番外編 ~ぷれぜんと~
ホワイトデー用番外編でしたが、間に合いませんでした。
遅れてしまって、ごめんなさい。
「りこ、りこ! 何か欲しい物はあるか?」
愛用のマグカッップを洗っている私にハクちゃんが突然、こんな質問をしてきた。
朝食に使った食器は1人分なので作業はすぐに終わり、私はゴム手袋を外しながら踏み台から降りた。
「欲しい物……う~ん、特に無いよ? だって、必要な物は竜帝さん用意してくれてるもの」
何から何まで……生活するのに必要の無い贅沢品まで、用意されているのだ。
服やアクセサリーだけじゃない。
毛糸の腹巻から、ちょっとセクシーなランジェリーまで何でもある。
私の好みが分からなくて、とりあえずあらゆるタイプのものを揃えてくれたんだろうけど。
腹巻は使っても、ひもひもセクシーおパンツには手が出ない私です……。
あれは、女神様の方が似合うと思うなぁ~。
男の子だけど美女な竜帝さんに、エロかわ下着……。
「それでは困るのだ。頼むから何か言ってくれ、りこ」
ちょっと変な妄想世界に片足を突っ込んでしまいそうになった私だけど、ハクちゃんの小さなお手々が袖を引っ張ってくれたので生還(?)することができた。
「……なら、ハクちゃんがいい」
私は流しの縁にちょこんと腰掛けていたハクちゃんを、むぎゅーっと抱きしめた。
「私はハクちゃんが欲しいのっ! むふふっ、も~ら~いっ!」
ダルフェさん作のフリフリ花柄エプロンをしたハクちゃんは、それはもうかわゆいのだ。
うんうん、お揃いで正解でした!
「んん~っ、かわゆいっ。ハクちゃんは世界一かわゆい旦那様だよ~! あぁんっ、たまんな~いっ」
私達はダルフェさん作の、お揃いのフリフリ花柄エプロンをしている。
ハクちゃんは人型用が欲しかったみたいだけど、ダルフェさんが作ってくれたのは竜体用だった。
ナイスです、ダルフェさん!
この可愛らしいエプロンは、私なんかよりハクちゃんの方が似合ってます。
あぁ、夢見心地ってこのことかしら!?
「はぁ……人型の我も、このように欲しがってもらいたいものだな。……努力が足らんのか?」
あまりに可愛い旦那様にうっとりしていた私の脳は、呟くような念話をうけとりそこね……私は聞き返してみた。
「んっ? なあに、ハクちゃん?」
「……いや、なんでもない」
金の眼が、くるんと回った。
「むっ……なぜ逃げるのだ?」
その夜。
ベットの上で後ずさりした私の右足首を、大きな手がさっと掴んだ。
「なぜって……だって、だって!」
なんだってこんな事になっ……うわわぁあああ!
「りこ、我はもっと努力せねばならんのだ。竜体と比べ、人型はかわゆさで劣るらしいのでな」
竜体。
かわゆさ。
あっ、それって今朝のっ!?
