お宝展示室(6)
お宝展示室は読者様にいただいたイラストのお部屋です。
ここは暁様のお部屋です(^^)
暁様が描いてくださったハクです!
絵本の一ページのような、あたたかでやさしいイラストです……。
暁様、ありがとうございました。
http://1334.mitemin.net/i8921/
イラストから小話を妄想させていただいちゃいました。
暁様、妄想のご許可をありがとうございました。
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~小話~
「うむ、良いものが採れたのだ」
我は花を採ってきた。
気温の低い今の帝都では、野に花は無く。
りこが寝ている間に、少々遠出してこれを手に入れた。
ダルフェの本によると、人間の女は花を贈られることを好むとあった。
なるほど、と思った。
りこも花が好きだ。
我が思うに。
りこは花と食い物が好きだ。
我と散歩しておると、葉や木の実などを指差し訊ねることが頻繁にある。
ーーーねぇ、ハクちゃん。これ食べられるのかな?
先日、三大毒キノコとして有名なヤピン茸を散策中に見つけた際など。
ーーーハクちゃん! マツタケだよ、マツタケ~!!
喜び勇んでそれを大量に持ち帰り、カイユに窘められておったな。
我もカイユに怒られた。
りこがあまりに嬉しそうにヤピン茸を摘むさまが可愛らしいので、我も一緒になって毒キノコ狩りを楽しんだことが『駄目』だったようだ。
あのように楽しげに集めた毒茸を、一つ残らずカイユに没収されたりこがなんとも哀れで。
我はそんなりこになにかしてやりたくとも、どうして良いやら全く分らず。
ダルフェから渡されている本の中から、その術を探すことにした。
我が見つけたのは、花を贈るという行為は人間の女にとって万能であるという項目。
我はそれを採択し、行動した。
「これは花も葉も根も食えるからな」
南のある地域では天候不良や災害による食糧不足に備え、野生種のこれをわざわざ栽培しておるところもある。
非常食、だな。
りこは花が好き。
りこは食い物も好き。
ゆえに。
「華美で食えぬ園芸種より、りこは食える野草が良いに決まっておる」
泥つきは掘りたて、新鮮さの証。
帝都の市場を散策しておる時にダルフェがそう言っておったので、あえて泥は落とさない。
うむ、これでより美味そうに見えるはず。
「贈り物はリボンで飾るのが定番らしいが、リボンで飾らなくともこれがきらきらしておるので……おっと、零さぬように気をつけねばな」
夜露が陽に輝くさまも、貴女への贈り物。
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