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<ファンタジーワールド>  作者: seno
It is a fantasy world
2/14

「始まりの町」ですか

目に映ったのは大量の人だった、とはいえ、基本的にVRMMOは肉体を弄れないので黒髪の人ばっかりだ、が、浮かべている感情は様々で、慌てている人、怒っている人、泣いている人、叫んでいる人、・・・etc


自分のように落ち着いてるのはどうも少数派らしい、がそんなに少ないわけでもなさそうだ、中にはワクワクしているような顔のひとだっていることだし、やっぱりマイペースにしているのが一番だろう、と人を観察している時に気付いたが、ここはどうも何処かの広場らしい、おそらく始まりの町なのだろう。


人が集まっている(と言っても百人は居ないだろう)場所があったので近寄ってみる、と中心にローブを深めに着た人が居た。恐らくNPCなのだろう、


「クラスは何にした?」

やら

「剣士なのか、それだと被るな」

だのが周囲の人から聞こえてくるのでちょっと先に始めた人はここでクラスを決めたのだろう、ということは、このローブさんに話しかければいいのか、と歩を進めると、


「旅人よ、お主はどのような道を進むのか?ここで選んでいくがよい、もし旅人でありたいというならば、それはそれでいいじゃろうがの」


としわがれた声が聞こえてきた、と同時に目の前にスクリーンが映し出された、


どうも書いてあるのは今選べるクラスらしい、のだが・・・何個あるんだこれ?とにかく多い、むしろ剣士とソードマンや戦士とファイター、ソルジャーって何が違うのか教えてくれって感じだ、


さっきの会話で剣士って聞こえてきたけどこれだけ多ければ無難なのを選ぶのかもしれないな、と考えつつスクリーンを指で下になぞってスクロールさせていく、


・・・・・・これしかない、見つけた瞬間それを迷わず選択した。


「ふむ、どうやら決まったようじゃの、ならば主にはその身にふさわしい装束を授けようかの」


ぽーん。なんかまぬけな音だ、ステータス画面が勝手に映し出され、旅人の文字が消え、そこに移ったのは、


ビーストテイマー


似たようなクラスとして魔獣使いとモンスターテイマー、魔物使いがあったが、ビーストテイマーしか自分の眼中には無かった。何故なら、魔獣なんていかついし、モンスターとかあんまり醜いのはやだ、とかいう安直な発想なのだが、と、そこでようやく回りの人が様々な鎧やらローブやらを着て剣などを腰に挿しているのに気付いた、さっきの剣士の人は革鎧だろうか、実物を見たことが無いのでなんとも言えないが、恐らくそうだろう、ということはさっきのローブさんの言葉からして自分も何かしらの装備があるのではないか、と思い、ステータス画面をタッチ・・・・・・


そこにあったのは、剣でも鎧でもなく、普通の服に帽子、笛、鞭、獣の餌と書かれた丸い物体の5つだった。


暫し考える、こんな所で着替えたら、見られる、何を?、もちろん、笛や鞭、唯の服をだ、別に恥にはならないだろうが、どのクラス選んだんだろうかコイツ、的な視線は避けられないと思う。


ならば、ここから離れて、町の外にでてみようと思いはしたが、何処にいけばいいのかわからないのだ、仕方ない、


「町から出る道を教えてくれ」


とローブさんに話かけると、


「向こうの門からでるがよい」


とのことなので、ローブさんの上げた指の方向に向かって歩く・・・


こと五分ぐらいだろうか、若干後ろから声が聞こえるものの、大きな門があった、門番らしきNPCも居るので、此処から町の外に出れるだろう、と考えた時だった、


「それ、初期装備じゃないの?」


などと、背後から高い声で話しかけられた、いや、話しかけられていたのかもしれない、さっき声が聞こえてたし、


「もしかしてそういう装備なの?」


「いや、初期装備ですよ」


振り返らずに返事を返しておく、と、ここで自分の装備を明かしてもいいものだろうか、確かに人はあまり居ないようだが、それでも後ろの人以外にも人は見受けられる、NPCかもしれないが


「クラス変更はしたんでしょ?なら装備変えないの?」


「ぇ~と・・・」


考えすぎかもしれないのでもう言ってしまおうか、その方が良いよね、と自分に言い聞かせて、


「町の外を少しみてから装備変更しようかな、と思って?」


振り向き言った、まぁ予想通り女性・・・いや少女?だな、装備は杖にローブ(これで顔がよく見えない)で魔法使いのどれかだろう


「何故に疑問系、まあ、それはいいわ」


「ねぇ、アンタ私と組まない?」


いきなりだな~、もちろん何をいっているのかはわかる、パーティを組もうということなのだろう、が果たして単体のビーストテイマーって戦力になるのかわからない以上迷惑をかけてしまうんじゃないか、と少し悩んだものの、逆に全く戦力にならないわけでもないだろうから、


「いいですよ?」


「よっしゃぁ!」


ガッツポーズとは男らしいなぁ、などと考えてふと思う、


「なんで自分と?」


「ゲーム始まってすぐに町の外目指したバカはアンタぐらいだから」


「アナタもそうじゃ・・・」


それ以上は言えない、怖いからだ。


<ミツキさんとPTを編成しますか?>


そろそろ慣れてきたスクリーンは迷わずYES


<ミツキさん(シャーマン)とPTを編成しました、PTリーダーはミツキさんです>


あ、バレたな、ここは腹をくくるしかないなぁ、と空を仰ぎ見ておく


「ビーストテイマー!?」


やっぱりか、まぁまだ最初だし問題ないだろう、ということで満面の笑顔で(ニヤリ


「さ、行こうか」


「え?ええ、」


よし、ノリで行ける!


