真実の星
ー桜の木ー
教室に戻ると、窓から桜の木が見えるに気付いた。
…中等部時代には見えなかった、私の大好きな桜の木。
「蓮華ちゃんだよね?」
肩を叩かれ、ゆっくり後ろを振り向くとそこには、短めの髪の高い身長の女の子が立って居た。
「うん。私だよ」
ーこいつ、だれ⁉
心の中ではそう思いながらも、笑顔で答えた。
「あー、パパが言ってた通り可愛い。本当お人形さんみたーい」
馬鹿みたいに、高い声で私の綺麗に厚く巻いた茶色の髪を触る。
ーはぁ?こいつ、なんなの?
「えっ…と…。お父さんの言うとおり?」
なんとなく、私の嫌いなタイプの女だったけど、一応愛想よく答えた。
「あっ、リミのパパ蓮華ちゃんのお父さんと今度新しいプロジェクトやるんだってぇ~。
そのプロジェクトのために、帰国したのぉ~」
ーあー、この馬鹿女お父さんの仕事相手の子供ねー。つか、こんな馬鹿女の父親なんて、お父さんと仕事出来るのかな?
まぁ、帰国子女って、ことか。
「そっか。帰国したばっかりって、事は分からない事あるよね⁉私で良かったからいつでも、聞いて?」
いつものように、蓮華スマイルを向けて、席を後にしようとした。
「ホント⁉蓮華ちゃんに頼ってもいーの⁉」
ーあ、めんどくさい、女。
「…うん。勿論」
「ホント⁉ありがとう。じゃあ、今度リミのお家にでも来て学校のこと教えて⁉」
ーあー、私の1番嫌いなタイプだ。
ガチ、こいうの無理…。でも、お父さんの仕事相手だし…
正直面倒だったけど、あとあとの事も考えて
「うん。じゃあ、今度行かせて。じゃあ、また後でね」
それだけ、言い残して教室を出た。
ーはぁ。めんどくさい。なんなの!あの慣れ慣れしい態度⁉