フルーツモーニングセット①
※この作品は実際にあるお店の料理を異世界の人に食べてもらって感想を言ってもらうという物語になっています。
お店の名前などは出さないようにしています。
特定してお店に対する誹謗中傷などはやめてください。
リアルなお店の設定が嫌な方は閲読を止めていただければと思います。
「ここは…どこだろう?」
見たこともない街並み、固い道に鉄で出来た乗り物らしきもの。見たことのないものばかりを目の当たりにして一人の少女は立ち尽くしていた。
◇◇◇◇◇
異世界ルクスの北の森の果てにある村、ここには猫みみ族が住み着いていた。
成人したての茶トラ猫の女の子ミーレはこの村に住んでいた。
成人すると一人で暮らし始めるため、何でも自分一人で行う。
ミーレはいつもの日課であるキノコ採りをしていた。食料としたり物々交換、貴重なキラキラする石と交換する場合もあるので大切な日課である。
「こんなもんかな…さてこれは明日にでも売りに行こうかな。」
一人で暮らしをしているミーレにとってキノコは生きていくために必要な食材。
だがそのまま焼いたり、スープに入れたりするくらいしかレシピを知らない為にほとほと飽きていたのだった。
「はあ…美味しいもの食べたいなぁ…もっと南の方には甘い果実とかがあるって聞いたことあるけど、行けないし」
ぶつぶつと呟きながら自分の家に向かって歩くミーレ。
「あれ?」
自分の家まで着いたミーレだったが、なんか違う。
その違いはすぐにわかった。
「ドアが変わってる……なんで?」
ミーレの家のドアはただの木で出来たドアだったのに、白いドアに変わっている。
ドアには木が描かれていた。
「誰か変えたのかなぁ……ってそんな訳ないよね意味ないし」
ミーレが呟くと、目の前にあるドアに描かれた木にみるみるうちに葉が茂っていく。
「わ!!」
ミーレは驚き一歩下がって様子を伺う。
あっという間に葉が枝一杯に茂っていた。
「なにこれ?どうなってるんだろう…とりあえず家に入りたいから開けてみようかな…」
ミーレは緊張しながらもドアを開けた。
【カチャ】
そして冒頭にいたる...
◇◇◇◇◇
目の前にあるのは一軒の建物、中はガラスなので透けて見える。
「あれって……」
ミーレが見たのは綺麗な赤やオレンジなど色とりどりの果実たち。
「もしかして甘い果実かな?」
植物が生えていてガラス越しとはいえ視界が少し遮られるが隙間から見える美味しいそうな果実を見ながら店を周りをうろうろするミーレ。
すると...
「いらっしゃいませ!」
中から出てきた元気な人間のに、女性に言われ、ミーレは驚いた。
「あの…えっと」
しどろもどろになりながらも、女性に案内されるまま中へ入る。
目の前には先ほど外から見ていた色とりどりの果実。ミーレは目を輝かせる。
「こちらにどうぞ!」
女性は丁寧にミーレを室内のテーブルと椅子がならんでいるスペースへ案内する。
「ご注文が決まりましたらお呼び下さい」
と言い一度奥のスペースへ入っていく。
「注文……」
(ということはここは飲食店だろうか…猫みみ族の飲食店とはだいぶ違うな。)
などと思いながらメニュー表を見てみる。
親切に料理の絵が書いてあるので分かりやすい。
不思議と何が書いてあるかも読むことが出来たのでウキウキしてパラパラとメニューを捲っていく。