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<ファンタジーワールド>  作者: seno
It is a fantasy world
6/14

「攻略」ですか

僕は昔から天然だの、少し抜けているだの色々言われていた。

だけど実際には、それはマイペースを貫く、という硬い意志の元での行動なのだ。


僕は昔から何かするときにはしっかり考えてからはじめていた。

だから少しみんなよりも遅れていたし、早さだけが足りないと言われる。


でもそれは、自分を大事に持つということで、今の社会ではとても難しいこと。


でもそれは、最後にはみんなよりもスピードが関わらなければ良い結果を残せた。


そんな僕を僕は壊したくない、ゲームに閉じ込められた?楽しめばいい。


そんな僕を僕は変えたい、抜け出す鍵があるならまずは行動だ。


でも実際にはそんなに元のカタチは壊れないし、変わらない。


僕はどこまで行っても僕で、それが僕の長所/短所だ。




「にゃあ!」


・・・うわっ!?、深い思考から切り離され、目が覚めた。


「にゃぁ・・・」


「どうしたの?スノウ」


答えはすぐそこ、厳密に言うなら僕の右隣に会った。


<ミツキさんからメッセージが来ています。見ますか?>

まさか…!!


「やばい、ナイスだスノウ!急ぐよ!」




「お、おはよう、ミツキ」


「あら、早かったわね?」


・・・怖いです。スノウ先生どうにかしてくれません?


「にゃぁ~」


「スノウ、おはよう」


おぉ、スノウ大先生がミツキさんを引き付けてくれていらっしゃる。

と、その間にメールチェックしとこう。


<ちょっと早いかもしれないけど降りてきてくれない?>


あれ?時間前?てことは最初の言葉は単純に言っただけだったのか、嫌味とかじゃなくて。


「にゃあ、にゃあ」


「よしよし」


ミツキのフードが外れかかってる!チャンスだ、前に回りこん・・・


「何してるの?」


「何でもないですよ?ハハ」


危なかった、どうもミツキは素顔を晒すのを嫌がっている傾向があるからな、まぁ、自分から見せてくれるのを待つべきか、


「じゃあ、今日は子鬼の巣窟を進める所まで進むわよ。」


「もちろん」


「それじゃ、早速行きましょ?」


「あ、ちょっとまって、先に昨日のドロップ売ってアビリティ屋行ってもいい?」


「別にかまわないわよ」





「昨日、あんたら頑張り過ぎよ。ステータスとかあがってるんじゃない?」


収穫は4860Gだった。ミツキはこんな事をいってるけど三人での狩りの方が儲かってるし、それも強化とかする前なのに。


「そうでもないよ、三人で狩ってた時のほうが効率良かったよ」


「そう、良かった・・・」


あれ?ミツキが何からしくない?


「なぁ、坊主、彼女を悲しませたらアカンぜ?」


店長!?久しぶりに見たと思ったらこんな事を言ってくるなんて!?


「な、な、な、な、」


やばい、ミツキが壊れた・・・ふぅ


「そんなこたぁねぇですよ店長?」


「そ、そ、そうよ」


ミツキさん、上擦りすぎです。


「そうかいそうかい、わけぇってのはいいなぁ」


店長は見た目どおりなガハハっていう笑い声を上げている。


「ほら、アビリティ屋いくんでしょ。早く行きましょ、早く!」


「ほいさ」


また来いよ~なんて声が聞こえてくる。よく潰れないなあの店。




「ほっほっほ、毎度ありじゃ。」


よし、雪魔法購入!早速、スノウのステータスを展開して・・・


「どうしたの?アビリティ変えるんじゃないの?」


「ちょっと、これ見て。」


~スノウ~


クラス スノーキャット


アビリティ6/6 爪lv2 睡眠lv3 疾走lv2 氷魔法lv2 危険回避lv2 休憩lv2


所持アビリティ 雪魔法




「スノーキャットになってるんだけど?」


「いつの間に進化したのさ・・・スノウ」


「ほっほっほ、職業について教えてやろうかの?聞くかい?」


おぉ、さすが年功のある人は違うな、


「えぇ、是非教えてください」


「よかろう、職業というのはな、アビリティや、経験によって簡単に変わってしまうのじゃ。特に属性が付いているアビリティなんかは変わりやすいとされておる、お主らの言ったスノーキャットというのはあまり聞いた事はないが、獣や魔物は属性によって職業・・・獣や魔物だと種族かの、は変わる、というのが最近の学者どもの説じゃ」


