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銀緑の螺旋ゲート  作者: プレマ
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第1話 運命の二人の出逢い

第1章 孤独な女


鮮明に覚えている。あの光景を、あいつの声を。いつか必ず取り戻すために。あの平穏な日常を…


ここは王都クランシャルスの町外れのとある路地。今はもう日も沈みかけの夕刻、数人の男が1人の女を取り囲んでいる。


「お前は俺に恥をかかせた、どうなるか分かってるんだろうな!」

いきり立つ1人の男は片手にナイフを持ち、女に怒鳴りながら距離を縮めていく。

「い、いやあの時はそうするしかなかったのよ!私のせいじゃないわ!文句あるっていうの!」

「い~や、俺の指示したタイミングなら完璧だったんだ~!てめぇみたいなやつが俺に歯向かってんじゃね~よ!」

「チッ!仕方ない、あんた達との腐れ縁もどうやらここまでのようね!ただ目的が被っただけの付き合いだったし。」

女の方も腰横に備えていた銀色の剣の柄を握り、男達の動きを見ていた。


「今日も収穫なしだな~、まあいつも通りか。サイラの教えもあんま役に立たねな~、ん?なんだ下の方が騒がしいな。」

家の屋根を歩いていた少年が下を見ると男数人と女1人が戦っていた。

「うわ、女相手に男数人とか卑怯な奴等だな、てかあの女超強いな!面白そうだ。」


「これで3人、後はあんただけよ。」

ゴロツキの3人が倒れ、女は銀刀を男に向ける。

「お、お前なんでそんなに強いんだよ、それに話し方がいつもと…」

女は被っていたフードを取った。金髪のしなやかな髪が鮮やかに現れる。

「あんたらみたいなゴロツキ達を捕らえるのがあたしの本職だからね!お国の仕事はこれだから疲れるわ~。」

「まさかお前が噂の…」

「本当の自己紹介をしてあげる!私は王国軍特務機関通称「レーベル」所属のアミーセよ!覚悟しなさい!」

しかし男は静かに微笑しているのであった。


「特務機関様がわざわざ俺らごときを捕まえにくるか、笑えるな」

「あなた達はブラックリストに載っている、まあ私がわざわざ出向くのはおかしいけどね。さあ、あんたもこれで終わり…うっ!」

突然アミーセは倒れた。原因は分からず焦っていると路地裏からもう1人全身黒色の格好で眼帯にマスクで顔も分からない。手には弓矢が握られている。

「しまった!麻痺矢なの!クソっ!!」

アミーセが自分を打った相手を睨む。

「助かったぜ!あんたらを雇っていて良かったぜ~!最近俺を妙に探っているやつがいたからな~。まさかその正体がこの女とは!」

「カハッ…!」

男はアミーセを蹴りあげる。

「……こいつの命貰っていくぞ…」

「好きにしてくれ。」

黒姿の男は女の剣を取り、女に振りかざした。アミーセは目をつむった。私はこんなところで終わるわけには!!

次の瞬間、目の前にアミーセの知らない少年が立っていた。


「おっとヤバいな、あの女。自分の勝ちが確定と思ったら周りが見えてねえな、弓矢男が遠くから狙っているのに気づいてねぇ、にしてもあの黒姿男は…」

屋根の上から見ていた少年はすぐ近くにあった小石を手に取り、狙いをすました。このままだとあの弓矢は女の頭に刺さり即死も免れない。そう思ってると同時に黒男が矢を放った。その瞬間少年も小石を矢に目掛けて投げた。投げた石は見事矢の上部分をに当て、重心を下に向けなんとか頭に当たるのは阻止した。

「まあ、目の前で女の子が死ぬのは見たくないからな」

脳裏に微かに過去の記憶が甦る。あんな悲劇はもう二度と!!

