表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/96

■第3話『CMと再会と、ふたたび舞台へ――推しと夫の狭間で』


■Scene:企画会議室・午後


瞬が勤務するマーケティング企業。

今日は来期の大型イベントCMの方向性を詰める大事な会議だった。


「次のターゲットは女性層とファミリー層をどう同時に惹きつけるかですね」


「前回のCM、大反響でしたからな……社長からも“再起用できるか”と話が出てます」


黒崎課長が目を光らせながら口を開く。


「……ほのかさんを、もう一度?」


企画書の上に載った名前――“綾瀬ほのか”

その文字を、瞬は無言で見つめた。


「うちの会社の顔として、これ以上の人はいないと思うんだが……佐伯、お前、聞いてみてくれないか?」


「……はい」


あくまで“社員として”。

“夫として”ではなく、“営業担当”として。



■Scene:その夜・自宅リビング


「また出るの? CMに」

瞬がぽつりと聞いた。


「うん。マネージャーからも、前回と同じ会社なら、全然OKって」


「今度は何するの?」


「家族向け製品のイベント。CM撮影とPR登壇と、記者会見があるって」


「記者会見……」


瞬の喉が詰まる。

表に出るということは、リスクもまた、表に立つということだ。


「大丈夫。ちゃんと“プロとして”やるから」


「……夫として、すこし、複雑なんだよね」


「それは私も。だって、あなたが“ファン代表”みたいな顔して見てくるんだもん」


「それは……そうだけど」


「……じゃあ、こうする?」


ほのかは唇を寄せ、そっと瞬に囁いた。


「“CMの中では、仕事として”。でも、夜の寝室では――“あなたの奥さん”として、ちゃんと伝えるから」


その言葉に、瞬の中に灯る安堵。



■Scene:CM撮影・当日


スタジオには、大型モニター、プロ用カメラ、照明がずらりと並び、

現場の緊張感が張りつめていた。


「本日もよろしくお願いします!」

ほのかが明るく挨拶すると、スタッフから一斉に拍手。


そこへ、現れたのは――


「うちの妹も、よろしくお願いしますね」

佐伯心音。

すでに芸能界デビューしていた彼女は、今回のCMで“ほのかの妹役”として出演することに。


「わっ……! 本当に来てくれたんだ」


「もちろん。“お義姉ちゃん”と一緒にCMに出れるんだから、光栄よ」


心音がほのかにそっとウインクを送った。



■Scene:スタッフ控室にて・撮影合間


一方、瞬は会議の報告と資料確認のため社内から送られてきたメールに対応していた。


そこへ、黒崎課長からメッセージが。


【俺、今日の現場、見学できないのが残念すぎる。せめてサインもらっておいて】

【あと、新しい写真集出るなら、会社の販促費で買っても問題ない?】


「課長……やっぱり本気で推してるな」


苦笑しながらも、瞬はスマホをしまった。



■Scene:夕方・自宅


その夜、撮影を終えたほのかと心音が帰宅すると、

子どもたちは玄関まで走ってきた。


「ママー! おかえり!」

「おかえりーお義姉ちゃん!」


「ただいま、みんな〜」


その笑顔に迎えられ、ほのかはふと――

“表の顔”と“家庭の顔”のバランスを、ちゃんと保てているか、静かに考えていた。


そして夜、瞬と布団に入りながら。


「CM、よかったよ」


「ちゃんと“演技してた”? “愛してる”って言ったけど、あれはあくまでセリフだから」


「うん……わかってる。けど……」


「なに?」


「“プライベートではもっと愛してる”って、言って」


ほのかは一瞬、恥ずかしそうに瞬の顔を見て、

照れながらそっとキスをした。


「……もっと、愛してるよ。お仕事モードよりも、ずっとずっと」



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