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ある馬鹿の高校生活  作者: さとー
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第4話

翌日は、朝から下宿に行くために荷造りをした、家事の合間に母が手伝ってくれた、とはいっても一人暮らしとなるのでそれほど大量に持っていくわけでもない、段ボールに服や本を詰めてガムテープで封をする。伝票にボールペンで行き先を書いて昼には宅配業者に引き渡した。私物が若干少なくなった部屋で、読みかけだった本を読もうかと本棚を見た所でそれはもう送ってしまったことに気がついた。手持ち無沙汰だったから昔読んでいた本でもいいかと、押し入れの下から昔買った本を引っ張り出して読み返したりしていた。窓から見える隣の畑の雑草ものんびり日を受けている穏やかな午後だった。携帯が不意に鳴った、画面を見ると鷹橋からだった。「どうした」「なんか皆が今日の午後集まってカラオケでも行こうってさ」「あぁ行くよ」


 カラオケ屋に行こうと坂の下十字路に有る錆びかけたバス停でバスを待っていたら鷹橋が合流してきた。ここからだとカラオケ屋まで徒歩一時間かかってしまうから今日くらいはバスに乗って行きたかった、整理券を取って鷹橋の後ろの席に座った。昼間で空いている、緩やかな坂を上がったり下ったりしながらバスは畑と家の合間を抜けていく、丹沢の尖った山が後ろへ流れて引き伸ばしたように平らな平野に移った行く、昔はこの景色を奇妙に感じていたのを思い出した。


 カラオケ屋に行くと、中学で仲のよかった友人と受験が終わった開放感からか良く歌った。帰りにバスから降りるともう薄暗く、空は深青に染まっていた。


 部屋に戻ってひさびさにクラスの連中に合ったなと思った。


 もうとにかく個性豊かというか個性過剰なクラスだった多分、精神的には人間の生物多様性の90パーセントくらいがあのクラスに生息じゃなくて在籍していたんじゃないかと思う。いつも鷹橋や那珂村が暴れまわり、私やその他は学年平均点を下げ、教師は呆れ、ストレスを募らせた、卒業式で担任の先生涙ながらに「もうこのクラスの面倒見なくて好いんだ・・」と語ったのも思いだした。

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