第九話 歴代最強の魔王の誕生
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こんな作品エタってもいいよね?
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公爵の骨を砕き、仲間が一人増えた。
あの後セルナは屋敷に戻り、俺たちは宿屋へと。
何か仕掛けてくる可能性を考慮し、影から宿を見ていると案の定。
宿屋に火をつけられ、危うく焼肉にされる所だった。
翌日、事前にセルナにも伝えていた酒場に集まり、酔っていた。
「ぷはぁっ!で、これからどうするの〜?」
ティアが酒の入ったコップを手に、話を切り出す。
「さぁな。依頼をこなすつもりだったが、よくよく考えるとそれも無理かも知れないし」
「おいおい、お前ら当然のようにここに集まってるがよぉ、ウチまで焼肉パーティーは御免だぜ?」
おっちゃんのクルスが嘆いてはいるものの、知ってて俺たちを迎え入れているのだから本当にいい奴だよ。
「ぷはぁっ!大丈夫。ここは誰にも尾行されないように来たからな、問題ない」
「申し訳ありません、クルス様」
セルナが俺の代わりに頭を下げ謝罪する。
「本当だろうな?相手はプロだ、奴らの目から抜けるのは容易な事じゃねぇよ」
「ぷはぁっ!宿屋の時点で俺たちの居場所を把握してないだろうから問題ないない!」
「パリンッ!」
先が燃えた矢が、窓を突き破り飛んできた。
「何が……何が問題ないない何じゃボケェ!!」
流石のおっちゃんも切れてしまう。
「アクア!」
セルナが水の魔法を使い、消化する。
「セルナ、魔法使えたのか?」
「はい、基本的なものなら少し使える程度ですが……」
「いいなぁ、まだ十三歳なのに立派に魔法が使えて!」
魔法を使いこなすセルナにティアが妬む。
「いえいえ、私なんてまだまだ未熟者です!」
初めて対面した時とは偉く雰囲気が変わっていた。
今はすっかり年相応の少女に戻ったようだ。
「え?それって私は未熟者以下ってこと?」
「い、いえそんな事は決して!」
ティアがセルナを虐めている姿は何とも微笑ましいのだが、ちょっと可愛そうだ。
「ティア様は女神様なのです。きっと私など直ぐに追い抜かれてしまいます!」
「そ、そうかしら?」
セルナは良い子だ。
だがティアはアホだ。
そこに、
「「パリンパリン」」
窓を通し次から次かとへと撃ってくる火矢。
「仕方ない、俺が行くしないよな」
「火で炙り出したところを一斉射撃、これはそういう戦法だ」
おっちゃんに助言を貰う。
流石に元騎士だけあって、詳しいようだ。
「ありがとよ」
ティアには待機、セルナには火を消し続ける様に命じ、俺は一人外へ出る。
店の外に足を踏み出した瞬間、向かいの建物の屋根から光の矢が一斉に俺目掛けて飛んでくる。
かなりの数だ。
だが、この程度なら防御魔法で防げる。
「悪魔の守護」
闇のオーラが俺を覆う様に守護してくれる。
光の矢はそのオーラに消え去っていく。
その後も撃ち続けてくる矢から相手の場所を特定し、似たような攻撃魔法で反撃をする。
「魔の弓矢」
魔法陣から禍々しく黒い矢が敵を射抜く。
全員では無いが何人かは射抜き、生き残った者は退いていったようだ。
急場は凌いだが、これからどうするべきか。
「おいおい、マジかよ。まさかこんな所で再会しちまうなんて」
聞き覚えのある声がする。
いや、間違い無い。
それは、俺が探し求めていた……奴の声だった。
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