幕間 女神のひとりごと
私はしがない占い師にして、この世界の神です。
意外ですかね?
神は実在するんです。
でも、鳥亡の禁じられた神や南方の自然神、唯一神セフィリアではないんです。
私はこの世界への介入がほとんどできない。いわゆる観測者。
でも、生きている以上肩入れしたくなる人は出てくるものです。
どんな人に肩入れしたくなるか、ですか?
そうですね、メタ的に言えば主人公でしょう。
20年前ならあの子の母親アンジェラ・ストラウスや現鮮血の夜明団会長シオン・ランバート。
17年前なら当時頭角を現した錬金術師ユアン・ブルックス。
14年前なら現春月支部の支部長にして鳥亡の血を継ぐ神守杏奈。
9年前なら杏奈の弟の神守杏助。
7年前ならタリスマン支部の革命家ユーリー・クライネフ。
今だったらあの子――オリヴィア・ストラウス。
私、ある一定の人に肩入れすると世界が歪むんですよ。
要するに中立を強いられている。
だけれど、今あげた7人……オリヴィア以外の6人については肩入れしても何もなかった。
私の感じた歪みを一切感じなかった。
皆が世界のイレギュラーだから。
というわけで、私――レムリアの女神レクサ、動きます。
占い師として、オリヴィアに接触しましょうか。
大丈夫。私は杏奈の飲み仲間だから。
占い師レクサは彼女自身の拠点を出た。その服装は、彼女が占い師をやるときのそれだった。




