「テイム」ですか
翌朝、目が覚めると視界に映ったのは見慣れた天井ではなく、クリーム色をした天井……と、そこまで考えて、ここは…
「ゲームの中か」
はて、今は何時だろうか?そんな疑問がよぎるが、自分の横にスクリーンが浮かんでいるのに気付いた。
<ミツキさんからメッセージが来ています。見ますか?>
YES。
「宿の前にある食堂で待っているので、起きたら来てください」
ふむ。メールでは敬語を使うタイプなのか、ますます面白いな、というかフードの中の顔を見てみたいものだ、あれでは根暗に見えてしまうんじゃないか?
まぁ、そんなことはおいといて、向かいにあるという食堂を目指すことにする。
ベッドから降りて些細なことに気付いた、服にシワが無い・・・だと・・・!?
おっと、キャラがぶれた、やっぱりゲームの中なのか、と変な所で納得してしまった。
宿から出たのはいいけれど、今、何時なんだろうか、というか、メールを送ってきたのが何時なんだろう?
こんなことを考えているのは、目の前にとても苛々していらっしゃるミツキ様が居りますのです、……正直怖いです、その震える腕を止めて下さらないですか?もしくは何か喋って下さい、お願いします。
「朝ご飯まだでしょ?ならさっさと食べてテイムしに行きましょ」
おぉ、願いが届いた!のか?まぁいい、ここは怒りを抑えてくれたミツキ様に従うことにしよう
「ハッ、了解です!」
「え、何よ、その態度、まぁいいわ、行くわよ?」
ここら辺の町のご飯は何でも美味しいのだろうか?とても美味しかった、急いで食べてもそれがわかるほどには、急いだ理由は聞かないでくれ、
「ねぇ、テイムの仕方は知ってるの?」
食べ終えると同時に疑問を投げかけられたが、自分はそんなこと知らないのだ、
「知らないけど?」
「じゃあ、どうするのよ」
「どうと言われてもなぁ・・・」
「なんかアビリティとか無いの?アイテムとかさ」
アイテム?なら・・・
「獣の餌っていうのがあるよ」
「出してみて」
「ほい」
ほいっと、右手に出現したそれを差し出す、と・・・ぽーん
「お?アビリティが増えた」
「どんな?もしかしてテイム?」
「うん、捕獲」
「やり方とかは?」
「え~と、動物にこの獣の餌を食べさせれば、確立でテイムできるらしいよ」
「ならやってみましょうよ」
「じゃあ、街中を探索してみましょ」
「ほいさ~」
街中に居ればいいんだけど・・・歩いて探すしかないんだろうなぁ~。
「あ、いた」
「え、どこよ?」
「ほらそこ」
指差したのは武器屋の屋根の上、そこに居たのは・・・
「ね、猫じゃない!」
「そうだね、でも猫っていいじゃない、可愛くてもふもふでつぶらな瞳があって機嫌がわかりやすい尻尾があってちょっと気ままでわがままで人には簡単にはなつかねーぜみたいな態度ででも甘えてくる時には体を摺り寄せてきて暖かくて可愛くてのんびりしててでも野生な一面もあってそんな猫が悪いっていうのかい?」
「・・・そうね、猫でもいいわよね、ところでアンタ猫好きなの?」
何を聞くんだコヤツは・・・ふぅ
「当たり前じゃないか、ん?、いや、好きではない、大好きなのだよ」
「変わんないわよ、どっちもね」