「う……嘘つきー! なんでもなくないじゃないのよぉおお! こここっ……これ以上、努力しなくていいからっ! とにかく、ちょ……ちょっと待っ……」
「待たん」
ハクちゃんの謎思考回路完全理解への道は、果てしなく遠く険しいのです。
翌日の午後。
ハクちゃんが何故、「欲しい物を言ってもらわないと困る」なんて言ってたのか分かった。
シスリアさんとの勉強会が終わった後、恒例となった雑談タイムの会話の中でその話題が出たために、私は理由を知ることができた。
今週は竜族のつがいがお互いにプレゼントを贈る、ちょっと特別な週だったのだ。
この期間中ならプレゼントをあげるのはいつでもよくて、花やお菓子・アクセサリーなどなんでもあり。
愛情と日ごろの感謝を込めて、相手の好みそうな物を……普通は相手に内緒で用意する。
これ、鉄則。
でも。
ハクちゃんは今までそういった行事に全く興味が無かったから、それを知らなくて私に直接リサーチしてしまい……。
「……」
私とシスリアさんの会話から自分の間違いに気づいたハクちゃんは、私の膝の上で真ん丸くなって顔をお腹に隠してしまった。
「ハクちゃん……」
しょんぼりしてしまった小さな旦那様の姿に、私は少し焦ってしまった。
私も、知らなかった。
今日が最終日なのに、何も用意していない。
カイユさんやダルフェさんが特に何も言ってなかったのは、ハクちゃんがそういったことに興味を持つとは考えなかったからかもしれない。
皆は知らないと思うけれど。
ハクちゃんは、意外と乙女ちっくな所があるんです……お揃いで喜んだりするし。
「ハクちゃん。ねぇ、お顔を上げて……」
彼の艶やかな鱗を撫でながら、私は言った。
「気にすること無いよ、ハクちゃん。貴方の気持ち、とっても嬉しい。ごめんね、私は何も用意してなかった……。私と貴方は種族が違うんだから、欲しい物を相手に訊いたっていいと思う。私だって貴方に何をあげたら喜んでくれるのか、まだ分からないもの」
「わ、私もそう思いますっ! トリィさんは異界の方のせいか、お好みも普通の人間の女性とは若干……かなり異なる部分もあるようですしっ」
そう言って、シスリアさんも援護してくれた。
ちなみに彼女のバイロイトさんへの贈り物は、お子さんと作ったクッションだと教えてくれた。
「ほら、シスリアさんだってそう言って……ん? 好みが異な……?」
「あの、えっと! で……では、私はこれで失礼致します!」
逆さにしたピンクのチューリップのようなワンピースを着た、妖精さんのように可愛らしい先生は机の上の教材を手早くまとめ、去っていった。
シスリアさんの言葉には、多少ひっかかる部分もあったような……。
ま、いいか。
「りこ」
ハクちゃんが顔をお腹から出し、私を見上げた。
「では、訊くが。りこの欲しいものはなんなのだ?」
「……前にも言ったよ?」
真珠色の鱗を持つ世界一かわゆい旦那様の頬に、私はキスをして……ゆっくりと、唇を離した。
「私が欲しいのは、貴方だけ」
ハクちゃんの大きな金の眼が、糸のように細まった。
私は居間のソファーに座ってハクちゃんを待っていた。
何気なく目を向けた窓からは、丸いお月様が見えた。
「ハクちゃん、何してるんだろう?」
夕食も2時間前に済ませたし、シスリアさんから出された課題も終わった。
もう今夜はお風呂に入って、寝ようかな~って思ってたんだけど。
ハクちゃんはここで待っているようにと私に言って、短い足でてけてけ走って居間から出て行った。
なぜかキッチンへと……キッチンからは、がちゃがちゃと騒がしい音が聞こえてきていた。
音が止み。
数秒後。
床を土鍋が走って……じゃなくて。
頭の上に土鍋を乗せ、小さな両手で支えながらハクちゃんが走って戻ってきた。
「……ハクちゃん?」
「我は、良いことを考えたのだ! りこ、蓋を取ってくれ」
私は立ち上がり、ハクちゃんの頭に乗った土鍋の蓋をおそるおそる外した。
いったい何が入って……あれ?
「これ、ハクちゃんのかけらだよね?」
土鍋には、まるで真珠のようなそれが容量ぎりぎりまで入っていた。
あ、だから蓋……そのままじゃ、こぼれそうなほどの量だもの。
ハクちゃんはぱかっと開けた口に、鍋いっぱいのかけらをざざーっと投入した。
「ひっ!?」
絶句する私の前で、最近お得意の‘ころころ‘をやり始めた。
縦横無尽に居間の床をころころころころ……。
「ハ……ハクちゃん?」
3分ほど床でころころをして、ハクちゃんは私の膝にちょこんと顎をのせた。
「りこ! ひっぱってくれ」
ハクちゃんは私に向かって、ぱかっと大きく口を開けた。
身をかがめて覗き込むと、真っ赤な舌の上には真っ白な……えぇ~!!
な、なにこれっ!?
まさか……ハクちゃんは、これをひっぱれって言ってるの?
