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第10話

「ふぅ……こんなもんでいいだろう」


そういってレオンは、地面から手を放す。

それからしばらくすると、地面が揺れ始める。


(来たか……)


これは魔物行進の前兆だ。500を超える魔物が一斉にこちらへ向かってくるのだ。その魔物の中にはかなり大きな個体もいた。つまりもう近くまで来ているということだ。レオンは探知魔術を展開する。レオンの得意魔術。魔力回路がズタボロだったあの時(過去)では発動させることが困難だったが、現在の魔力回路でなら十分可能だ。


自身を中心に半球を描くように広がっていくソレは、あるところで複数の反応を感知する


(居たッ!)

「まずはあいさつ代わりに特大のプレゼントをくれてやる」

 

レオンは両手を前に翳し、大量の魔力を練り始める。それは徐々に大きさを増していき、10秒後には、レオンが人一人は余裕で入れるくらいの巨大な火の球が完成していた


「超特大級の『ファイアボール』だ!喰らっとけ!!」


放たれたそれは放物線を描き、約200m先へ被弾した。


「まだ!」


瞬間。地面に被弾した火球は爆散し、通常の大きさの火球が複数、その周りに降り注いだ

 

「二段式ファイアボールだ。」


複数の魔物が今の攻撃で殺せた。しかし、魔物行進の前列側は主に弱い魔物で構成されている。つまり……


「本番はこれからってわけだ!」


レオンはグレッドから託された両刃の短剣を鞘から引き抜き、剣を含めた全身に魔力を流し始める。


(リミッター解除)

「オーバードライブ……」


オーバードライブ。それは魔力回路の限界許容量以上の魔力を流し込むことで、人外の力を引き出し、その代償と言わんばかりに体と魔力回路を傷つける諸刃の剣。しかし、それはベルゼブブとの戦いの中で進化した。今のレオンが扱うソレは全く新しい魔術。その名も


魔纏まてんッ!」


魔力でできた黄金に輝く羽織を纏ったレオンは、動き出す。レオンの存在に気付き、敵意をむき出し襲い掛かる。それに対し、レオンもまた、腹の奥から湧き出る怒りを殺意にし、魔物の大群へ進撃する


・・・・・・

一方そのころ。静かだった村に突然轟音と朝かと見間違うほどの光が発生したことによって、それに驚いた村人が続々と飛び起き、外の状況を確認しに家から出てくる。


「なんだ!?一体何が起こっているんだ!?」

「わかりません。先ほどの爆発音。アレは村の外で起きたものです」

「なんだと!?フィル、セント!俺についてこい!外の状況を確認しに行く。他の男集は女子供、そして隠居連中の安全確保を最優先に、いつでも逃げられるように準備しておけ」

「大変です!村長!」

「今度はなんだ!?」

「レピュードのせがれ。レオンが行方不明です」

「なん、だって……探せッ!探すんだ」


行方知れずのレオンを探そうとその場にいる全員が散らばろうとした時、一人の声がそれを制止する


「静まらんか!バカ者ども!」

「「「ッ!?」」」


一同が驚き、声の方向へ視線を向ける。その先には……


「あ、あんたは…グレッドさん!でも、レオンが!!」

「アイツなら心配いらん。それよりお前らは自分たちのことを心配せんか!」


「ってことは、レオンは安全なところにいるんだな!?そうなんだな!」

「レオンは、お前たちが思うほど子供じゃない。放っておいてやれ。アレは、言って止まるような男じゃねえ」


そういって、グレッドは村の外に目を向けるのだった

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