Side:みずき やっぱり出会い方は重要なのだと思う
この前、誕生日を祝ってもらったと思ったら、もう7月がやってきた。誕生日がやってくる頼みもしないのに。今年もざっき~に祝ってもらえそうだ。
今年で私も30歳そろそろ、今のままというわけにもいかなくなってきた。
この先どうしたらいいんだろう。
そういえば、最近、ざっき~に笑顔が減ったような気がする。時々、何か思いつめたような表情をしている。なにか悩みでもあるのだろうか。
そう思いながら、誕生日当日を迎える、いつものじめじめした誕生日とは違って、カラッと晴れている。しかし、もう暑い夏がすぐそこにあるかのように太陽の日差しが鋭い。
「みずきさんお付き合いしていただけんせんか?」
一通りコースが終わったころにそう言われた。返事を考えてしまう。でもいまのままでよかったのか迷っていたのも事実でざっき~は悪い人じゃない。むしろ私が釣り合わないと思ってしまう。
「・・・・・ごめんなさい」
返事を保留して考えることもできた。それは、私の中で許される選択ではなかった、選択を保留するということは自分のことは棚に上げて相手から時間を奪うことになるそして、保留している時間が長ければ長くなるほど断りづらくなる。
「そっか、ごめん理由をきいてもいいかな。」
「やっぱり、今のバイトをしてる間はお客様とお付き合いはしないって決めてます。ごめんなさい。」
これはホントのことだ。今のバイトすなわちスナックで働いている間はお客様とはお付き合いしない。それは、ほかのお客様との関係がすごく難しくなると思ったからだ。
「つらいこと言わせっちゃったね。ごめん」
やさしく、ざっき~さんが言葉をかけてくれたこういう気配りができるから、ざっき~のことがすきになったんだなあ。たったいま認識する。いいお客さんととしての感情が好意に代わっていること。
「じゃあ、バイトを辞めるまで待ってるよ。でも、勝手に好きになって待ってるだけだから気にしないで、ただ一つだけバイトを辞めるときは連絡をくれるとすごくうれしい。」
「はい」
ざっき~さんは何事もなかったかのようにふるまおうとしていたが、ひどく落ち込んでいるように見えた。
そして、その日は、いつも通りスナックへいき、例年通りのお祝いをして一日が終わっていった。。。
ざっき~が家に帰るころを見計らって、おじいちゃんへメッセージをおくる。
【今日は私に誕生日を祝ってくれてありがとう。今日という日は私の人生の中で忘れられない一日になったよ。いまは、ざっき~の真剣な想いに応えることはできないけど、今まで築いてきた関係がなくなることはないし会えなくなるわけでもないからね。これからも私をよろしくお願いします。お店を辞めるとときはかならずざっき~に連絡するね。】
このメッセージが私の今の強がりの精一杯だった。
ざっき~が友達の紹介とか、会社や大学の先輩とかだったら、真っ先におお付き合いをお願いをしていると思う。
キャストとお客さんこのテーブル一枚というのがやっぱり最後はすごく邪魔になってしまう。
やっぱり出会い方は重要なのだと思う




