠が大量に設置されていた。その建造物の中へ入っていった冒険者や学者たちは皆帰ってくることはなかったとか………


少しの間悩むがデメリット以上にメリットの方が大きいとレオンは感じ、ドアがない以上作るしかないと魔纏を展開し、左手で塔の壁を触れ、右手を握りしめ拳を作る。


「………ッ⁉」


しかし、次の瞬間展開していた魔纏の魔力がごっそりこの塔に吸収さてしまい魔纏が解ける。

思わず触れていた手を放し、数歩後ずさる。そして、気付く


「壁に……文字?」


そう、先ほどまでなかったはずの文字らしき何かが塔へと刻印されていたのだ。


「………もしかして」


レオンは何を考えたのか両手を壁へ当て、魔力を注ぎ始める。最初は変化の無かった塔が徐々に輝き始める


「これはッ……」


そして、魔力を込めれば込めるほどその輝きは増し、一部分しか文字がなかったはずなのに塔の全身に同じような字体の文字が刻印され始めるのだった


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