加護と過保護
『レベルが上がりました。』
『ステータスが上がりました。』
『スキルを獲得しました。』
『加護を取得しました。』
「ん?加護?」
龍との戦闘でかなりの経験値を手に入れレベルアップをしてステータスの整理とテントの設営をしていた。
『肯定』
『加護とは神が認めし時に授ける神からの祝福です、時希に邪神からの授かる加護もあります。』
「それでどんな加護なんだ?」
『報告』
『「直感の加護」です』
「直感の加護??」
『はい、不穏な雰囲気や不覚からの攻撃等に反応できたりする加護です。』
「…」
(攻撃予測!?めっちゃ強くね!)
『肯定』
『かなり強い部類だと思います。』
「あ、あの…一体だれと喋ってるんですか?」
「あー、これはそう言うあれだよ()」
「…(引)」
「そ、そういう加護なんだよあっははは〜…」
「そうなんだ…私は魔族だから加護は受けれないから、分からない」
「魔族は加護を受けられないの?」
「そう、魔族は神達とは相性が良くないみたいなの」
「なるほどなぁそう言うのもあるのか…っと。」
「テントの設置終わった、リア中に入って休むといいさっきの戦いで魔力を消費したみたいだし。」
「うん、そうする。」
「それじゃちゃちゃっと人祓いの魔法でもかけとくか」
ーーーーー
「…あの魔族を完全に逃したか。」
「す、すみません!!」
黒いローブの男たちは地下の酒場で話し合っていた。
「あの傷だ、そう長くはないと思うが、他のやつの報告には誰かが協力して逃げ出したと報告されている。」
「…話は変わるが西の方角に龍を確認したとギルドが騒いでる。」
「龍か…この始まりの街でね…」
「分かりました!この失態の穴埋め私が西へ調査に向かいます!」
「ぐへへ、あの女次は必ず息の根止めてやる…!」
ーーーーー
水路(川)を確保するために少しテントから離れた場所に冬樹は移動した。
「水魔法を使うのもいいが、水路が確保できるならそっちの方がいい。」
『肯定』
『ステータスがほかの冒険者より少し低いので妥当だと思います』
「毎回、トゲがあるんだよなぁ…少しづつ良くなってるのにマイナス5億点です。」
『酷評』
『クソ評価、見る目無し』
「!」
『報告』
「あぁ、居るなモンスターが」
『…』
「これが直感の加護か何処ぞのニュー〇イプ見たいだな!」
『危険』
『それ以上はいけない!…です。』
「あれは!」
見つめる先には銀色に光り輝くスライムがいた。
「経験値(メ〇ルスライム)!!」
『残念』
『この世界ではアイアンスライムと言うらしいです。』
「でもあいつを倒せば経験値ザクザク落としそうだぜ!」
『…』
「行くぜ!!!」
そう言い短剣を構え突進した
が甲高い金属音と共にその短剣が折れてしまった。
「なにっ!?あの龍を殴った時ですら折れなかったのに」
『注意』
『この世界の武器には耐久値という物があり、先程の龍との戦いでかなり消耗してたのでしょう。』
「そっっっ!それを早く言えよぉ!!!」
装備
武器 E.無し
頭 E.無し
胴体 E.アーマプレート
右腕 E.無し
左腕 E.シールドアーマ
腰 E.ポーションポーチ(小)
足 E.革の靴
装飾 E.無し
アクセ E.無し
Ex1 E.無し
Ex2 E.無し
『開示』
『これが今の装備です』
『他の武器をつけることをおすすめします、なお他の武器は持ってません』
「知ってるよ!!それ俺がいちばん知ってる!!!」
「くそ!なら拳でどうにかしてやらァ!!」
「うおおおおぉ!!」
思いっきり振りかぶって腰の入った一撃をアイアンスライムに入れた。
が…アイアン=鉄であることは変わらず結果はもちろん
「いってええええ!!!」
『報告』
『自称ダメージを受けました残り体力8割です』
「くっそこいつを逃したくないが…勝ち筋がねぇ!…いや」
「!直感の加護」
「なるほど…確かにこいつがモンスターで体力がある限りこれは効きそうだ!」
「まずは!」
冬樹はアイアンスライムをがっしり掴んだ。
「スカイジャンパー!!」
跳躍魔法の力を借りて脚力を強化して思いっきりアイアンスライムを上空に投げた。
正確には水路(川)の方へ投げた。
ドポッオオオン!!っと大きな水しぶきを上げ川の底に沈めた。
「ふふふ、お前さん詰みじゃよ」
「今は勝てなくても、お前はそこから動くことはできない体が重すぎてそもそも水から上がれないそして水に浸かった鉄はいつか錆びる!!!」
「ゲームなら水に落としただけじゃ錆の表現は無いだろうリポップやただ入ってるだけだが、全てがