表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
四竜帝の大陸  作者: 林 ちい
青の大陸編
56/212

第54話

「……んっ」


 鱗に覆われた小さな身体にも、キスを落として。


「ハクちゃん、ハク……ハクっ」


 ああ、私。

 この人が好き。

 好きで好きで、堪らないの。

 

 真珠色の、輝く鱗。

 鋭い爪を持つ4本の指。

 可愛らしい短い手足。

 小さな翼。

 全部、好き。

 大好き。


 貴方は私の宝物。


「私の、ハク」

 

 想いを込めて。


「ハクを、愛してる」


 貴方が私の‘世界‘なの。





「我も、りこを愛してる」





 え?


 一瞬で、視界が反転し。

 柔らかな、白い髪が。

 私に流れ落ちてきて。 

 怜悧な美貌が、私を見下ろし。

 蕩けるような金の眼が……。

 ハ、ハクちゃん?

「ハ……っ」

「ここでしたいのか?」

 ちょ、あれ?

 なんで?

「ま、我はどこでもかまわんが。あぁ、頬は治ったか。……回復能力は安定していないようだな。治癒時間にばらつきがある」

 左の頬に、優しくキスをして。

「まあ、良い。我が気の調整を……さて」

 艶やかな微笑を浮かべて、言った。

「りこを地面に這わせるわけにはいかんな。肌が痛んだら大変だ……ふむ、我が下になれば良いか?」

 治癒?

 気?

 よく分かんないかも。

 思考停止状態の私の視界が、また変わり。

「これで良し。さあ、りこ。続きをしてくれ」

 わけが分からず、説明を求め。

 ハクちゃんの顔を、見下ろすと。

「りこ。続きだ、続き。さあ、遠慮は無用だぞ? 好きにするが良い、我はりこのものなのだから」    

 遠慮?

 えーと。

 この展開に私の脳が、ついていけてません。

 まず、現状を把握してですね。

 私はゆっくりと、周りを見回した。

「……うわっ! な、なにこれ?」

 私達を中心に。

 まるで白い砂漠……異様な景色が広がっていた。

 秋色の木々の姿は、ずいぶんと離れた距離に……300m位ありそう。

 つまり。

 半径300m程はこの状態って事?

 あ、あれはお城の北棟部分だ。

 わっ!

 廊下見えてるし!

 4階建ての建物の外壁がスパーンと斬られた様に、消失してる!

 薬草園……きっと無い、絶対無くなってる~。

 あそこも白い砂漠状態だぁあああ!

 竜帝さん、ごめんなさーい!

「ハクちゃん! ど、どうしよう?」

 わ、私のせいだよ。

 ハクちゃんの力を止めることより、私は貴方を選んでしまい。

「些細なことは、気にするな。200年も放っておけば、元通りになる……多分な」

 些細!

 にっ、200年ですかぁ?!

 しかも……多分って言いましたね?

 ああっ、お城の外壁工事費用ってどんだけかかるのよー!

「そんなことより。りこ、続きをしてくれ」

 そんなことって……ああ、でも今回は私が悪いよね。

 ハクちゃん1:私9で、私が悪いです。

 世界が無くなってもいいなんて、思ってしまったんだもの。

 世界とハクちゃんの二者択一を迫られたら。

 私は迷わず彼を選ぶ。

 改めて、自覚した。

 私は、私って。

 この世界にとって……。


「りこ」


 ハクちゃんの大きな手が、私の顔に添えられて。

 いつも通りの金の眼が。

 きらきらと輝いて、私を見た。

 うん。

 元に戻ったんだね、良かった。

 私の大好きな、私とお揃いの眼だ。

 結婚指輪なんかより、強く2人を結んでくれる。

 貴方がくれた、貴方の色。


「続き」


 だ~か~らぁ、さっきから貴方は何を言ってるんですか!

 今はハクちゃんの眼のこととか、白砂漠化とか、修繕費の問題がですね。

「ハクちゃん。続きって、なんの続きよ?」


「交尾」


 こうび。


 交尾?


「こ……交尾って、なっ?!」

 支店から帝都への道中で。

 ハクちゃんが側にいないから丁度良い機会ですわと、カイユさんが私に竜族の繁殖行動について説明してくれてたので<交尾>という言葉は知っていた。

 竜族の夫婦は結婚すると、1週間から1ヶ月程交尾に専念して(ひえぇ~っ)子供を作る。

 でも、人間の私にとっては非常に危険な事なので(絶対、死んでしまうよ!)それは不可。

 この1ヶ月のハクちゃんの様子をみると、そのことはちゃんと理解しているようなので心配いらないって。


 −ヴェルヴァイド様は二度と、トリィ様を傷つけるようなヘマは致しませんわ。あの方は人間の女性の扱いに、慣れているはずですから。……竜と人は確かに種が違います。戸惑うこともあるかと思いますが、今後の結婚生活を心配する必要はありません。ご安心下さいませ。もし不安や疑問があれば、いつでもカイユにご相談下さいね。


 カイユさんがいてくれて、本当に良かったと思う。

 だって、こういうデリケートな問題は誰にでも相談できることじゃないもの。

 カイユさんは、頼りになるお姉さんというか……。 

 

 竜族って、やっぱり人間とかなりいろいろ違うんだと感じつつ。

 ちょっと、ひっかかった部分もあった。

 ハクちゃんは人間の女性の扱いに慣れてるはずって、カイユさんは言った。

 人間の私が竜のハクちゃんに触れられるのを不安に感じないよう、言ってくれたんだと思う。

 でも、つまり。

 それって……やっぱり、そういうことだよね。


「りこ」

 おっと、いけない!

 少々、現実逃避を……。

「我は少々取り乱してしまったようで、記憶が曖昧なのだが……。愛しいりこの情熱的なおねだりに、意識が深淵から引きずり出されたぞ?」 

 少々取り乱した……少々なんだ、あれで。

 それに、おねだりって……なによ、それー!

 ま、まさか。

 さっきのは、そのっ!

「ハクちゃんっ、あれは、その! ちがっ……んんっ?!」

 噛み付くように、キスされて。

 逃げられないように、しっかりと捕まえられ。

 いつもと違って、乱暴な。

 貪るような、激しいそれに。

 縋り付くような、必死な感じが伝わってきて。

 胸が、締め付けられる。

 ハクちゃん。

 ハクちゃん、ハク…私のハク!

「んっ……はぁっ、ん……んっ」

 息をする余裕すら与えられず。

 苦しくて思わず離した唇はすぐに捕まり、囚われる。

 こんなキス、ずるいよ。

 切なくて、苦しくて。

 やめてなんて、言えないよ。

 今の貴方を、突き放すなんて出来な……。



「この鬼サドじじいー!! てめえっ俺の城、壊す気かぁああー!」


 え。

 

「んっ……うきゃあっ! ハクちゃん、ストップ! は、放してー! 人が来た、人がー!」

 こちらに向かって、怒鳴りながら駆けてきたのは。

 青い髪の美女。

 腰まで届くまっすぐな長い髪、同じ色の瞳は長い睫毛に縁取られ。

 優美な眉、官能的な唇。

 まるで牡丹の花のような、艶やかさと気品のある美貌。

 20歳前後かな?

 すらりとした肢体はアイボリーのガウン一枚。

 大またで動くから、合わせ目から色っぽい足が見え……。

 足……あれって、包帯だ。

 ガウンから出ている肌は、包帯だらけで。

 きっと身体中、包帯を……怪我?

「おちび! しっかりしろ、流されるんじゃねえ! ったく、じじいの気が異常に溢れたから、慌てて溶液から出ててみれば……なんなんだよ、この真っ白砂漠はっ!」

 この声、竜帝さん?!

 嘘!

 私のことおちびって言ってるから、やっぱり竜帝さんなの?

 この美女がー!

 竜帝さんって、女の子だったの?

 でも、声は男の子……あれ?

「え、あ、あのっ! 竜帝さんっ!? これは、そのっ、薬草園とか、消えちゃってるかもでっ! 私が悪いのっ、ごめんなさ……」

 私達の側……2メートル位で美女はとまり。

 荒い息で言った。

「はぁっ……つ、謝るな。詳細は確認済みだ。……くっ、痛ってぇな……侵入者で遊んでた、餓鬼共が悪い。あいつ等は俺様の部下だ、つまり今回の事は俺のミスだからな。じじいの力が漏れてこれだけの被害で済んだのは、おちびのおかげだ。礼を言う」

 私?

 私……。

 ハクちゃんにのっかってますね。

 いつにもまして、真っ白な……ひいぃっつ?!

 ハクちゃんの服、無い!

 はだ、はだ、裸じゃありませんかい!

 真っ裸のハクちゃんの、お腹に乗って。

 広くて硬い胸に手を着いてて。

 こんな風に直に触った事なんて、無くてですねっ、あの、その!

「消えろ<青>。見ての通り、我とりこは忙しい。見物人が居ては奥ゆかしいりこは恥ずかしがって、続けられんのだ。……まさか貴様、りこの艶姿を見る気なのか!?」

 私をひょいっと脇に下ろし。

 つかつかと美女に歩み寄り。

 そのままガツンと、乱暴に押し倒した。

「ハクちゃんっ!」

 女性に、なんてことを!

 しかも大怪我してるのに……ハクちゃんがしたんだよ、その怪我!

 美女の真っ青な髪が、さらりと宙を舞い。

 真っ白な砂の上に、海のように広がった。

「な、なにしやがる……言われてた通り、2ミテ以上近寄らなかっただろうがっ! じじいっ、どきやがれ!」

 ハクちゃんに、のしかかられて。

 指先まで包帯を巻いた腕が、懸命にハクちゃんを押し返そうとしたけど。

 体格差のせいか、びくともしなくて。

 ハクちゃんの長い髪が、竜帝さんの身体を包み。

 海のような青い髪と絡まり、混じり。

 ハクちゃんの真珠色がより鮮やかに、輝く。

 白い世界の中で、幻想的な美しさ。

 睨み合う……見詰め合う美男美女。

 なんか映画のワンシーンみたい。

 はっきり言って、似合ってる。

 違和感無いです。

 体格的にも、丁度いいし。

 ビジュアル的にも、完璧ですし。

 なんか、こう。


 私がお邪魔虫? 


「ランズゲルグよ。……二度とそのような破廉恥極まりない考えが出来ぬように、女を抱けぬ身体にしてやろうではないか」

 ハクちゃんの髪がやたら長くてよかったな~、後姿もなんとか髪の毛でカバー出来て。

 な~んて、のんきに思ってる私の脳味噌は。

 立て続けに起こる事態を処理しきれず。

 美しすぎる2人を、ぼーっと見ることしか出来なくて。

「ひぃいいいいー! やめ、やめろ、じじい! んなとこ触んな、この鬼畜野郎!」

 ハクちゃんの手がガウンの中に。

 きゃああ~っ、そんな際どい場所に手を入れっ!?

「うわっ、やめ……っ! おちびぃ、ヴェルを止めろおぉぉ! ぎゃああああ?! イヤだー! じじい、やめろー!」

「喚くな。舌を噛み切るぞ」

 ハクちゃんが、叫ぶ美女の顔に唇を寄せ。

「やめ、じじ……んんっー!」

 

 え?

 うそ。


 キス。

 

 キスした。

 

 なんで。

 なんで?

 私が居るのに、ここに居るのに。


 私が見てるの、知ってるくせに。

 なんで、その人にキスするの?


「……な……んでよ」


 さっきの乱暴だけど切ないキスは、なんなの?

 愛してるって。

 ハクちゃんは私のものだって、言ったくせに。

 そう囁いた唇で。


「ば……かぁ」


 他の人に、キスしてる。

 他の人にも、キスするんだね。


「……ハクちゃんの、馬鹿!」

 何が、続きよ、交尾よ!

 誰とでもキスするんでしょ……誰とでも交尾できるんでしょう!?

 過去の事は、当たり前だと思った。

 ハクちゃんは大人だし、長生きしてるし。

 恋人が過去にたくさんいたって、不思議じゃない。

 悪役魔王様みたいだけどとんでもなく美形だし。

 ちょっと変な人だけど、絶対に女性にもてたはずだ。

 でも、今は。

 今は、貴方がキスするのは私だけだと。

 私だけだと、思ってたのに!

「交尾の続きは、竜帝さんにさせてもらえばいいのよ!」

 ばっちり、見えたんだからね!

 ハクちゃんは、竜帝さんに。


 べ、ベロちゅうしてた!


 信じられない、どういう神経してんのよ。

 私、奥さんなんだよ?

 貴方の妻なんだよ?

 貴方が私をつがいに選んでくれて、結婚してくれってプロポーズしてくれたんじゃないの!

 いつだって、りこりこ、我のりこって……。

 その私の目の前で。

 美女を押し倒して、ディープキスって。

 これは、デリカシー無いとかのレベルじゃないよ?


