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<ファンタジーワールド>  作者: seno
It is a fantasy world
7/14

「最初のボス戦」ですか

「にゃんにゃんにゃ~」


「にゃにゃにゃ」


「にゃっ!にゃっ!


ああ、スノウが可愛いなぁ。


「にゃっ!」






「夢か・・・?」


いや、夢でも現実でもどっちでも構わないんだけど、やっぱり視界は暗い、スノウが圧し掛かっているからだろう、


「スノウ、どいて?」


「にゃふぅ・・・」


視界が明るくなってく・・・まだ暗いじゃないですか・・・


もっかい寝ても大丈夫だよね?





寝れませんでした。

寝ようとしたけどスノウが体を擦り付けてきたのでその場でナデナデしていたら、夜が明けていました。

スノウの魅力に恐ろしさを感じるぜ。


ぽーん


<ミツキさんからメッセージが来ています。見ますか?>


おお、丁度いい、


<そろそろ降りてきてくれない?>





「よし、来たわね。今日は昨日のドロップ売った後アビリティ屋寄ってもいい?昨日ステータスUPしたから何か新規発売してるものが無いか確認しときたいのよ。」


それならそのローブも買い換えればいいのに。顔を見せたくないからって一日中それは暑いだろうになぁ。


「だーかーら、無理だって!」


店主のおばちゃん(ライバル)がそんな怒鳴り声を上げる、その声の対象は小さな人影だ、身長は150ぐらいかな?因みに僕は165、そこ、ちっさいとか言わない!ミツキは僕より少し低いので160ぐらいだろう。


気になったので少し近寄ってみる。


「そこを、なんとか。」


変わった喋り方をしてるな、変に言葉を切ってる。


「だから、モンスターは無理だっての」


「代、金は、払う、から」


「そうは言ってもねえ・・・」


「そこ、の、人、アナタ、もテイ、マー、だよ、ね?」


・・・僕のことか。見上げてきたのは少女だった、それも美が付くタイプの。やはり黒髪だが、なんというか小動物系。目がくりくりとして可愛い、こんな妹が欲しい、ショートカットの髪型も素敵だ。

・・・ってアナタ「も」?


「そうだけど、君もテイマー?」


「そう、だけど、なん、でか、宿に、泊めて、もら、えない」


「そりゃそうだろうに、モンスターテイマーは泊めるわけにもいかないよ。危険じゃないか、他の客に被害が及んだらどうする」


「・・・」


ありゃ~、これは押し込められてるな、でも、テイムしたモンスターって・・・


「店主のおば・・・見目麗しいお姉さま、テイムした子は基本的に言う事を聞きますよ?スノウ、ちょっとこっちにおいで~」


ミツキに戯れていたスノウを召還する。


「ほら、このスノウも僕がテイムした猫ですけど、コイツは魔法だって使えるけど全然危なくないでしょ?」


「そりゃ、そうだけどさ・・・所詮猫だろう?モンスターでも同じとは限らないじゃないか。」


「だったら暴れだしたら僕らで被害が出る前に倒すのでそれでどうですか?」


「その言葉ほんとだね?被害が出たらあんた等にも弁償してもらうよ?」


「構いませんよ」


そこまで喋ったところで服の袖がくいくい、と引っ張られる。


「あり、がと、う」


「どういたしまして」


「ねえ、あな、た達、に私、達も、着い、て、行か、せて、貰え、ない?ゴブ、リンは、私達、だけだ、とダメージ、が多い。」


ん?私達?連れて行くのはアビリティなんてシステムがあるから構わないけど、

なんで複数形?


「君以外にも誰かいるの?」


その子は下を指す。


「ん?」


んんん?コイツは・・・無色のスライム!?