「いや、ここの間には大きな差が・・・」
「はいはい、ならさっさとテイムしてきなさい」
「屋根の上に登れというんですか?」
「もちろんじゃない」
くっ、仕方あるまい、武器屋の横の壁を伝って登った屋根の上にいらっしゃったのは、白い毛並みを持ったお猫様だった、そこですかさず、右手に持っていた獣の餌を差し出す、欠伸をしていたお猫様はこちらに向き直り、とことこと歩いてくる、か、可愛いじゃないか、さすがはお猫様だぜ、なんて考えてる間にお猫様はもう足元にいたので顔元に餌を持ってってやる、と同時に食べ始めた。
<白猫をテイムしますか?>
なんて文字が出てきたのでもちろんYESだ。
ぽーん、今度はなんだ?アビリティに命令が追加されているようだ
「おーい、どうなったのー?」
ミツキがそんな声をかけてくる、
「僕の愛が通じたんだろう、もちろんテイム成功さ!」
ありのままに事実を告げておくことにした。ミツキはなんかぶつぶつ言っているが、今はそれどころじゃない、お猫様の名前を決めなくてはいけないのだ、前にもどこかで言ったかもしれないが自分はあんまり名前をつけるのは得意ではないのだからミツキに任せるのもいいのかもしれない、まずは降りようと思い、お猫様を見てみると、もう完食していたのだろう、こちらをじっと見つめる蒼い瞳に吸い込まれそうになったがぐっと堪えて、
「下に行くからちょっと肩にでものって」
「にゃあ」
おぉ、通じたのか?こちらへトコトコ歩いてくる、やはり可愛い、可愛いは正義、ピコピコと動くネコミミが愛らしすぎるぜ!
肩に猫を装備して屋根を降りると、ミツキは肩の上に乗っているお猫様をみたのか、こちらに足早に駆け寄ってきて猫を抱いた、くっ、反応できなかっただと・・・
「可愛いじゃない!」
「当たり前じゃないか、なんたってお猫様なのだぜ?」
「そう、そうよね。こんなに可愛いのなら仲間にするわよね!ところで名前は決めたの?」
「いや、僕は名前を決めるのはあまり得意じゃないから決めて貰おうと思ってるんだけどなんかいいアイディアない?」
「そうね、こんなに真っ白なんだからユキとかどうかしら?」
「それじゃあ捻りが無さ過ぎないかい?でも雪はいいアイディアだね。だったらスノウなんてどうだろう?」
「そうね、それがいいわ」
「じゃあ、お猫様、君の名前はスノウだ!」
<白猫の名前はスノウになりました>
<名前補正(雪)が掛かります>
脳内に声が響いた、おお、良い名前だったらしい
ぽーん、ステータスが開かれたが、今まで見たことのない形式だ、名前はスノウだってさ、・・・まじでか
「スノウのステータスが見えるんだが言ったほうがいい?」
「もちろんよ、言ってちょうだい?しっかし、ほんとに可愛いわね、大人しいし暖かいし」
くぅ、スノウを持っていきやがって、だが仕方あるまい、ここは耐えるんだ自分!
「名前はスノウ、クラスはホワイトキャット、アビリティは爪lv1睡眠lv3疾走lv2氷魔法lv1危険回避lv1休憩lv2・・・なんか優秀だね」
「私と比べても、よっぽど優秀よ、ちゃんとアビリティ揃ってるし、私なんて三つしかないのになぁ・・・可愛いからいいけど」
うらやましすぎる・・・そうだ!
