・・・・ばいばい。またね
春乃は自分の想いを話ながら顔を真っ赤にして春乃は話していた。
その気持ちに少し絆されてしまった俺はあくまでもお見合いをした義務として今日くらいはデートしてやるかと思った。決して昔の愛しい感情がよみがえったわけではない。
「まあ、今日くらいは付き合ってやる。」
「え、ほんとう、このままバイバイじゃない?ほんと。ありがとう」
そういって俺の隣のせきに座ってきた。
「まあ、今日は春乃に期待させてしまったところは俺も悪かったからな・・・今日だけだぞ」
「やっぱり、まことくんは優しいね。」
ということで、春乃の希望でホテルの中華ランチにいき、そのまま展望台を回るというカップルっぽいデートに連れまわされることになってしまった。お互い大人になっていたからか、昔を思い出し懐かしみながらも時間は人を変えるのかもしれないと思っていた。
そして俺たちのデートも終盤に差し掛かり展望台のデッキで街を見下ろしていた
「まことくんはいつまでたっても優しくていい人だね」
「春乃は大分大人になったな、もっとわがままで子供のままだとおもってたよ。母さんの前では話をあわせてくれたし。」
「まあ、私もいろんなことを経験したからね。子供のまんまじゃいられなかったから強制的に大人にさせられちゃったのかな。」
吹き抜ける秋風に髪をなびかせ搔き上げながら春乃は遠い目をしながら呟いていた。
春乃の実家は確か名家だったが一時期は事業に失敗してどん底に近くまで落ちていたって聞いたな。その当時の内情は悲惨だったけど今では地元で知ら居ない人はいないほど急成長して復活したはずだ。
まさに俺と付き合っていた時は事業に失敗した時だったからな、ご両親も春乃をお嬢様学校には通わせてたけど、ホントはそんな余裕なかったはずだ。
そんなこともあったから、余計に春乃には優しく甘くしてしまってたんだよな。あの時は・・・
だが、髪をかき上げていた春乃の横顔は学生時代の時のようなあどけなさはなく、一人の大人の女性としての強さと儚さが漂っていた。
「じゃあ、いこっか今日はありがと。」
そういってこっち向いて見せたときの笑顔は屈託のないかわいらしい笑顔だった。その笑顔を見て学生時代の楽しそうな笑顔の春乃を思い出す。
そこから展望台をおり春乃を駅まで送る。
「あらためて、今日はありがとう。あの、連絡先教えてくれないかな」
「・・・ごめん」
「そっか、また会えるかな?」
「縁があればな。」
「・・・・ばいばい。またね」
「さよなら」
そうして、春乃と別れたあと父さんからメッセージが入っていた。
【お見合い中ごめん、実は母さんのいないうちに話したいことがあるんだ。デート終わったら連絡してほしい。】
父さんからこんな感じでメッセージが来たことに心のどこかで違和感を感じつつ連絡すると街にいるようなので父さんの指定した待ち合わせ場所へ向かった。




