接敵
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シードラへ向けての道中は、小型の魔物が飛び出してきたくらいで特に問題はなかった。
死地へと向かっているに等しいが、道のりは平和そのものだ。
嵐の前の静けさとでもいうのだろうか。
そうして一行は、シードラ跡地へ足を踏み入れる。
遠めに見ると、地面がきらきらと輝いている。
ドラゴンの息吹により、地面がガラス化してしまっているようだ。
「フィーネ。どうだ?」
「ううん、だめ。多分あの子、自分以外の生き物をなんとも思っていないみたい。」
遠くのドラゴンを見つめながら団長がフィーネさんに尋ねるも、フィーネさんは震えながら答えた。
「となると、懐柔はなしだ。作戦通りに行く。」
騎士団長のカーマインさんが力強く発言する。
「既に騎馬隊は所定の位置で待機済みだ。あとは冒険者諸君のひと当てに期待するところだ。全力で気を引いてもらいたい。」
「それに関してじゃが、わしもドラゴン退治に参加しよう。」
クラン「ディオドラの盾」のマーゼルさんが声を上げた。
「国の未曽有の危機に、騎士が挑まんのも外聞が悪かろう。とはいえ、実際の騎士は作戦を無視して動けないじゃろう。元騎士とはいえ、国に仕えた身じゃ。今更命は惜しくない。」
「爺さんがそっち行くなら、俺も『郷里の憧憬』の面々に加わろう。騎士たちとよりかは、冒険者として足並みが揃えそうだ。」
バスターソードを携えたガルムも賛同する。
「危険な役割だが、皆、よろしく頼む。」
カーマインさんが全員に向けて頭を下げた。
さっそく、団長が手をたたく。
「よし、作戦通りだ。ザイツェフの爺さんは、ここでバリスタを展開してもらう。ドラゴンが空に飛んだら、自慢のバリスタで撃ち落としてくれ。」
「任された。」
ザイツェフさんがにやりと笑う。
「俺たちは準備ができ次第、ドラゴンとやらの姿を拝みに行こうじゃないか。」
団長が遠くを見据え、舌なめずりをした。
僕はこれから起こる激戦の予感に身を震わせながら、小さく息を吐いた。




