第一話
宜しくお願いします!
高校受験になんとか成功したのだが、一つ問題があった、「そういえば、お前どうやって通うんだ?」と親が言ってきた、3月最初の日曜日の午後、家の居間で私は先ほど届いた合格通知を前に舞い上がってみたものの、その事をすっかり忘れていた、実は先日ダメでもともと思いつつある高校を受験したのだが、周囲(自分含む)の予想を裏切り、どういうわけか合格した。しかし問題は場所で学校は辻堂の近くにあり、私は津久井に住んでいるので同じ県内と言っても通学に二時間ほどかかってしまう、私は下宿をしても良いか親に尋ねた、父は「しばらく考えさせてくれ」と考えこんだ。私は二階にある自室に戻って、携帯から友人達にメールを送った。友人達は既に合格していて私が最後だった。教室で周りが次々と合格していく中、自分だけどこにも受かっていないという状況はなかなか辛いものがあった、私が不合格通知を受け取ってもそこに添えられた
『(前略)…今後のご健闘をお祈りしております』
という言葉に励まされ、ご健闘してやろうと気合いを入れたりしていると、どういうわけか友人達は腹を抱えて笑いつつ「おもしれー」等と発言し私を怒らせたりした、笑っている本人は良いかもしれないが私にとっては大変な事なのである。ようやくそれから解放される時が来たのだ、机の上に学校案内を広げてみた、どうせ受からないと思っていたので禄に読んでいなかったのを本棚の端から引っ張り出した、しばらく眺めていたら、友人達からメールの返信が、「信じられない。今から精神科行ってくる」「受験番号教えてくれよ。親父がロト6買いたいんだってさ」「明日世界が滅亡するのか…」「エイプリールプールは1ヶ月先だろ、そんな事も解らないのか!」
等の友人達からの祝辞に目頭が熱くなった。
「黙れ」「いくら俺でも一校くらい受かる」と祝辞に対す返礼のメールを送っていると、下の階から父の声が「下宿大丈夫そうだ」急いで階段を下りる。