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■第2話『妹、代理として登場』


週末、都内某所のショッピングモール。

綾瀬ほのか、完全復帰後初となるファンイベントが行われていた。


会場には朝から長蛇の列。

女性ファンはもちろん、カップル、親子連れまで幅広い層がほのかの再登場を祝福していた。


「ほんとに……女神みたい」

「変わらないね、あのオーラ」


中央のステージに立つほのかは、堂々たる笑顔で手を振っていた。

けれど、ステージ袖――


その端のほう、スタッフジャンパーを着たひとりの少女が、少し落ち着きなく出番を待っていた。


佐伯心音。

瞬の妹であり、綾瀬ほのかの“義妹”。

もちろんこのことは、誰にも知られていない。


「……大丈夫かな、私で」

「緊張してる?」ほのかが、マイクを外したタイミングで話しかける。


「めっちゃ……でも、お兄ちゃん今日来られないって聞いて……

だったら、私が“その分”応援しなきゃって思って」


「ありがとう、心音ちゃん。来てくれて心強い」


「でも、私まだ高校生なのに、“イベント補佐”とかしていいのかな?」


「ううん。あなたは、今日の大事な“家族の目撃者”だから」


ほのかは静かに微笑んだ。



握手会が始まる。


ファンが一人ひとり順番に現れ、

ほのかと笑顔で握手を交わしていく。


「お帰りなさい!」

「またこうやって会えて嬉しいです!」

「これ、娘が描いたんです!」


温かい言葉が続くなか――


その横、サポート係として配置された“黒髪の少女”に、何人かのファンが気づき始めた。


「あの子、スタッフにしては……可愛くない?」

「っていうか、どこかで見たような……?」


それもそのはず。

心音は、ほのかの雑誌やメディア露出の際に何度かチラッと映ったことがあったのだ。


しかしそれ以上に――彼女の眼差しは、どこまでも真剣だった。


「ありがとうございます……! あ、足元お気をつけて」


ファン一人ひとりに目を合わせ、笑顔で接する心音。


それはただの“サポート”ではなく、

明らかに、“何かを守ろうとしている”人の目だった。


(お兄ちゃん……行けない分、私がちゃんと、ほのかさんを支えるからね)



イベント後、スタッフルーム。

着替えを終えたほのかが、心音にペットボトルを手渡す。


「お疲れ様、心音ちゃん。本当に助かったわ」

「いえ、私こそ……なんか、自分でもびっくりするくらい、嬉しかったんです」


「どうして?」


「だって、あんなに“誰かのために立つ”って初めてだったから……

私、たぶん、ずっと憧れてたんです。

“お義姉様”としてのあなたにも、“女優”としてのあなたにも」


ほのかは少しだけ目を丸くして、

そして――ゆっくり、彼女を抱きしめた。


「……ありがとう、心音ちゃん。

あなたは今日、本当に大切な誰かの代わりじゃなくて、

“あなた自身”として、ここにいてくれたのね」


心音の目が、少し潤んだ。


「……ずるいです、そういう言い方。

もっと好きになっちゃうじゃないですか、お義姉様のこと」


ほのかも、小さく微笑んでこう答えた。


「私も、心音ちゃんのこと――

ちゃんと“妹”として、大好きよ」



その夜。

帰宅した心音は、兄・瞬のスマホに写真とメッセージを送った。


『イベント、無事終了しました!

義姉様、めっちゃ綺麗でした♡

兄貴、心から感謝してほしい!!(ドヤ顔)』


(返信)

『ありがとう。お前がいてくれて、ほんとに良かった。

今度、好きなスイーツ奢るから……頼むから“お義姉様ガチ推し”だけはバラすなよ』



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


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その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。


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