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~夢見た一瞬~
高く高く伸ばされた その小さな手は
何も触れることなく 空を掴み
力なく地面に落ろされた
たった一度で よかった
ここでないところへ行きたかったんだ
遠くに見える楽園に
光のもとに
僕はいつまでも夢を見る・・・
◇元になったもの◇
助けを求めて 伸ばされた手は
冷たい空気のみを掴み
振り下ろされた
鉄格子の先には 何もない
闇を映しだす
それなのに
どうしてこうも 求めてしまうのか?
あの時の笑みを 忘れられず
ただ 伸ばし続ける この手に
何か 掴める日は 来ることはないのに…