「こ、こんなの引っ張り出したら咽喉を傷めちゃう! 危ないよ、やめ……」
ハクちゃんは爪先立ちして、かがみこんだ私の頬を握ったで両手くりくりと撫でて言った。
「大丈夫だ。我は世界一かわゆく頑丈な竜なのだから」
「でもっ」
「……頼む、りこ」
このままじゃ、この状態じゃ。
さすがにハクちゃんだって、辛いのかも……やるしかない!
「う、うん。わかった」
「よし、一気にいけ!」
「せ、せ~のっ……えいっ!」
ハクちゃんの口に右手を突っ込んで、半泣きでそれを引き出した。
出てきたのは真珠のようなかけらが連なった……紐? 鎖?
「うむ、上出来だな!」
ハクちゃんは満足げに眼を細めた。
用意してあったハンカチで丁寧に拭いた後。
自分で回転して、全身にくるくるとそれを巻きつけた。
次々と目の前で展開される、旦那様の奇行……。
私は呆気にとられ、呆然とその様子を眺めていた。
そんな私の手に、ハクちゃんはかけらチェーンの片方の先を握らせて言った。
「りこの希望通り、我からのプレゼントは我だ!」
「え?」
プレゼント。
私の希望……あっ!
「ハクちゃん……」
真珠(本当はかけらだけど)の鎖でぐるぐる巻きになって、床にコテンと転がった旦那様は。
「りこ。さあ‘どうぞ‘なのだ」
上目遣いで、そう言った。
「……うっ!!」
私はとっさに鼻を押さえた。
旦那様のこの姿に感動の涙じゃなくて、興奮で鼻血が出そうだなんて。
ああ、私。
おちび竜の貴方に関しては、やっぱり変態になっちゃったのかもしれません。
「うん、うん。遠慮無くもらいます。ハクちゃんを、貰います……ハク」
ぐるぐる巻きになった小さな旦那様を、胸に閉じ込め抱きしめた。
心配した鼻血は出なかった。
でも、鼻の奥がつーんとした。
「ぁ……ありがとう。ハクちゃん、ハクっ」
ハクちゃんのあたたかな舌が、私の顔を舐めてくれた。
鼻血じゃなくて、涙が少しだけ零れてしまったから。
「うむ、甘い。この涙は、とても甘い……嬉しい時の味だな。りこ……」
「ハクちゃ……ん……」
人型のハクちゃんがしてくれる、身体の芯まで痺れるようなキスも。
小竜のハクちゃんがしてくれる、心を優しく撫で上げるようなキスも。
「……大好き、ハク」
貴方のしてくれるキスは。
全部、好き。
ハクが。
貴方が、大好き。
「りこ。申し訳ないが、ちと離してくれるか?」
「え……なんで?」
「我は元々りこのモノなのでな。我だけではなくこれも、プレゼントなのだ」
本当は離したくなかったけれど。
このらぶらぶな雰囲気を察して、誘ってくれないところがハクちゃんらしいというか……。
ハクちゃんは私からさっさと身体を離し、つま先立ちでバレリーナのようにくるくると回転して巻きつけていたかけらのチェーンをはずした。
「くすん……どんかん」
「何か言ったか?」
「な、なんでもないです」
ソファーにちょこんと座ったハクちゃんの隣に腰を下ろすと、彼は定位置である私の膝に移動してきた。
「りこ、両手をこうしてくれるか?」
ハクちゃんは自分の両手首を軽くつけるようにしてみせた。
ん?
つまり、お縄ちょうだいいたしますって動作かな?
「はい、これでいい?」
私は言われた通りにしたものの、頭の中は???な状態だった。
「ほら……こうすれば装飾品のようだろう? 妻へのプレゼントは装飾品が多いと、ダルフェの本に書いてあったのだ」
そう言いながら小さな手で、私の両手首にかけらのチェーンを巻いてくれた。
ダルフェ文庫、まともなものもあるんですね!
