心の整理がついた気がする。
こんな気持ちになったのっていつぶりだろうか。
今までほとんどの人生で、選ばれる側になったことはたくさんあった。受験や野球部のレギュラー争いもちろん恋愛だって選ばれる側だった。
選ばれるのが当然だと思って生きてきた。
選ぶ側になるっていうのがこんなにつらくて苦しいことなのかと今まで思ってなかった。
よくよく考えてみると、自分の望んだ結果になるように努力はする。でも結果を出すのも結論を出すのも、相手に投げっぱなしだった気がする。今まで、自分で選んだことってどれくらいあったかな?
それこそ昔を思い返すと、初めて付き合った彼女だけだった気がする。
誕生日にラブレターもらって、不幸の手紙なんじゃないかってドキドキしながら開けたな~。
もう約20年前のことか。すごく昔な気もするし、すごく最近な気もする。
でも今回は違う。
本気で好きな人じゃない。その人にはもう振られている。
おそらく10人に相談したら、9人はその告白を受け入れろというだろう1人は決められないならコインで決めればみたいなやつだ、しかし本気でコインか何かに頼ろうかなと本気で思ってたりもする。
◇◆◇
考えもまとまらないまま、ときは過ぎていく。回答する日まであと1日に迫ったころ
ゆうちゃんに飲みに誘われる。気まずくなって話ができなかったままだった。
少し世間話した後、ゆうちゃんの方から切り出してきた。
「悩み聞いてやるよ。あのハンカチの女の人ことだよね。告白されたの」
「そう」
「なんで、なやんでんの?あのすげー美人な人だよね付き合っちゃえばいいじゃん」
「告白されたことなくて。綺麗な人かどうかは関係なくて。でもすごく驚いて、友達だと思ってたから。そしたら、ゆうちゃんもそんなこといっててなんだかよくわからなくなって」
「はあ、あたしのせい?あまったれんなよ、そん・・」
「いやいや、そうじゃないそうじゃない。今の関係がこわれるって思ったら怖くなったんだよ。仕事の愚痴もなにもかも話せるのってゆうちゃんくらいだし。告白を受けても断っても今までの関係にはぜったいもどれないしね。
ただ、一つは答えは出てるんだ。」
「そっか。遠慮しないでいってみな」
「ゆうちゃん。ごめん、ゆうちゃんとはこの先の関係にはなれない。」
「あっそ、そんな気はしてた・・・よ」
「すごく卑怯な言い方かもしれないけど今までとおんなじように接してほしい。」
「・・・そ・れは・・ずるいよ」
俯きながら涙ぐむ。ぐっとこらえてこっちもみてニコッと笑う。すごく愛らしくて儚げな笑顔だ。
「ごめん岡崎、ちょっと用事思い出したから帰るね。お代は来週はらうわ。」
おれもぼちぼち帰ろう。ゆうちゃんのことをしっかり決着つけられたことで心の整理がついた気がする。