「スラちゃん、も居る」


スラちゃんとな、可愛らしいネーミングだ。


「ステー、タス、見る?」


「ねえ、アンタ何してるの?ナンパ?」


いつの間にか近寄ってきていたミツキがそんな事をいってくる。

・・・失礼な、僕は人助けをしていたというのに、コヤツはそれをナンパというのか


「いや、この子を手助けしてただけだよ?」


そういって僕の後ろに隠れたちっちゃい子を指差す。


「もうそんなに懐かれてるなんて、アンタはロリコン?」


「違うよ、それとこれとは話が別じゃないか、」


「私は、ロリ、じゃない」


いや、どう見てもロリですよ、お嬢さん。


「それよりさ、ミツキ、この子がPTに入れて欲しいんだって。」


「それは構わないけど・・・どのくらい戦えるの?」


「じゃあ、ステー、タス、見せる」



~ツグミ~


クラス モンスターテイマー+1


アビリティ6/6 ムチlv1 捕獲lv1 指揮lv1 癒魔法lv1 回避lv1 従属魔強化-モンスターテイマーlv1




結構優秀だった。一番気になるのは癒魔法。


「ご都合主義ね・・・」


まったく同意見だが、ミツキは時折昔はやったフレーズを使うな、ネットに慣れてるに違いない。


「癒魔法って回復であってるよね?」


「うん、スラちゃん、が死ん、じゃ、うのが、嫌だ、から、回復す、る手段、が欲し、かった、高かっ、たけ、ど、頑張っ、て買っ、た」


「スラちゃんのステータスも見せて貰える?」


そういうと無言で操作し始める、喋り方が変わってるというより元が無口なだけかもしれないな。


~スラちゃん~


クラス ノーマルスライム+1


アビリティ4/6 体当たりlv1 軟体lv2 体力増加lv1 速度増加lv1



スライムはスライムなんだな、攻撃手段が増えるといえばいいのかもしれない。

・・・まてよ?


「ねえ、スライムに属性つけるなら何がいい?」


「え?、ああ、そういうことね。」


ミツキは分かったか。


「なら、風がいい。」


「分かった、じゃあ、ミツキPTに入れてあげて。問題ないよね?」


「そうね。回復手段は私達が今一番欲しいものだし。」


「あり、がとう」


「それじゃ、まずは昨日のドロップ売りに行こうか。ちょっと悪いけど着いてきてくれない?」


「構わ、ない、私も、ドロップ、売って、無い。」




「よく来たな坊主!彼女が増えてるじゃねぇか、後ろから刺されないようにしろよ、ガハハハ」


やっぱり来なければ良かった。ミツキは俯いて震えてるし、ツグミは無反応だ、いや、少し赤くなってる?


「冗談は程ほどにしてくださいよ、店長。」


「そうかいそうかい、今日も売却か?」


「えぇ、そうですよ」


収入は二人で分けて8360Gだった、ここまで高いのには理由がある、昨日二つしか取らなかった鉄鉱石だが単価120Gもするようだ、他にホブゴブリンの骨なんかも一個70G、ゴブリンマジシャンのローブの切れ端が60G、と結構な金額で売れ、ゴブリンの耳なんかも結構な数があったのでこの金額になった。


「それじゃ、店長、また明日か今日の夜にもっかいきますよ。」


「明日は俺はいねーけどな、ガハハ」


よし、明日行こう。きっとミツキも同じ気持ちだろう。この店長自体は嫌いじゃないがミツキをからかうのはこっちが怖い。

やっぱり最初のスライム爆破が尾を引いてるな。


「お、そうだ、坊主、食料かってかねーのか?」


「え?売ってるんですか?」


「携帯食料で良ければな。」


「是非ください!」


何で、この人はもっと早くいってくれなかったんだろうか?


「え?アンタ買ってなかったの?」


ん?ミツキはおかしなことをいってらっしゃるぜ。・・・混乱した。持ってたのかミツキ・・・


「一個100Gだ、何個買う?大体一個食えば腹いっぱいになるぜ。保存も利くぜ。」


「じゃあ、5個もらえます?」


「了解。ほいよ5個。」


「じゃあ500Gです。」


「あいよ、確かに、それじゃまた来いよ~」


良い人ではあるのになぁ~、道具屋に来て抱いた感想はそれだった。






「そこのスライムには多くの可能性があるの。」


何で可能性っていうんだろう?

少し考えてハッと気付く。もしかして進化、またはクラスの変更か?