「スノウ、こっちおいで~」
「にゃっ!」
「あっ・・・」
うっ自分でやっといて少し罪悪感が・・・が、スノウが居ればへっちゃらさ
「ところでスノウは戦えるのよね?」
「魔法もあるから大丈夫じゃないかな?本音は戦わせたくなんてないけど」
「それは私もだけど・・・」
「なぁスノウ、お前は戦えるか?」
「ニャイ!」
「なら大丈夫だね!」
「そうね、本人?が言うなら間違いないわ」
「ところでさ、スノウのアビリティ見たときから言いたかったんだけど、アビリティ屋いかない?」
「そうね、猫より弱いなんてちょっといやだからね、昨日の稼ぎ的に何も買えないなんて事はないだろうし、行ってみましょ?」
昨日のうちにアビリティ屋の場所は見つけておいたので、迷うことなくつくことができた、内装は普通の家のような感じで、物を売るような場ではない気がする。入って真正面になんかお爺さんがいるので、恐らく店主だろう
「あの~アビリティ買いたいんですが?」
「ぉ、客か、自由に選んでいくが良い」
の声と同時にスクリーンが出現したので見ていく、アビリティはそれぞれに値段が決まっていて高いのから安いのまでたくさんだ、中には釣りなんてものもある、ちなみに1000Gだ、しかし自分には必要ないだろう、戦闘向きのを探していくと、あった、体力増加アビリティ、値段は・・・2000Gか、少し悩むものの、これは買っておくべきだと思う、自分はビーストテイマーだけれど、スノウを前線にだすのは少し嫌なのだ、とそこまで考え、購入、残り2050Gか、後二つほしいな・・・××増加系のアビリティは2000Gのようだし、他のにしておこうと思い、スクロールしていく、
「そろそろ決まった?」
ミツキ(本人は僕が抱いているスノウを見ているが)にそう声をかけられたが、まだ決まっていないので、
「もう少しまってくれないか」
「わかったわ、ゆっくり選んで頂戴、適当には選ばないでよ?困るのはこっちなんだからね」
あなたが心配ぐらい言えば心象的に+なのにな、まあ、今はいいだろう、アビリティ選びに戻る、おぉ、良いのがある、テイムビースト強化-ビーストテイマー、ビーストテイマーと書かれているのは専用アビリティなのだろう、しかし、2000Gなのだ、これを買ってしまうと他のものを変えないが、他のはまた今度でいいだろうと思い、購入する。
「よし、もう大丈夫だ、スライム狩りでも行く?」
「そうね、スライムなら、比較的安全だろうしね。でもさ、今日はその奥にいたのもスライムを安全に狩れるようならいってみない?スライム相手だとアンタ、ムチの長さも相まってノーダメージだから行けると思うのよ」
時間的には昨日狩り始めたころと同じだし、確かめつついくのもいいかもしれない、
「そうだね、新しい仲間もふえたことだしね」
「なら、向かいましょ」
このアビリティ屋は門の近くにあるため、すぐに草原に着く。
「最初はスライムからよ?あんまり無理しないようにね」
「わかってるよ」
「にゃあ」
ふむ、AIってここまで発展しているのか?というよりNPCってAIなんだろうか、説明が今思えばこのゲーム全然ないんだもんなぁ
「じゃあ、すぐそこに居るのから行くよ、スノウ、僕が叩いたら魔法をスライムに撃ってね」
「にゃっ」
「うりゃっ!」
パシン、その時後ろから、
「ニャニャニャァー」
和むなぁ~、とかいう感想とは裏腹に、サッカーボール大の氷塊が発生し、スライムに向かっていった、もちろんスライムごときに避けることはできず、直撃、そして
バ ク ハ ツ
あれ?スライムの死亡時のエフェクトがバクハツなだけなのか?昨日は止めは全てミツキの霊魔法だったからわからなかったぞ・・・
「次はスノウが先に攻撃してみてくれない?方法はなんでもいいよ」
「にゃっ」
おや、スノウさんは低く構えて何をしてらっしゃるのか?と思えば、いきなり駆け出した、速いなぁ~、具体的には自動車とタメを張れるぐらい、つまり60キロぐらい、そして、100メートルぐらい先に居たスライムに速度を維持したまま突っ込んでいき、走り抜けた、と思えば、スライムが二つぐらいに分かれているような気がする。遠くてよく見えないからしょうがないよね。あ、スライムがスノウに飛び掛ってる。
「ちょ、スライム待ちやがれ!」
と言ったものの、スノウさんは見事に後ろに跳んで回避していたのでなんか恥ずかしい、ていうか、この世界の猫さん強くないですか?
