■第10話『秘密のまま、でも永遠に――』
――“夫婦”であることを叫ばなくても、
その隣に立ち続ける覚悟だけは、誰にも負けない。
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季節は冬へ――
東京国際映画祭の最終日。
女優・綾瀬ほのかが主演した映画が、ついに上映された。
舞台挨拶には、映画関係者やファン、そしてメディアが一堂に集う。
壇上に立つ彼女は、深紅のドレスに身を包み、
スポットライトの中で静かに語り始めた。
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■Scene:舞台挨拶での“言葉”
「今日、この作品を観てくださってありがとうございます。
私は、演じることで、たくさんの“愛”と“痛み”を学んできました」
彼女は一瞬、観客席に視線を向けた。
そこに“彼”の姿はない。けれど、心には確かにいる。
「……役ではなく、“自分の言葉”で、少しだけ伝えさせてください」
会場が静まり返る。
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「私は、誰かに言われて結婚したわけじゃありません。
“誰か”ではなく、“あなただから結婚した”――
この想いだけが、私のすべてです」
小さなざわめきが、客席を走った。
だが、ほのかはそれ以上は語らず、深く一礼した。
それは、真実を明かすことなく“愛”だけを示した、
唯一無二の告白だった。
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■Scene:その頃の瞬
舞台挨拶の時間、瞬は会社の会議室にいた。
映像でほのかの姿を確認したあと――
スマホに短いメッセージが届く。
綾瀬ほのか:
「……観てた? あれが、私なりの“誓い”です」
瞬は笑みを浮かべ、返信した。
佐伯瞬:
「誰よりも伝わったよ。“俺だけに”って言ってるの、ちゃんと分かった」
「だから俺も誓う。
この先も、君を“世界で一番素敵な妻”として、秘密のまま守り続ける」
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■Scene:帰宅後のふたり
夜、マンションのリビング。
ソファに座るふたりの間に、双子の笑い声が響く。
子どもたちが眠ったあと、
瞬とほのかは静かに向かい合う。
「これからも、秘密のままでいい?」
「うん。
でも、たまには“名前呼んで”くれたら嬉しいな」
「……じゃあ、今だけ特別」
瞬は、彼女の頬に手を添えて言った。
「――ほのか。
ずっと、そばにいるよ」
そのキスは、過去も未来も包み込むような、優しいぬくもりだった。
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■ラストナレーション:
世界は騒がしい。
名前も肩書きも、愛さえも、値段のように並べられていく。
でも――
ふたりにとっての“真実”は、いつだって静かで、確かな場所にあった。
結婚は、秘密。
でも、愛はずっと、世界でいちばん本物だった。
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