なら、納得だ、ノーマルなんて着いてるからには進化形態が多いだろう。


「じゃさ、ツグミ、スラちゃんに風魔法を買ってあげて?」


「それは、いい、けど、お金が、足りなく、なる。」


「大丈夫、足りない分は僕が出すさ。新しい仲間の強化をケチってらんないよ」


「じゃあ、他の、アビリ、ティも、買って、あげたい」


「そっか、じゃあまずは5000G渡すね。」


5000Gボックスから出して手渡す、・・・手が小さいなぁ。


「これだけ、あれ、ば、十分、ありが、とう」


そして数秒後、スラちゃんは予想通り緑になった。


「スラちゃん、可愛い」


ツグミはスラちゃんを抱いている、スライムって持ち上げられたのか。ゲルというより、ゼリーみたいだな。


「僕もちょっと触ってみても良い?」


「良い」


つんつんとつついてみる、おお、結構弾力があってヒンヤリしてる。


「こう見るとスライムも可愛いわね。」


「ほんとにね」


「にゃーー」


スノウも可愛らしさをアピールする為か二本足で立とうと頑張っている。

無理なようだが。


「にゃぅ・・・」


「大丈夫だって、スノウも可愛いよ」


パンとミツキが手を叩いて、


「よし、そろそろ、行きましょ。スラちゃんはもうフルアビリティなのよね?」


「ん」


ふっ、仕切りなおしたかのように見えるミツキの行為は恐らく僕らが羨ましくなったからだろう、僕にはわかるぞ。


「それじゃ、スラちゃんのステータス見せてもらってもいい?」


「ん」


ステータス画面が高速で表示され、


~スラちゃん~


クラス ウインドスライム


アビリティ6/6 体当たりlv1 軟体lv2 体力増加lv1 速度増加lv1 風魔法lv0 チャージlv0



チャージ?気にはなるがこれから見れるだろう。なら問題はない。


「予想通り過ぎるわねウインドスライムって・・・」


「まぁ良いじゃないか、何事も分かりやすいのが一番だろう?」


「そうね。」






人で埋め尽くされた門前を抜け、さっさと、子鬼の巣窟に向かう途中でチャージの正体も判明した、


「ぴぎー」


ゴブリンに風の刃が襲い掛かっていく。威力はlv1の魔法(チャージを使う前にlvが上がったらしい)とは思えないほど高い。

どうやらチャージは名前どおり溜めておく、らしい、次の行動に補正がかかっているようだ。

チャージ中のスラちゃんはプルプルと震えているので、とても可愛らしいとはツグミの談である。


「風は単体攻撃力が高いわね。これは良い拾い物だったかも・・・」


ミツキもそんな事を言っているのでPTにいれたのは間違いではなかったのだろう。

スライムにしてはスラちゃんはとても早く動くのは、クラス補正と、アビリティ補正の両面によるものだと、僕は思っている。





「よし、今日は昨日より進むわよ。後、鉄鉱石は出来るだけ回収しなさい!」


「あいあいさー」


「わかっ、た」


指揮官付きゴブリンPTは昨日よりも風魔法と霊魔法、ムチ×2、雪の集中攻撃で簡単に倒せるようになったし、回復が出来ることで進行速度も大分速くなった。そして鉄鉱石のほうは・・・、


「キヤト、そこの石も多分そうよ、割っときなさい。」


どうもミツキはアビリティ屋で発見アビリティを買ったらしく、どんどん鉄鉱石を見つけている。

そのおかげで昨日通った場所にもたくさんあったことがわかり、少し残念だ。


「よっと、今ので、15個目だよ」


「よし、どんどん進むわよ。」





出た、昨日、苦戦を強いられたマジシャン付きPTだ、だが、もう対策は十分!、


「スラちゃん、奥のあいつに風の刃ウインド・カッター撃って!」


「ぴ・・・ぴぎー!」


スラちゃんの単体攻撃力はチャージすると、ミツキの魔法を凌ぐ威力らしい、相手の魔法防御はマジシャンとはいえ、ゴブリンなので低いらしく、ミツキの本領は発揮できていないが、それでも凄まじい威力で一発で屠ってくれる。


そんなこんなでもう新しい敵が出てきたり、なんてことはなく、どんどん進んでいった僕らは、


「やっぱりかぁー。」


「そうね。」


「ん。」


大きな門を見つけた。

なんで洞窟の中に門があるんだろうか・・・


「全員回復するのを待って突入するわよ」


「ん」


まぁ、どう見てもボス戦だしね。

スクリーンに映し出されるマップも大分埋まっていて、この先には大部屋があるのが分かってるしね。





「よし、全員準備はいい?」


「あぁ、ばっちり」


「ん」


「にゃ」


「ぴぎ」


全員で、その門を開けると、そこに広がっていたのは・・・



玉座の間



そんな言葉が浮かぶ場所だった、当然奥の玉座には冠をかぶった王が座っている。


「ヒサシブリダナ。ココニヒトガオトズレルノハ。」


人語を話す敵がいるとは思っていたけど、それはもうちょっと強い相手じゃないのか?