「にしてもあの女、ピンチだな。うぅ~知らない奴らのケンカにはあまり関わりたくないが仕方ないな!!」

少年は腰にある緑の長剣を出し、屋根から飛び降りた。


今まさに剣を振り落とされようとしてる黒姿男までまだかなり距離がある。女と男の揉め事が始まった時は少年のすぐ下で事は起きていたがそれが今やかなり距離離れてしまっていた。

「あの男に黒姿男がいるところまであの女がうまく誘導されたってわけか。クッッソ~!!チャージスピード!!」

そう言った途端、少年の動きは今までの走りの3倍以上に速くなる。


「……終わりだ…王国の女…!」

ガキンっと剣と剣があう音がする。アミーセがゆっくり目を開けた。

「ふっ~なんとか間に合った~!大丈夫か?」

「えっ?私、生きて…る?!」

「何言ってんだ?とにかくそこでじっとしてろ!!」

少年が剣で押し返し、黒姿男が首をかしげる。そしてもう一人の男も驚いている。

「な、なにもんだ~!!ガキィィ~!!」

と男が叫ぶと少年も男を指さし、

「人がせっかく落ち込んでいる時に女の子に男が数人でいじめてんじゃね~よ!」

「はぁ~!!お前の事情なんざ知らねぇよ!消えろ、ガキ!」

そう言い終えると同時に黒姿男が少年の背後から斬りかかる。

「……さっきの矢が逸れたのはお前のせいか…なにもんだ?…」

「ああそうだ!そうお前こそどこの所属だ?!」

刃と刃が軋れ合い、少年と黒姿男のにらみ合いが続いた。


アミーセももう1人の男もただ二人を見続ける。両者の力は均衡していた。

「その全身黒の格好、お前は暗殺集団の仲間か?」

「……!!」

その時、黒姿男の眼帯をしていない方の片眼が鋭く輝り、黒姿男が2人になり、少年に斬擊を浴びせた。少年は一度距離を取った。この男は強い!できる!

「へぇ~、分身か~!それにオッサン全然本気じゃないな~!」

「……お前もその程度じゃないだろ?…」

黒姿男は闘いを楽しんでるかのように剣を振ってくる。

「なら、ちょっとだけ見せてやるよ!俺の力!!」

少年は剣を構え、動きを止めた。黒姿男も動きを止め、少年の様子を伺う。黒姿男は一瞬も気を緩めなかった。しかし瞬きをした瞬間黒姿男と分身の2人とも血を出していた。何が起きたかも分からず黒姿男は驚きを隠せなかった。分身も消え、黒姿男は息を荒くし、少年を見る。

「チャージ・オーバーキル!!実際の時間0,3秒を使ってチャージし、それを10倍にして使うのが俺の能力だ!つまりあの短時間の中で俺だけ30秒の時間を過ごし、その間にあんたを斬りまくったってことだ!!」

と少年は黒姿男に言ってみせた。

「……ガキ、…お、お前の…名は?…」

「俺の名はゼーレル!ってだから目立ちたくね~んだよ!俺は!!」

「……そうか、覚えておく。…」

そう言って黒姿男は黒煙と共に姿を消した。もう一人の男も知らないうちにいなくなり、少年ゼーレルは女アミーセに言った。

「麻痺はすぐ消えると思う。だが一様病院とか行った方がいいかもな」

「た、助けたつもりにならないで!私は1人でも戦えてた!誰かの助けなんか必要ない!!」

そう言ってゼーレルを涙目でにらんだ。

「そうかよ、なら次からは自分で自分のこと守れるようもっと強くなれ、じゃあな」

そうゼーレルは言ってその場を後にした。

「誰とも関わりは必要ない…!私は独りで生きていくんだ!あの時そう誓ったから…」

アミーセがそう決心した時、夜の空に流れ星が一つ落ちていった。

~続

初めての小説、書いての投稿なので文章的におかしな所が多く読みづらいと思うので感想やご指摘があると助かります!これから定期的に出そうと思うのでよろしくお願いします!

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