そう、知り合いもなにも、よく知っている
いま、母さんから勧められたお見合いシティホテルに来ている。待ち合わせ時間に早めについた俺はしばし、無駄な時間に、付き合ってくれと心の中で謝りながら待ち合わせ場所でもあるラウンジでくつろいでいた。そして待ち合わせにとうとうお見合い相手が現れ、顔を見たときに心の中で盛大にアラームが鳴り響いた!!
ビービービー
あれは、まずい。まずい、まずい、ヤバい、ヤバい、ヤバい
といっても、逃げ場はないここは何とかやり過ごすしかない。。。
「岡崎さん、本日は足をお運びいただいてありがとうございます~」
とてもお洒落でマダムなお見合い相手のお母さまから母さんに挨拶される。
母さんは流れるように挨拶する。
「いえいえ、こちらこそありがとうございます。まずはおすわりいただいてお飲み物でもいかがですか?すみません、こちらよろしいですか」
なれたように係の人を呼ぶ
「いったん皆さんコーヒーででよろしいですか?」
「申し訳ありません。私、紅茶でお願いできますか?」
と母の問いかけにお見合い相手が反応する。
そう、俺の記憶が正しければあいつは全くと言っていいほコーヒーが飲めないはずだ。
という前に春乃がなぜここにいる。お見合いに時点で俺の顔写真は相手に提示されていたはずだ。いくら写真とはいえ、俺の顔を見間違えるはずがな、それに名前も同時に言われているはずだからなおさらだ。
ほどなくして、それぞれに飲み物が差し出され、砂糖とミルクを入れている俺は昔の癖でお見合い相手に砂糖は差し出さずミルクは差し出さず角砂糖を2こカップの上に分けていた。
「やっぱり、まことくん、わたくしのこと覚えてくれていたのね。すごくうれしい」
春乃がボソッと聞こええるか聞こえない声でつぶやいていた。
しまった。忘れたふりするはずだったのに。まあこうなったら正攻法で行くしかないか。
「準備も整いましたので自己紹介でもしましょうかね。では、まことからお願いね。」
「はい、お初にお目にかかります。岡崎家に長男 誠 と申します。そのほかのことは会話の流れで少しずつお話させていただければと思います。以後お見知りおきを。」
「では、こちらも、春乃お願い。」
春乃はこちらを涼やか且つ可憐な笑顔でこちらを見ながらあいさつをする。
「遠いところ足をお運びいただいてありがとうございます。お写真を拝見したときに運命だと感じておりました。阿久津春乃と申します。よろしくお願いします、まことくん、お母様」
「あれ、私に聞き間違いかしら、今、まことくんっておっっしゃった?もしかしてまこと、お知り合いなの?」
・・・そう、知り合いもなにも、よく知っている。かつて俺は阿久津春乃に告白されお付き合いしていたのだから。
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