「マアソンナコトハドウデモイイ、ヒトハウマイカラナ、オマエラモクワセテモラオウ」


じゃあ、始めますか!


「~~~♪」


僕が演奏を最初に放つのは手筈どおり、これは欠かせない要素だ、

そして詠唱の速さの順で、スラちゃん、ミツキ、スノウが魔法を放つ、


「クッ、ナカナカヤルナ、デテコイヘイドモ!」


今のだけである程度ダメージを削れるとは・・・大分弱いのか?コイツ。


「油断しない!、どんどん奥から敵が来てる!」


ざっと数えて30は居るな、ゴブリンPT5個分ぐらいか、しかも・・・


「どいつもこいつも重装備じゃないか・・・」


「ええ、でもやることは変わらない、先に兵の方から倒しましょ、キングよりも耐久は低いはずよ!」


「りょう・・・うわぁっ!!」


ゴブリンキング(仮)はこちらに接近戦を挑んできた。獲物は剣、しかも速度が・・・


「速・・・いよっ!」


ステータスを上げてぎりぎりダメージ貰わないようにするのが精一杯だ。


「サッサトシネ!」


キーキーとうるさいゴブリンどもはミツキに任せるとして、キングの攻撃を捌いていく、キングにも雪は降り注いでいるし、ムチは鉄製なので、そう簡単に切られたりはしない。


そうはいっても、ダメージが蓄積されていく・・・ふっと体が光に包まれ、回復していく、ツグミだ。


「ありが・・・とっうっ!」


「ん」


ツグミも種類でいえば前衛、ムチで足止めするタイプだ。その合間を縫って全員に回復を飛ばすとは中々優秀なのだろう。




そうして3分ほど経過したころ、


「キヤト!こっちは終わったから加勢するわよ!」


「にゃぁーーー」


スノウが泣き声を上げながらキングを切り裂いていく、


「キヤトにスノウ、少し下がって!」


「コザカシイ!」


「ぴぎーーーー」


とてもでかい風の刃がキングに襲い掛かる。

それが直撃したキングはその場に固まり、


「オノレ、ニンゲンドモメ、オレヲタオシタトコロデツギノオウハスグニタンジョウスルゾ!」


ドサッ、重装備だったキングは光の粒となって消えた。

これはボス用の死に方なのだろうか?


「やった、子鬼の魂を入手したわ!」


いや、どうも今のは魂だったようだ、


「効果は?」


「ちょっと待って、使ってみる。」


「juhujlidadn」


訳の分からない呪文の後、


シュドドドドド、


大量の紫色をした球が飛んでいった。


撃った本人であるミツキが一番驚いているようだった。


「マシンガン?」


「そうね」


「凄い。」


「それで防御無視は酷くないか?」


「でも一発の威力は低いわよ。ていうかさっさと帰りましょ。」





帰り道にミツキはそれを連射していた。

確かに一発の威力は低かった。

といっても、相手にホーミングするマシンガンのようで、撃つだけでゴブPTが壊滅しかける程の威力はあるのだが。

残った数体を数人でボコるのは相手がゴブリンとはいえ、少し可哀想だった。




「ねぇ、明日はどうする?」


宿屋について早々(といってももう外は真っ暗だが)ミツキがそんなことを尋ねてきた。


「明日、もう一回キングのとこまでいってみない?復活してるかどうか確認したいしさ。」


「わかったわ、ツグミもそれでいい?」


「ん。」


「そ、それなら今日は解散ね、明日もドロップ売りから行きましょ。あ、そうだツグミ、フレンド登録しときましょ」


「あ、僕も頼むよ」


「ん」


「よし、じゃ、おやすみ~」


ミツキは二階に上がっていった。


「うん、ツグミも速く寝なよ?怒ったミツキは怖いからね」


そうして僕も二階の自室へと戻り、即効でベッドにダイブ、こんなときこそ風呂が欲しくなるのに、痒いところに手の届かないゲームだ。


「スノウ、今日はお疲れ様、もう僕は寝るよ・・・おやすみ」


「にゃ」


そうして僕達の子鬼の巣窟の探検は終わった。

手に入れたものはミツキの超火力。

今後生かされること間違いないだろう、と脳内で一通り物語みたいに語ったところで眠りに落ちた。

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