■第9話『光と心音、家族の未来について語る夜』
――兄として、妹として。
そして“家族”として、語り合った夜。
そこにあったのは、名前ではなく“絆”で結ばれた未来のかたち。
⸻
その夜、佐伯家の実家。
リビングには、珍しく兄妹2人だけ――
佐伯光と佐伯心音が向かい合って座っていた。
心音は自分の出演ドラマの台本を膝に置き、
ソファに深く座り込む。
「兄ちゃん。私さ……芸能界って、想像以上に怖い」
「……まあな」
光は缶ビールを一口飲み、苦笑した。
「でも、兄ちゃんはずっとそこにいるでしょ。
……なんで続けられるの?」
光はしばらく黙ったまま天井を見ていたが、
やがてゆっくりと言葉を選ぶように答えた。
「……俺はな、“家族に嘘をつかない”って決めたからだよ」
「え?」
「どんな役でも、どんな噂が流れても――
瞬にも、お前にも、
“自分が信じて選んだものだけ”を見せてきたつもりだ」
「信じてるって言える関係があると、
この世界で迷ったとき、ちゃんと戻ってこれるから」
心音は目を見開きながらも、どこか嬉しそうに微笑んだ。
「……兄ちゃんってさ、実はけっこうカッコいいよね」
「今さら気づいたのかよ、遅すぎだろ」
二人は声をあげて笑った。
⸻
その後――
光は缶を置き、真剣な表情に戻る。
「なあ、心音。お前が女優になったこと、俺は誇りに思ってる。
でも、だからこそ聞きたい」
「……もしさ、この先“家族か夢か”で迷う時が来たら、
お前はどっちを選ぶ?」
心音は少しの間考え、そして小さく首を振った。
「私、どっちかなんて選べない。
だって、お義姉様――ほのかさんだって、
“どっちも抱えて生きてる”でしょ?」
「私もそうなりたい。
選ばなくていい未来を、自分の手で作ってみせる」
光は静かに頷いた。
「……強くなったな、心音」
「うん。だって、兄ちゃんと瞬が私の背中を押してくれるから」
⸻
その夜――
部屋に戻った心音はスマホを開き、
瞬とほのか、そして双子たちの写真を見つめた。
(私は、ここに戻ってこられる)
その“場所”がある限り、
彼女は前に進める。
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