両親の想い
今、俺は、父さんからの急な呼び出しでお見合いのデートを切り上げて、カフェで母さんの現状について話を聞いていた。母さんの身体はあと3年もしかしたら明日入院ってことももしかしたらあるかもしれないという状態らしい。
「そうなんだ。でもなんで今更お見合いなんてしたんだ。」
「・・・ああそれはな。」
どうやら少し落ち着いてきたような感じたみたいだ。
「まことの結婚式に出たいんだと。結婚式に出て大号泣したいんだって笑いながらいってたよ。その時俺は、『そんなんでお見合いはやりすぎなんじゃないか?』なんて言ってな。すごく母さんがさびしそうな顔してたのがすごく印象に残っててな。なんでそんな顔するんだろうって思ったんだ。ホント、一日、一日大切に・・・いきなきゃ・・・・なって・・今更になって・・おもってな。すまん、こんな父親見たくないよな。
でも、母さんの前で泣きたくなくてな。なんで普通の幸せって長くつづかないのかな。なんで母さんなんだろうな、かわってやりたいよ。父さんとかまこと達のことを一生懸命ささえてくれて、さあこれから、やりたいことやって楽しく生きようって時に・・・」
父さんが泣きながら思いをはなしてくれてる。俺は黙って父さんの話をきいてやることしかできなかった。今まで、父さんのこんな姿は見たことなかった。
俺からみた父さんはいつもニコニコしてて、俺がやることにはいつも一言、『やる以上は責任をもってやりなさい』とだけ言ってなんでも応援してくれてた。
「なあ、まこと、結婚は自身で決めることだし相手あってのことだってのは理解してるつもりなんだけどな。まことがよかったらお見合いのあと前にすすめてくれないか。」
おれはいま、どうしたらいいのか。わからない。
「とリあえず父さんの希望わかったから。ただ、もうお見合いは終わってるから、先方がこちらに次第だと言ってくれたら考えるから。基本的に女性側がから断るからなお見合いって。」
「そうか、なんか、無茶なお願いしてるな。もういい時間だな。今日はもう帰ろうか母さんもまってるかな?」
そうしてスマホを覗くとちょうど母さんからメッセージが入る。
【まこと、あの後はどうだったの?今日は阿久津さんといろいろお話してつかれちゃったからお父さんとどこか食べてかえってきなさい。多分、町にでてふらふらしてるだろうから、適当に連絡とって合流して。よろしく】
「母さん疲れたから今日は父さんと飯くってこいって。」
「そうか、じゃあ、飲みに行くか。」
「ああいいよ。そういえば美鈴は?」
「ああお姉ちゃんか、今日は遅番なんだと。お土産だけ買って帰ってやればいいだろう」
ああ、美鈴というのは俺の6歳離れた姉だ。姉は出戻りで今は実家で暮らしている。
父さんと二人で飲みに行くのは実は初めてだったりするなとふと思った。それと同時に、母さんがこうなったってことは父さんもいつそうなってもおかしくない年齢になってるってことだよな。ってことが頭を過ったが今は考えないことにした。
それから、父さんのいつものコースで飲みに行き、母さんとの出会いとか思い出話で盛り上がった。母さんも父さんもお互いのこと好きなんだもんな。結婚っていいもんなのかもなあとも少し思わせてくれた。
阿久津家からお見合いに関しての連絡があるのは、早くも翌日の話だった。




