なにを今更・・・
俺は今、母親がセッティングしたお見合いをしている。お見合いに現れたのは今ままでの人生で唯一の彼女であった、阿久津春乃だった。
阿久津春乃を一言でいうと超束縛嫉妬メンヘラ女である。
「遠いところ足をお運びいただいてありがとうございます。お写真を拝見したときに運命だと感じておりました。阿久津春乃と申します。よろしくお願いします、まことくん、お母様」
「あれ、私の聞き間違いかしら、今、まことくんっておっっしゃった?もしかしてまこと、お知り合いなの?」
「いえ、初めてお会いします。初めましてですよね阿久津さん。」
「そうですね。初めましてです。お見合いが決まってからずっとこの日を待ち遠しく思ってましたのでつい、仲良くしたい思いがあふれてしまいました。」
昔と変わらず外面と演技力は完璧だ。だから、周りの奴は騙される。ホントになかのいい俺の友達連中は気づいていたが・・・
「でも、こんなお綺麗なお嬢さんがうちのを気に入ってくれえるなって光栄だわ。でしたらもう私たちの出る出番はなさそうね。もう当人同士に任せましょうか?
?ねえ阿久津さん?」
「そうですね。私たちは私たちでお出かけいたしましょうか。あとは春乃、誠さんに失礼の無いようにするのよ。では行きましょうか。岡崎さん。」
「では、まことくれぐれも失礼のないようにね。」
「はいわかりました。では後程。」
とりあえずそうして、母親達は席を立って行った。そして、春乃の方を見ると張り付いた笑顔を浮かべながら母親たちを見送り。こちらを見て話しかけてきた。
「やっと、会えたね。まことくん。すごく会いたかったよ。」
「いや、俺は会いたくなかった。。。」
「やだ、もうそうだよね、サプライズで私のもとからいなくなってただで済むと思ってないもんね。逃げ切るしかないもんねぇ」
「わかってんじゃんか。まじでお見合いまでセッティングしてなんなんだよ。」
「実は、今までのことは謝ろうとずっと思ったのとおもってたの。いなくなってからずっと」
「なにを今さら」
「最初はまことくんが勝手にいなくなって怒ってたよ。でも周りにそれを話したらそういうことされるのも当たり前だって。言われた・・・
それでも、許せなかったけどまことくんがいなくなってから、何人かの男の人とお付き合いしたけど。やっぱりなんか違うというか、一番優しくて理想に近かったのがやっぱりまことくんで忘れられなくて。そして、今日、私が紅茶頼んだ時に砂糖2つくれた時にあぁやっぱりまことくん私の事忘れてなかったんだってすごくうれしくなってそれと同時胸がきゅ~うってなってそれでそれであの・・・」
顔を真っ赤にして春乃は話していた。
「ああ、もういい、わかったわかった」
ほんと何を今さらと思いながら。今日に関しては事前に断ることもできたけど俺が写真も名前も聞いてなかったのが原因で春乃に期待させたのも事実だしな。
義務として今日くらいは仮デートしてやるか。