「スノウ強いわね・・・」
「そうだね、ソロでもあんなに・・・、あ、スライム爆発したから倒したのかな?ドロップは距離があっても入るもんなのか」
「ここら辺のスライムならスノウはソロでも大丈夫そうだから、私とアンタの二人で狩るのと、スノウのソロでいきましょ、今日はスライムだけで十分ね、それでどれだけ稼げるか試してみましょ」
「ほいさー」
「スノーウ、少し危なくないぐらいに一人でスライムを狩ってくれないか?あまり離れないようにな」
「ニャア」
よし、聞こえたようだし、
「こっちはこっちで頑張ろう」
「ぇえ、そうね」
それからは昨日の繰り返しになるかと思われたが、二時間ほどスライムを倒した後だった、
ぽーん
「お、アビリティかな?」
「こっちもステータスが出たわよ」
あれ?、アビリティは追加されてないようだけど・・・ぁ、
「ビーストテイマー+1になってる」
「シャーマンもよ」
「lvの代わりなのかな?」
「多分そうね、もしかしたらステータスもあがってるかもしれないわ」
「今更だけどステータスが表示されないって不便だね」
「そうね、でも話を聞く限りでは表示されないじゃなくて表示できないらしいだけどね」
「へぇ、そうなんだ」
「ま、こんな所で無駄口叩いてないでアンタはさっさとスライム叩きなさい、+1になるのにこんなにかかるのなら+2はもっと遠いだろうからね、スノウを見習いなさいよ」
「ほいさー」
ふぅ、どれだけ倒したんだろうか?もうアイテムボックスは満杯だな、さっきのスライムのドロップのコアが目の前にあるし、
「そろそろあがりましょ、昨日と同じぐらいだし」
「そうだね、明日はさ、装備を整えてから狩りをしない?」
「いいわよ、そろそろ先進みたいしね」
「じゃあ、スノーウ戻っておいでー」
「ニャッ!」
「やっぱりかわいいなぁ、ところでさ、このゲームってmp的な概念は無いの?」
「どうも無いらしいわよ?いくら撃っても球切れしそうな感じはしないし、でも詠唱が他のゲームに比べて長いわね、それに魔法を撃つと詠唱がオートで始まった後動けないし」
ああ、あの詠唱ってオートなのか、確かにアレを発音できるとは思えないしな、考えればわかることだったか、コイツ壊れたな、なんて思ってしまったことは胸の内に秘めておこう。主に自分の為に。
それに動けないって事はソロには向かないなぁ・・・?
「ん?もしかして自分って壁として使われてた?」
「なによ、今更じゃない、魔法使いは前衛が居てこそでしょ?」
「そりゃ、そうだけどさ」
「それじゃ、早く戻るわよ」
「ほいさー」
~道具屋にて~
「いらっしゃいませ~」
聞こえてきたのは可愛らしい少女の声だった。
あれ?昨日の無愛想なスキンヘッドのおっさんは何処行ったんだ?
あれはあれでなんからしくて良いなと思ったんだが・・・
「あのー物を売りに来たんですが」
「はい、売却ですね」
アイテムボックスからスライムコアを全て展開されたスクリーンに放り込む・・・放り込む・・・放り込む・・・あれ?勝手に増えてないか?
「にゃあ、にゃあ!」
「スノウ、もしかしてお前もドロップ持ってるの?」
「にゃっ!」
「じゃあ、全部売ってくれないか?」
「にゃ」
「え?スノウもドロップあるの?」
ミツキも驚いてるようだ、そりゃそうか、これだと僕+ミツキ+スノウの分ドロップさせたということだからね
「じゃあ、Gは山分けでいい?」
違ったようだ、くっ、分かったような顔をしてしまった自分がハズい。
「もちろんだよ」
「にゃい」
そして、最終的な収入は二人と一匹合わせて12060G・・・スライムのコアにして402個か・・・
「どれだけ狩ったのよ、私たちは・・・はぁ」
「いや、僕たちは多くても200いったかいってないかぐらいだと思いますぜ?」
「にゃっ!」
スノウが誇らしげで可愛いが、頭の上に登って立とうとするのは止めてください、肩におもどりくださいスノウ様。
「スノウ強いわね・・・」
「一匹で二人分だもんね、スライムは弱いから一匹当たりの速さで負けたのかな?」
「ふにゃっ!」
まぁ、とにかく二人で分けて6030G、売り終わった所で店員さんが声をかけてきた
「可愛い猫さんですね~キャットフードを買いませんか?」
「ください!」「ニャッ!」
自分でも惚れ惚れするほどの即答だった、スノウも反応してたが、
ここでスクリーンが展開、キャットフードが選びやすいように一番上に配置されている、一個50Gか・・・、宿屋の代金と同じだと・・・!?