「どうも、ありがとうございます」


ふむ・・・となると、更なる進化もあるのかも知れないのか。

見た目は全然変わってないけど。






「ちょっと雪魔法の性能を試してみましょ。」


「じゃあ、適当なゴブリンPTでいいよね?」


「ええ。」


「がんばってね、スノウ」


「にゃっ!」




「にゃんにゃにゃーー」


可愛らしい詠唱の後、突然天候が変化し、ゴブリン達に向かって雪、といっても直径3センチぐらいありそう、が降り注ぎ始めた。


ゴッゴッゴッゴッ、


いつ、ゴッ、まで、ゴッ、降り、ゴッ、続け、ゴッ、るの?


お、止んだと思ったときにはもう全てのゴブリンは倒れていた。


「フィールド系魔法なのかしら?」


おや、冷静ですね、ミツキさん、ってフィールド系魔法?


「フィールド系魔法って?」


「魔法ってのはいくつかに分類されるらしいんだけど、その中の一つがフィールド系魔法。自分にとって有利な「場」を造ることが出来るらしいの。」


「それってとても強いんじゃない?」


「ええ、そうね、自分達には全く問題ないだろうしね。」


「スノウの場合は相手にのみ継続的なダメージ?」


「そうだと思うわ。」


「なら雪魔法の効果も分かったし先に進もう。」


高かっただけあって効果も優秀だし、スノウ自体の動きもクラス変化に寄るものかは分からないけど凄い早い。


「これなら、行ける!」





「ここが子鬼の巣窟・・・ね。」


あれ?そういえば朝は急いでいて何か伝え忘れてたような?

えーと、確か・・・


「子鬼の巣窟には歴史がある・・・?」


「ねぇ、アンタ今なんていった?」


ミツキが近寄ってくる。といっても最初から一メートルぐらいしか離れてなかったが。


「もう一度言ってみて?」


「え、えーと・・・子鬼の巣窟には歴史がある・・・だったような」


「それをアンタは何処で聞いた?」


「昨日、占い師みたいな婆さんに伝えて、と言われてました。スイマセン、忘れてました。」


「それはいいわよ。・・・そっか、なら早く攻略しないとね。」


「・・・?理由は聞いてもいい?」


「ええ、知っておきなさい。シャーマンという職業には強化パターンがいくつかあるの。ビーストテイマーなら自己の強化と、テイムした獣の強化みたいに。それがシャーマンだと、所持している霊の強化、変更に当たるの。今私が持っているのは自然霊。動物なんかの霊ね。」


「なるほど、でも此処にあるのは歴史じゃないの?」


「歴史があるものに霊は宿る。そうアンタが会った占い師に言われたわよ。私は頑張っていろんなことを調べてたっていうのに。」


やっぱり、あの占い師に会ってたのか。てことは掴みよったのもミツキなんだよな・・・。

いや、そこは気にしないでおこう、今はダンジョンの攻略に勤めよう。


「ミツキ、奥に進んでみよう?」


「ええ、そろそろ動きましょう。入り口には敵が居ないようだから最悪はぐれたらここに集合よ。」


「うん、わかった。」




出てくるのはゴブリンPTばかりだったが、奥に進むにつれ、少し大きな個体、恐らくホブゴブリンが指揮官として現れてから作戦の変更を余儀なくされている。


「スノウ!雪魔法使い終わったら、指揮官を狙って!」


「にゃっ」


「きゃっ、危ないわね!」


ミツキが狙われているのだ、前衛は僕がひきつけられるからいいけど、弓持ちはそうもいかない。どうしてもミツキに被害は行ってしまう。

指揮官が居るPTがこんなに厄介だとは・・・


「くぅ・・・~~~♪」


ステータスを上げても指揮官の体力は高く、スノウと二人がかりで数回攻撃してようやく倒れる。

指揮官さえ倒せば弓持ちは一番近くの敵をターゲットにするのでスノウかこっちに攻撃が移るので幾分か楽だ。


「にゃっ」


スノウの体力はとても低く、剣のゴブリンに切りつけられれば5分の1は削られてしまう、当たることが少ないとはいえ、この数値はでかい。


「ふぅ、終わったわー。だんだん手ごわくなってきてるわね。というよりホブゴブリンみたいのが現れてから一気に厄介になったわね。」


「そうだね、あいつが指揮をしているとはいえ、あんな統率力はアビリティによるものだろうね。」


「そうよね。モンスターにもアビリティがあるのよね。」


スノウはこの間に寝て回復している。睡眠アビリティと休憩アビリティを同時に発動すると、3秒で5%ぐらい回復できる、というか回復効率が良すぎる。羨ましい。


「回復アイテムか、回復要因が欲しいね。ミツキ」


「そうね。このままでもいけないことはないけど、こっちも毎回こんなに削られるんじゃ奥がどんなにあるのか分からないけどキツいわね。・・・ってアンタ今座ってるとこなんかない?」


「え?」


座ってるとこ、っていってもただの岩・・・あれ?微妙に光ってる?


