表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

43/96

■第1話『就職初日、“夫であること”を隠して働く』


第5シリーズ『 社会人編 』へ




――社会人一年目。

大学を卒業したばかりの新入社員・佐伯瞬が向き合うのは、

“仕事”と“家族”と――“秘密の結婚生活”。



朝6時。

目覚ましよりも早く目が覚めた瞬は、隣で眠る妻――綾瀬ほのかと、

布団の中でそっと手を重ねていた。


「緊張してる?」

「……少し。今日から、社会人だから」


ほのかは優しく笑った。


「あなたがどんな職場に行っても、家に帰ればここが“居場所”だよ。

おかえりって、ちゃんと言うから」


瞬は頷き、双子の妹・紬と弟・蒼をちらりと見た。

陽翔と奏は、もう起きてリビングでテレビを見ている。


「……この4人を育てながら、仕事するって想像以上だよな」

「でも、二人でやってきたじゃない」


「だからこそ、今日も頑張れるよ」



午前8時半。

大手広告代理店・NEXCOM JAPAN本社ビル。


新入社員として出社した瞬は、スーツ姿で緊張した面持ちでエレベーターを上る。


「佐伯 瞬くん、ね。よろしくお願いします」

「こちらこそ……!」


同期たちに混ざりながら、自己紹介をする瞬。


だが、その頭の中では――

(誰かが“ほのかの旦那”だって気づいたら、全部終わる)


そう、誰にも「綾瀬ほのかと結婚している」とは言っていない。

公にすれば、ほのかの仕事に支障が出る。

そして何より、自分自身の社会人としての実力を“彼女の名前”に頼りたくなかった。



昼休み。


同期たちと社員食堂へ。

その中に、ちょっと派手な見た目の男性社員がひとり――


「おー、新入社員ってお前らかー。なんか真面目そうな子いるな?」


「佐伯です。よろしくお願いします」

「あっ、佐伯って……“あの”?」


瞬は一瞬、血の気が引いた。


「いやいや、まさかな~! たまたま同じ名字なだけだよな~!」


(……あぶなかった)



一方その頃、都内某所のスタジオ。


綾瀬ほのかは久々のテレビCM撮影に臨んでいた。

スタジオ入り口では、義妹・佐伯心音がスタッフとして同行していた。


「お義姉様、今日のメイク……めっちゃ映えてます!」

「ありがとう。……でも、現場では“姉妹”じゃなくて、“女優同士”だからね」


「了解です、綾瀬先輩!」


その様子を見ていたのは――心音の隣にいた、兄・佐伯光。


「お前ら……なんか“立ち位置”が逆じゃない?」

「兄ちゃん、黙ってて。今はあたしが現場の担当者!」


光は苦笑しつつ、タブレットで撮影スケジュールを確認する。


(……それにしても、“義姉弟”3人が芸能界と一般社会に分かれて、

それぞれ“バレちゃいけない秘密”を抱えてるなんて)



夜。


帰宅した瞬が玄関を開けると、ほのかがエプロン姿で待っていた。


「おかえり、社会人一年生」

「ただいま、国民的女優」

「それ、家でも言われるの?」


「……言いたくなるくらい、今日しんどかった」

瞬はソファに倒れこみ、子どもたちに次々と飛び乗られる。


「パパ、おしごとがんばった?」

「うん、頑張った……けど、疲れた……」


「じゃあ、パパだけ特別に――キス!」


子どもたちの頬にキスされている姿を見ながら、

ほのかがそっと呟いた。


「あなたが選んだ道、私は応援してるよ。

でも――忘れないでね。

あなたが“帰る場所”は、いつだってここなんだから」


瞬は微笑み、彼女の手を握った。



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