六話 ライターを貸します
六話 ライターを貸します
小人達は敵対をやめた。火を借りに、エクスカリパーとサイズは要に接触試みた。するとまたエスパーダが行く手を阻む。
「要の邪魔はさせない」
「私達は火をもらいに来ただけだ。野菜だけはあるからな」
嫌味のように言ったが、エスパーダには効いてないようだ
「要が焼いてくれる。私は要の焼肉を信じる」
「みんなで焼いてそれぞれ食べるんだ。焼肉の醍醐味を放棄するのはもったいない」
「好きな人が焼いてくれた肉は流れ作業のように食べる贅沢もある」
「確かに」
「エクスカリパー……」
「私も銛に焼いてもらったイカが好きだった」
「今日は焼肉だよ」
「そうだな。まずは火をもらおう」
するとエスパーダはハンドガンをエクスカリパーに渡した。
「私は銃は……」
「それ、ライター」
「は?」
「引き金引くと点く」
エスパーダが説明した通りの動作をすると、銃口に火がともる。
「面白い!」
サイズは大喜びだが、エクスカリパーは渡してくれない。子供の火遊びは危ないからだ。
「肉をもらいたいのだが」
「要は野菜を切っている。肉はそれから」
「私達は野菜で腹を満たせと言うのか!」
「脅しても無駄」
エスパーダが頑なに拒むので、要は行きづらくなった。が、彼女だけを矢面に立たせるわけにもいかない。
「野菜は俺達も食べるよ。だから公平さ」
ちょうど野菜の焼ける臭いがして、エクスカリパーは矛をおさめた。
「また来る」
「今度はお肉よろしくね」
二人は帰っていった。
「エスパーダ、俺を呼んでも構わないから」
「私は要の薬焼くおいしい肉を待っているの。だからお腹が減って八つ当たりしても仕方のない事よ」
なんかいつものエスパーダとは違う気がした。