「ほら、すぐそこだしね?」


「いや、ビーストテイマーって戦闘職よね?なら戦えないこともないわよね?」


「もちろんさ」


知らないが。


「なら問題ないわ、いきましょキヤトさん」


「ほいさ~」


そうして門の外へと出た自分とシャーマンを待っていたのは


草原と(また?


ゲル状の何かと(言わなくてもわかるかな


ちっちゃい人影(どのパターンだろうね


の三つだった、


「じゃあまずは、装備変えてみなさい!さぁさぁ!」


なんかやけに急かしてくるな、そんなに気になるか・・・気になるな、ビーストテイマーだもんね


まずは服、


「おお?」


帽子


「おぉ」


ムチ    ぽーん


「なるほど」


ん?なんだ?ステータスはもうオートでいいんじゃないか?見てみるとそこには、アビリティの欄に「ムチ」が追加されていた、装備だけでいいのか、ファンタジーワールドよ、


「よし、じゃあスライムからいきましょ、先に叩いてね」


くっ、考える暇を与えないとはコヤツ、なかなかやるな!仕方ない、全力を見せてやるとするか、大きく振りかぶって・・・振る!


ぺちん


「・・・・・・」


「・・・・・・」


良い・・・音が・・・した


とか考えてるうちにスライムが近寄ってきて、どうやって攻撃するつもりなのか、少し興味があったので逃げずに待っていると、ふるふる震えたかと思えば飛び上がってとつげきぃ!?


「ぐふっ」


声が漏れた、結構痛い、とここで開きっぱなしだったステータスの外側が削れているのに気付く、これが体力の目処か、説明が全然無くて困るぜまったく、とか考えている間ミツキさんはなにしてるのか気になって見てみると、


「saihfdsjl;kmhui」


壊れたのか、壊れたんだな、仕方ない自分でこのスライム倒すしかないと、ムチを振りかぶったその時、真っ黒なボールがスライムに何処からか飛んできて直撃、したんだが、音はせず、スライムに飲み込まれていった、かと思えばスライムは


バ ク ハ ツ


「ふぅ、良い仕事したわ」


犯人は、コイツですよ。スライムさんの犠牲によりひとつの疑問が生まれてしまった、これは聞くしかあるまい


「シャーマンってどんなクラス?」


「シャーマンは、モンスターの魔法防御力を無視して霊属性の魔法ダメージを与えられるクラスよ。まぁ、もともと魔防が低いのに関してはあんまり効果的じゃないし、もちろん軽減されるモンスターも居るだろうしね」


「霊属性って・・・属性は何個あるかしってる?」


「知らないわよ?ていうか食いつくのはそこなの?」


こんなマイナーな属性があるなら大量にありそうだな、


「寧ろ問題なのはアンタよアンタ」


「何か問題でも?」キリッ


「あるわよ!ぺちんって・・・笑うの堪えたせいで上手く唱えられなかったじゃない!」


「まぁいいわ、あなたがダメージ負ってくれるなら私はバンバン打つからそのムチでがんがんモンスター引っ掛けて」


「ほーい」



黙々とスライムを叩くことにする


ぺちん、ぺちん、ぺちん・・・・・・



空がだんだん赤くなってきた、そろそろやめてもいいんじゃないか?アイテムボックスはまだ空きが有るが、ログインしたのは13時ジャスト、ここについたのはその30分後といったところ、てことは、今は5時ぐらいじゃないか?


パシン!


ちなみにムチには慣れた、というかアビリティ「ムチlv1」になった

1になるまでは補正がかからないようだ、そう考えると魔法はいいよな、と思う


時間的にそろそろ戻った方がいいと自分の中の何かが叫ぶので、


「なぁ、そろそろいいんじゃないか?」


「そうね、こっちのアイテムボックスはそろそろ限界だしね、そっちは?」


「まだ空きがあるけど、多分クラスによる補正の差だとおもう」


「そう、なら戻りましょ」


中途半端な敬語は止めた、苦手という訳じゃないがコヤツ相手には要らない気がしたからだ。


町へ戻る・・・・・・戻ったはいいが、地図はないのか?


「道具屋と宿屋ってどこ?」


後ろのお方がそう尋ねてくるものの自分も知らないので二人で道具屋と宿屋を特定させた頃にはすっかり暗くなっていた。


ミツキとフレンド登録(これでいつでも連絡を取れる)をして別れたのは宿屋の前だ。


別れ際にミツキはこんなことを聞いてきた


「ねぇ、アンタってビーストテイマーなんでしょ?」


「そうだけど?」


「ならさ、なんか動物をテイムできないの?」


「いや、動物見かけてないからね?」


フィールドには居なかった筈、


「街中にいるのは駄目なの?」


「あ」


あ・・・


「え?」


「じゃあ・・・さ、明日試してみない?」


「テイムを?」


「そ」


「なら明日もPT組んで頑張ろうか」


「ええ!」


なんか元気だな~、もう夜だぜ?


こうして自分ことキヤトのゲーム内生活一日目は終了したのであった


ちなみに道具屋でスライムのドロップ品のスライムコアとを売った所、一個につき30G(ゴル。お金の単位らしい)で120個売ったので3600Gの収穫だった。

宿屋は一泊50G、で所持金の500Gで十分泊まれたようだ。とてもどうでも良い話だが


夕飯はうまかった。

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