「ちょっと砕いてみる。」


ムチで思いっきり振りかぶって振り下ろす、


ピキッ


よし、ひびが入った!もう一回!


ピキピキッ


もう、一回!


パリーン


「あれ?消えた。」


「アンタ、アイテム確認してみたら?」


「了解。」


・・・これか、


「鉄鉱石が二つあるよ。」


「こんな所に採掘場があっても取れる人なんてほとんどいないでしょうに・・・」


「全くだね。」


思わぬ収穫があったが、体力が粗方回復したところで僕たちは先に進んでいって、奴に出会った。




「キヤト!避けなさい!」


ミツキが名前を呼ぶとかいう珍しい行動に驚くまもなく、回避行動を余儀なくされる。

・・・炎の球を受けるとか、どこのスポ根漫画なんだ、野球はやったことないぞ!


「うわっ、アツツ・・・余波でダメージ食らうよ!」


「それは危険ね・・・もう一発唱えてる!」


「にゃっ!」


「ナイス、スノウ・・・だけど指揮官と弓持ちが残ってる!先に指揮官行こう、スノ・・・ウっと!」


危ない、ゴブリンの動きもこれまでと違って大分早くなってきてる。

それに、何よりの問題は・・・今倒したゴブリンマジシャンだ、こいつら、一体一体魔法が違う上に、どれも高威力だ。

恐らく最初のダンジョンであろう、子鬼の巣窟の難易度高くないか?


「ね・・・ぇっ!、今日はこのぐらいにして、戻らない!?」


「そうね!ここからどのぐらいあるか分からないけど、これ以上相手が強くなるならそろそろ限界ね!」


「じゃあ、フッ・・・と、よし、これでこのPTも全滅したし、帰ろう。」


そうして僕らは帰ろうとしたけど、帰りにもゴブPTは沸いていて、苦戦を強いられた。

ゴブPTは一個づつしか出てこないので、指揮官と遠距離攻撃できる二種さえ倒してしまえば全く問題ない。ある程度PTが大きければスノウの魔法もよく効くし。






宿屋についてから、一階の酒場フロアに着いてようやく一息ついた。


「あ~、疲れたわね」


「そうだね、ドロップの売却とかは明日にして今日はもう眠ることにするけど、ミツキはどうする?」


「私もそうするわよ。」


「じゃあ、おやすみ、ミツキ」





撤退戦中に体の動きがふっと良くなったから恐らくクラスに+補正が付いたんだろう。


少しワクワクしながらステータスオープン


~キヤト~


クラス ビーストテイマー+2


アビリティ6/6 ムチlv2 笛lv2 命令lv2 体力増加lv2 テイムビースト強化-ビーストテイマーlv2 ステータス上昇の演奏lv2


所持アビリティ


獣道lv0、捕獲lv1


お、やっぱり、段々強くなってるな、僕!

あ、獣道のこと忘れてた、といってももうつけてるアビリティのlvが2なので今更つけてもみたいな所はある、・・・あれ?所持アビリティなんて前まで表示されてたっけ?

・・・まさか?自分の中に浮かんだ答えを打ち消す。

まさか、プレーヤーの強化に合わせてステータスが詳細になってく、なんてめんどくさいシステムはないだろう。・・・無いよね?


ついでにスノウのステータスも確認。


~スノウ~


クラス スノーキャット+1


アビリティ6/6 爪lv2 睡眠lv3 疾走lv2 雪魔法lv1 危険回避lv2 休憩lv2


所持アビリティ


氷魔法lv2


スノウの成長がやっぱり早い、今日あれだけ狩ったからなぁ~

明日もこのぐらい狩れればいいんだけど・・・そんな感想を抱くと同時に睡魔が襲ってくる、本当にどうでもいいところがリアルだな、このゲー・・・ム・・・は・・・ぐぅ・・・


「にゃっ」

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