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ある馬鹿の高校生活  作者: さとー
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第3話


中学で一年生からサッカー部にいてそれなりに活動していたが、あまり強くはなかった、先輩や先生の話しから推測しても昔から弱かったらしい。練習も投げやりで私が二年生の夏に新しい部長として指名された時も「お前、なかなか真面目だから」という理由だったのだが、それもそのはずで毎日練習に参加していたのがこの学年では私だけだったのである。そんなわけでグラウンドの白っぽい砂利が照り返しを強める強烈な日差しの下で部長に任命される事になった。「先生」「なんだい」「部長って何をしたら良いんですか」「うーん、そうだな、リーダーだな」「リーダーって何をしたら良いんですか」「うーん、そうだな調べてみなさい」そうして調べて学習が始まった、当面の計画を立てるために部長が何をしたら良いのか調べようと最初に思いついたのは前例に従うという伝統主義的手法だがすぐに挫折した、先代の部長もサボる事が多く、活動している所を見たことがなかったからだ、私は練習残りあるよ後、図書室へ向かった。夏休み前の短縮授業でこの時間まで残っている生徒は少ない、その時知り合いの八瀬川はせがわが貸し出しカウンターにいたので尋ねた「リーダーに関して書いてある本はあるか」

「なんの事だ?政治学ならあっちだ」


 私はいくつか本を借りて自宅に帰った。既に出されていた夏休みの課題に苦しめられながら借りて来た本を読んだ。それからできるだけ部のために努力した。まず夏も暑い昼間に無理やり練習をしていたので、非常にしんどく部員達からの評判が悪かった。7月終盤のある日、関東地方を熱波が襲い熊谷市では40度を超える気温を記録した日には練習に来たのがたった3人というありさまだった。


 そんな事を部活を辞めてから少ししか経っていないのにやけに懐かしく思い出した。

「そういえば、北堂高校だっけ」と鷹橋、ちょうどボスを倒して、ロードに入った所だ「そうだ」「遠いんだろ」「下宿をするよ」「那珂村もそこらしい」

「えっ確かあいつ3月始めに高校受かってなかったっけ?」「あいついくつか高校合格してたからな」 気づかないうちに同じ会場で試験を受けていたのだろうか、


 ゲーム機の電源を落として、居間のちゃぶ台にもたれてなんとなく庭を見た、鷹橋は畳に転がって天井を眺めている。「こうやって会うのも少なくなるのかな」鷹橋がつぶやいたが空気に吸われて消えそうに静かだった。

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