装飾品。
アクセサリー……なるほど。
「うん、とっても素敵。私はこのかけらで、ネックレスとブレスレッドとか作りたいかもっ。ありがとうハクちゃんっ! ……ハクちゃん?」
ハクちゃんは、何故かじーっと……瞬きもせず、かけらでぐるぐる巻きにされた私の手首を見ていた。
「…………」
これで作るアクセサリーのデザインとか考えてるんだと思った私は、ハクちゃんが自分から喋るのをそのままの状態で待った。
無言のまま、数分。
「……ねえ、ハクちゃん。とりあえず外してくれる? かけらに手首を縛られたままじゃ困るよ」
私の手首に添えられた、4本指の小さな手がぴくと跳ねた。
「……り……りこっ」
「ん、なあに? いい案、浮かんだの?」
「う……浮かんだともっ! とても良い案がな」
私を見上げた金の眼が、きらきら輝いていた。
ハクちゃんのこういうところは、無邪気な小さな子みたいでとってもかわいいのだ。
むふふっ。
かわゆいなぁ~。
「ふ~ん、お風呂でのんびりお湯に浸かりながら、教えてもらおうかな?」
「風呂……りこは風呂で使いたいのか? それの提案も捨てがたいが、またりこがのぼせたら困るので駄目なのだ」
使う?
作るんじゃなくて?
「これをお風呂に持っていくわけないじゃない、ハクちゃんったら変なの~。それにのぼせるほど、長湯なんかしないよ~。じゃあ、お風呂に入る前にハクちゃんの考えた‘とても良い案‘を教えてくれる?」
「ああ、我がりこに……教えてやろう」
私の膝に座っているハクちゃんの尻尾が、ご機嫌そうに左右にゆらゆらと動いた。
「ダルフェとカイユは、お互いに何を選んだの? あ、もしかしてその簪!?」
翌日のお茶の時間の話題は、贈り物のことだった。
「ええ、私はダルフェにこの簪をもらったんです」
それは綺麗な銀髪を引き立てる、鮮やかな色の紅珊瑚の簪。
丸い珊瑚の珠が幾つも連なっていて、カイユさんの動きに合わせて揺れていた。
カイユさんの肩に乗ったジリ君が珊瑚の珠に触りたくて、短くて小さな手を一生懸命伸ばしている姿はなんとも言えぬ可愛さだった。
「で、俺はハニーの愛がたっぷり入った拳をもらったの。モノだけが、贈り物じゃないからねぇ~。要は愛よ、愛!」
カップに琥珀色のお茶を注ぎながら、ダルフェさんは目じりを数倍増しで下げた満面の笑みで
言った。
拳。
こ、拳ですか……確かにダルフェさんにとっては、最高のプレゼントかもしれませんね。
「ハクちゃんは私に、これをくれたんです」
私はシルクのスカーフで包んでいたかけらのチェーンを、ダルフェさんとカイユさんに見せた。
それを見た2人は目を見開き、数秒間固まった。
あ、あれ?
しかもダルフェさんの眉間に縦皺が2本現れましたよ!?
「お……おい姫さん。それって、まさか」
「はい、ハクちゃんのかけらです。ハクちゃんが、これを作ってくれたんです。真珠みたいで綺麗だから、とりあえずネックレスをを作ってみようかと思って。あと、ブレスレッドとか……とにかく、この長~いままじゃまずい……じゃなくて、困るんです」
「これ、元々は旦那の一部なんだろう? つまり、自分自身で姫さんに首輪と手枷かよ……うへ~っ、おっかないねぇ。どんだけ独占欲丸出しなんだかなぁ」
向かいのソファーに腰を下ろしたダルフェさんの頭の上に、ジリ君はカイユさんの肩からぴょんっと飛び移り赤い髪の中に潜った。
ちょこんと出したお顔を私の隣に座るハクちゃんに向け、緑の瞳を細めてじーっとハクちゃんを見た。
「首輪と手枷? ……かっ、考えすぎです」
「そうっすかねぇ~、旦那ぁ」
ダルフェさんは否定した私ではなく、ハクちゃんを見ながら言った。
ハクちゃんは無反応。
彼の視線は私の膝にあるかけらのチェーンに向けられていた。
「トリィ様。装飾品に仕上げるのをご希望なら、専門家に任せましょう。ダルフェ、どこの店がいいかしらね?」
「そうだねぇ……スキッテルんとこかなぁ。旦那のかけらなんて物騒なモン、そこいらの職人に任せられねぇしな」
物騒?