「りこ? 何を言っているのだ。我が<青>などと、交尾するはずなかろう?」

 竜帝さんを押し倒したまま、顔を私に向けて首をかしげる貴方。

 私の大好きな可愛い動作も、今はちっとも可愛いと思えない。

「……取りあえず、竜帝さんからどいてあげて。嫌がってるし、怪我してるんだから」

 見たくなくて、2人から眼をそらして言った。

「お、おちび! これはその、このじじいはっ、感性がだなっ!」

 ハクちゃんの下で美女が……竜帝さんが何か言ってるけれど、私は頭ががんがんとして聞きとれなかった。

「りこ、どうしたのだ? うむ、分かった! <青>がりこの邪魔をしたから、怒ってるのだな?」

「違うよ! 私……ハクちゃんの馬鹿!」

「<青>のせいではないのか? りこ、りこよ。では、何を怒っているのだ? うむ、我が悪かったのか? 我が、悪いのだな。理由は全く分からんのだが、我が悪いに決まっておる! りこ、許してくれ。な、涙が出そうだぞ? 泣くな、泣かないでくれ」

 なんで分かんないなんて、言うのよ。

 ハクちゃんは瞬き1つに間に竜体になり、竜帝さんから降り。

 私のスカートの裾を、小さな手で握り締め。

 私を見上げて。

「我は怒られるような事を、りこを悲しませるような事をしたのだな? いったい……」

 その眼は金。

 私達を結ぶ色。

「理由? そんなの……ハクちゃんが竜帝さんに、キスしたからに決まってるじゃない!」

 ハクちゃんの眼を見て言った私に。

 彼は。

 きょとんとして。

接吻キス? 噛み付いただけだぞ?」


 と、答えた。


「なっ」

 言葉を失う私に。

「手がふさがっていたから、口で黙らせただけだ。我が<青>などに、接吻するはずなかろう?」

 してたじゃないの!

「我が、我から接吻したのは今までりこだけだ。もちろん、これからもな」

 え?

 あれ、えっと?

 混乱する私に、よっこらせっとあぐらをかいた青い髪の美女が。

「おちび。じじいは、こういうとこ、昔からちょっと変なんだよ。俺らとは、感性が違うっつーか、ずれてるというか」

 竜帝さん……。

「このじじいは、どっかいかれてんだよ。……おちびみたいなまともなお嬢ちゃんには、理解しがたいだろうが。さっきのはヴェルにとっちゃ、蹴りや殴るのと変わんないんだ。おちびが見てるからこそ、怪我した俺様をぼこったらまずいと思って手法を変えただけだ」

「だって、おかしいよ。さっきのは、キスでしょ?」

 しかも、身体に触ってた。

「じじいにとっちゃ、本当に噛み付いた程度のことだ。キスなんて、これっぽちも思っちゃいねえって。節操なしのじじいだが、男とは絶対やんないしな」


 男。


 男ー!

「竜帝さんっ! おと、おと、男の人なの? だって、顔が、顔が! だって、背が……身長が!」

 そりゃ、声が女性にしてはちょっと低いけど。

 ハクちゃんとお似合いの、絶世の美女!

 並ぶと理想の一対というか。

 しかも。

 背が、低いし。

 竜族の成竜男性は、2メートル超えで。

 皆、ハクちゃん位でっかいんだよね?

 竜帝さんは、カイユさんより少し低いような……。

 あ、でも。

 セイフォンの離宮で。

 竜帝さんが成竜の雄だから、ハクちゃんと揉めたんだった。

 れっきとした大人の男性なんだ、見た目は美女だけど。

「ぎゃああー! 背の事は、言うなぁ!」

 耳を塞ぎ叫ぶ竜帝さんに、ハクちゃんは冷めた視線を送り。

「<青>は竜族の雄では稀なちびなのだ。幼い頃に菓子しか食わんかったからだな、きっと」 

 ちび。

「こやつは、雌の平均身長以下なのだ」

 女性以下ってこと?

 竜帝さん、ちょっと可哀相かも。

 長身の竜族の中で、普通より背が低いなんて……親近感が。

「ばらすなーっ、じじい! てめえと違って俺様はまだ若いんだ! 飯を沢山食えば、まだ伸びる可能性があんだよ!」

「あるわけなかろう。成長期は終わったのだから」

 ハクちゃん、容赦無いですね。

「俺様は奇跡にかけるんだぁ~! じじいに異界からつがいが現れるなんて奇跡が起こったんだから、俺様の身長にも奇跡の可能性がある!」

 竜帝さんは包帯の巻かれた指で、びしっと私を指して言った。


「我のりこを指差すな」


 ハクちゃんはふわりと飛び。

 竜帝さんの指を、小さな爪で軽く弾いた。


「ぐわーっつ! また骨折れたじゃねえか、くそじじい! やっと骨が、くっついたのに……この鬼サドがぁ!」



 奇跡。

 貴方と会えた、奇跡。


「ハクちゃん! 意地悪しちゃ、駄目。あ! こら、蹴っちゃダメー!」



 貴方が、私の奇跡。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