フルーツモーニングセット➃
全て食べ終わり、残っていたアイスコーヒーを飲みながらミーレは重大な事に気がつく。
(ここのお金…ないよ私)
幸せだった顔から一瞬で真っ青になるミーレ。
それに気がついたのか店員の女性が近寄ってきた。
「いかがなさいましたか?」
ミーレは真っ青で店員さんを見る。
(どうしよう…完食しておいてお金がないなんて言えないよ…)
黙っているミーレに何か気がついたのか店員さんがにっこり笑う。
「大丈夫ですよ!ポケットに何か入っていませんか?」
そう言われ、え?と思いながら探るミーレ。
すると、
「あれ?」
ポケットから見たことのない紙切れが出てきた。
「はい!ありがとうございます。これはこちらのお金です。」と言った。
「え?私持ってなかったんですけど!」
ミーレがポケットに入れていたのは森で偶然拾っていたキラキラする石だった。
困惑しながらミーレが言うと。
「何かそのポケットに入れていませんでしたか?前にいらっしゃった方もそうだったのですが、入れていたものがこちらのお金に変わっていたそうなんですよ!価値のあるものほど大きなお金になっているようでした。」
そう言い、紙切れ(お金らしい)を持っていき、おつり(硬貨)を持ってきたので受け取った。
「またいらっしゃることがありましたら、ポケットに何か入れておくと良いですよ!ありがとうございました!」
店員さんが丁寧に頭を下げて見送ってくれる。
「すごく美味しかった…また来たいなー……ってどうやって帰るの!?」
慌ててミーレはお店のドアを潜り外に出る。
すると...
「あれ?」
ミーレはなぜか自分の家の中にいた。
夢だったのかと思ったのだが、味は鮮明に覚えているし、何より...ポケットにおつりの硬貨がじゃらじゃら音をたててなっていたので、夢ではなかったのだと確信した。
ミーレは笑って、
「またあの店に行きたいけど、他のも食べてみたいな!とりあえず…頑張ってキラキラする石を手に入れておかないとね!」
あのキラキラする石が向こうのお金に変わっていたことは間違いないので、物々交換などで手に入れるか今日のように偶然拾うかしかないのでミーレは気合いをいれる。
伸びをして採取してきたキノコを洗いに台所がある奥へ入って行った。