ハクちゃん自身が物騒だからって、かけらは別に……。
「ダルフェ! トリィ様、お気になさらないで。ダルフェは大げさなんです」
私ににっこり微笑んだカイユさんの踵が、ダルフェさんのつま先をぐりっと踏んだ。
こんなことでは全く驚かなくなった私って……ま、いいか。
ダルフェさん、嬉しそうだしね。
「あぁ……そっか。ごめん、ハニー。 え~っと……そういや、姫さんも旦那に何かあげたの?」
うっ。
訊かないで欲しかったのに~、ダルフェさん!
カイユさんはさり気に避けてくれてたのにな……。
「え!? あ……ま、まぁ一応、あげたというか……そのっ」
「ああ、我も望みのものをもらったぞ? 昨夜、り……」
私は慌てて、色素の薄い唇を持つ口を両手で押さえた。
「ちょ……ハクちゃんっ!? し、信じられない……なんで言おうとすんのよっ!?」
ー我も。
昨夜。
真珠ような貴方のかけらの鎖を、私の身体に巻き付けて。
ー我も、りこからの贈り物が欲しい。
そう言って。
艶めく微笑で、私の心を絡めとり……。
「…………っ」
きゃあああ~!
ここで思い出しちゃダメ~、考えちゃダメっ!
「何故怒るのだ? あのようによろ……んべっ!?」
隣にふんぞり返って座っていたハクちゃんの白い頬を、私は慌ててひっぱった。
「だ、駄目っ~!!」
「ふぃ、ふぃごっ!?」
引っ張りすぎてその無駄に綺麗過ぎるお顔が崩れたって、知るもんですかっ!
少しは私を見習って、地味な顔になっちゃえばいいのよ!
「ハクちゃん! 言わないでって、あれだけ念を押したのにぃい~!」
貴方のかけらは。
真珠のように、綺麗で。
砂糖のように……とっても甘い。
「あれは貴方がっ……だって、ハクちゃんがっ!」
それは。
とんでもなく、甘い鎖。
「ハクちゃんが、ハクがあんな……あんなことするからっ」
心の底まで、縛られて。
貴方に酔わされ、蕩けてしまった。
身体の奥まで、嬲られて。
貴方で溢れて、溺れてしまった。
「あんな意地悪なこと、言ったり……したりしたから……だから私っ、私っ……」
もっと欲しいと、冷たい身体を引き寄せた。
もっと欲しいと、すがって泣いた。
貴方が欲しいと。
何度も言った、言わされた。
「うう~っハクちゃんのドS! もう、絶~対にあんな使い方は許さないんだからねっ!? これは今日中にアクセサリーにします。カイユ、スキッテルさんのお店に行きましょう! ……ハクちゃんはお留守番してて」
貴方のかけらに縛られて。
「り、りこ!? おい、我を置いて行く気なのかっ!? 待たんか……待ってくれっ!」
この世のどんなお菓子より。
「‘待たん‘ですっ!」
甘い時間を過ごした事は、2人の秘密。
☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆ーーーー☆
*お揃いのフリフリ花柄エプロンを着たハクとりこを、やえ様が描いてくださいました♪
と~っても可愛いです!
これも2人の‘甘~い時間‘ですね♪
やえ様、ありがとうございました。
「む、むむ? りこのお手本通りにはいかんのだ。この作業は難しいな」
「初めてにしては、上手だと思うよ? ハクちゃんの絞った所、クリームたっぷりで美味しそうだから私が食べたいな」
「そうか!? うむ、では我があ~んをして食べさせてやろう」
最近の2人はダルフェ作のお揃いのエプロンをして、キッチンに立つ事も多くなりました。
シフォンケーキからステップアップして、デコレーションケーキに挑戦。
この後、皆で午後のティータイム♪
*イラストの著作権はイラストの作者様である やえ様 にあります。