「そのキャットフードは成長作用があるのでお勧めですよ!それに味だって絶対喜んでもらえる筈です」
よし、買おう、なら明日も買いにくるかもしれないから今は10個でいいだろう、
500G使ったがスノウの稼いでくれた分にはとても及ばないのでこれは感謝だな・・・
「じゃあ、この後私は町を見て回るけど、アンタはどうする?」
「僕は宿に帰るかな、明日は今日みたいに食堂に集合でいいよね?」
「今日みたいに?いいえ、今日より早く来なさいよ!」
怖い・・・
「も、もちろんだよ」
やべっ、声が上擦った、ミツキが変な目で見てくる・・・視線が痛い・・・
「じゃ、じゃあまた明日!行くよスノウ、宿に着いたらキャットフードだ!」
ありがとうございました。またご来店くだ・・・まで声が聞こえてきたが今はそれどころじゃないな、この心の傷はスノウに癒してもらおう。
よし、宿屋だ、後ろは誰も居ない。
「いらっしゃい、今日も泊まりかい?部屋は空いてるよ」
おばちゃ・・・お姉さんが声をかけてくる、このゲームの世界だからこのおば・・・お姉さんは読心術を持っているに違いない、でなければこのお・・・姉さんはこんなに的確にこちらを睨むことは出来ないハズだ!
そんな心の中の熱い戦いと夕飯を終え、部屋でスノウと戯れることにする、自分の中で一つ大きな疑問ができつつあるが、それは置いておくことにす・・・いや、やっぱ考えよう
「どうして現代風のご飯がでてくるんだ?」
「にゃあ?」
「おっとごめんね、スノウ、そうだキャットフードをあげよう」
「にゃっ!」
スノウには勝てないのさ!アイテムボックスを展開し、キャットフードを出すのにかかった時間は一秒あったか無いかぐらいのスピードだった・・・
「何故に猫缶・・・」
「にゃあにゃあ」
「おぉ、ごめんね、スノウ、今開けるから待ってて」
パキッと、よし
「お食べ、スノウ」
「にゃふ!」
返事の途中で猫缶に顔を突っ込むとは・・・やるな、スノウ、可愛すぎる・・・コヤツには魅了アビリティがあるんじゃないか?
スノウが猫缶を食べている間にステータスを確認しておこう。
~キヤト~
クラス ビーストテイマー+1
アビリティ5/6 ムチlv1 捕獲lv1 命令lv1 体力増加lv1 テイムビースト強化-ビーストテイマーlv2
結構あがってるな、というか、スノウが頑張ったおかげかテイムビースト強化の伸びがすごいな、今日買ったばかりなのに、ついでにスノウのステータスは・・・と
~スノウ~
クラス ホワイトキャット
アビリティ6/6 爪lv1 睡眠lv3 疾走lv2 氷魔法lv1 危険回避lv1 休憩lv2
やっぱり全然変わってないか・・・まぁ、強いもんな、スノウは・・・そこまで考えてスノウを見てみると、ベッドの真ん中で丸くなって眠っている姿が見えた、あの安らかな寝顔を起こさせてはいけないと思った自分は壁に寄りかかって眠ることにする。
「おやすみ、スノウ」
・・・・・・硬いな、壁