Side:ゆう子 私、こんな時どんな顔したらいいの?
いつからだろう、私があいつのこと好きになったのは。
あの先輩から助けてもらったあの時にはもう好きだった気がする。
だったらいつからなんだろう。初めて会った時は不思議な奴だと思っていた
ただ会って話すたびに少しづつその不思議さとまじめさにほんの少しずつ好きになっていったのかとおもう。
初めてあってから、もう10年以上になる。それは、私だってその間彼氏がいたことだってあったけど、心のどこかにはあいつがいた。
ずっと、隠してきたけどとうとうぶっちゃけてしまった。ほんと最悪のタイミング
というより、その前に岡崎がフラれたらって上機嫌になって上から目線でアドバイスして、【恋の傷を癒すのは次の恋をするしかない。恋の傷は恋でしか治せないからね。】なってメッセージまでおくって、完全に舞い上がってたよ。恥ずかしぬ。
次はしっかり告白しよう。そう思ってたら、電話が来る。
「ああもしもし、岡崎だけどお疲れ」
「こんなタイミングでどうしたの。電話なんて珍しい。」
ほんと、いつもならメッセージなのに珍しい、しかも何だろういつもよりトーンが低い?
「あの、おれ、告白された。」
「え、あっそう、よかったじゃんでそれがどうしたの?」
「どう返事しようか迷ってて、おれどうしたらいいのかな?」
いやいやいや、それを私にきくのか、ほんとヘタレだな。
「それを私に聞く?そんなの自分で考えることでしょ。私がそんなの断れって言ったら断るのか?バカにするなよ。私だってあんたのこと好きなんだぞ。そんな質問されたら余計言いづらくなるじゃんか。なに?あんだけアピールしたのにまだ気づいてないの?なんなのバカなの。自分一人、僕はモテませんみたいな顔して。恋愛で鈍感だってのは、ホントに人を傷つけるんだからね。わかってる?だったらなんで私にそんなこと聞くの、断ってほしいに決まってるじゃん。断って私に好きだって言ってほしいに決まってるじゃん。でも、ホントに自分の好きな人に向かって頑張っている岡崎見てるのが好きだから。今まで応援してたんじゃないか。。。なのに、なんで、重要な選択で他人に頼るような真似するの?ぐすっ、ごめん、言いすぎたね。まあとにかく自分で考えろってことだよ。じゃあな」
でも、・・・別の人に告白されるなんて・・・。思い出したバレンタインの時のあの人だたしかもう一人あのめちゃくちゃ美人なあの人だ。
だめだ、涙が本格的に出てきた。
なんで私っていつもそうなのかな。いつもはなんでもそつなくこなすのに重要なことになると少しだけ遅い。そのほんの少しが取り返しのつかない距離に離れるんだ。
いつも、それでおもうんだ。ホントなら私の方がずっと頑張ってた、準備してきた好きだったって。
今回もまたそうだ。でも今回はちゃんと想いを告げてないじゃないか。
うやむやにしちゃいけない気がする。自分が前に進むために。
◇◆◇
次の週の金曜日気まずそうにしてる岡崎に声をかける。出来るだけいつも通りを装って飲みに誘ってやる。
「悩み聞いてやるよ。あのハンカチの女の人ことだよね。告白されたの」
「そう」
「なんで、なやんでんの?あのすげー美人な人だよね付き合っちゃえばいいじゃん」
「告白されたことなくて。綺麗な人かどうかは関係なくて。でもすごく驚いて、友達だと思ってたから。そしたら、ゆうちゃんもそんなこといっててなんだかよくわからなくなって」
知ってる。岡崎はいつもそう、顔とかじゃないんだよ。はじめはそうかもしれないけど内面にひかれてような奴だから。
「はあ、あたしのせい?あまったれんなよ、そん・・」
「いやいや、そうじゃないそうじゃない。今の関係がこわれるって思ったら怖くなったんだよ。仕事の愚痴もなにもかも話せるのってゆうちゃんくらいだし。告白を受けても断っても今までの関係にはぜったいもどれないしね。ただ、一つは答えは出てるんだ。」
まって、聞きたくない。やめて。そんな気持ちとは裏腹に言葉が漏れる
「そっか。遠慮しないでいってみな」
「ゆうちゃん。ごめん、ゆうちゃんとはこの先の関係にはなれない。」
「あっそ、そんな気はしてた・・・よ」
「すごく卑怯な言い方かもしれないけど今までとおんなじように接してほしい。」
「・・・そ・れは・・ずるいよ」
それはほんとずるい。それだと私は岡崎を卒業できない。前を向けないよ。私どうしたらいいの。俯くと涙がでてきた。ぐっとこらえて岡崎をみてニコッと笑う。
私、こんな時どんな顔したらいいの?
「ごめん岡崎、ちょっと用事思い出したから帰るね。お代は来週はらうわ。」
でも、ちゃんとフッてくれてありがとう。最後はちょっとずるい気はしたけど。そういう優しいところが岡崎らしいよ。




