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第11話

そして、当事者はというと


「初級魔術でも使いようによっては有能だな!」


そういうとレオンは、火属性の初級魔術であるファイアボールを複数生み出し、前方へ打ちまくる。


(これで、雑魚を一蹴する。そして、死ななかった奴は俺が直接叩く!)


強化した肉体で移動しながら、魔物が行進している側面へ。そして、魔術を放ち続ける。


 「グァァッ!!」


打ち漏らし村へと進行する魔物は予め地面に刻んでおいた起動術式(炎)による爆破や、起動術式(土)による落とし穴へ落下す。これは、魔術店などで買う事が出来る術式符。この時のために少しずつお金をためて用意していた。効果は符の効果範囲に踏み込んだ1秒後に炎なら爆発。土なら落とし穴へ。そして、落とし穴の底に用意した無数の竹やり(強化済み)が魔物たちを魔石へと変えていく


目に見えて魔物の軍勢が減っていっていることが分かる。


(見た感じこれで7割は削れたか……ここからは直に叩くか!)


レオンは、ファイアボールの行使を止め、接近戦へとスイッチしようとする。


「ッ!?」


しかし、その瞬間何か黒い物体が高速で接近してくる。レオンは、得体のしれない悪寒を感じとっさに両腕を体の前で交差し、防御の姿勢を取る。


「うぐッ!?」


次の瞬間すさまじい衝撃とともに20m以上後方へ吹き飛ばされる。先ほどまで己がいた位置を見ると、そこには両腕に包帯を巻き、何もない空間を軽いフットワークを刻みながら何度も殴りつける額に二本の角を生やし、紅い肌をした魔物がいた


「……」

「あぁ……クソッ!オーガファイターかよ」


魔物はその危険度に応じてSS~Fまで、ランク付けされている。通常のオーガでも、ランクは『D』だ。しかし、その亜種であるオーガファイターは、さらにその上を行く『C』ランクの魔物。ベルゼブブよりは圧倒的に劣るが、近接戦、特に徒手空拳において、他の追随を許さない。性格上、1対1を好む傾向にある


実際レオンも一度戦ったことがある。しかし、その時は、辛勝という結果に終わっている。それもユーティアがその場にいたからだ。もしいなかったら相打ちという結果になっていただろう


(油断した。この程度で魔物行進を止められるわけがないッ。攻撃の手を止めるなッ。手足が千切れても食らいつけ!守るんだ。あの時の自分と違うんだと証明して見せろ!!)


「昔の俺とは一味も二味も違うぞ!オーガファイターッ!」

「ガアァァァァッ!!」


そして、戦いの火ぶたは切って開かれる。


「グッグッグッ」

「フゥー……」


互いの間に、数舜の静寂が訪れる。


「「ッ!」」


レオンは先ほど攻撃された時の衝撃で解除してしまった魔纏を再発動する。それに呼応するようにオーガファイターもドス黒いエネルギーを体外に放出し、コートを着込むように自身へと纏う。


(そういえば、俺の自己流オリジナル強化魔術の原点はコレだったな……懐かしい)

「けどッ!それはもう過去の話だ!」


始めに動いたのはレオン。オーガファイターに肉薄し、胴体へ右ストレートをかます


「ギギッ!」


(ここからは加速していくッ!)


レオンが放つ強烈な右ストレート。しかし、オーガファイターはそれを左腕で防御し、右拳を振り上げレオンの顔面へと振り下ろす


「カハッ!」


防御できず、直撃を食らったレオンはとてつもない力で地面に叩きつけられる。が


「チッ!……ハアァッ!」


その勢いを利用し、オーガファイターの脳天へ強烈な踵落しを食らわせる。すると、当たり所がよかったのかオーガファイターはピクピクと痙攣し、白目を剥いたまま動かなくなってしまう


「よしッ!次!!」


動かなくなったオーガファイターの心臓へ短剣を突き刺し、完全に絶命した後、魔石へと変化したのを確認するとレオンは、まだ生きている魔物の方へと向かった

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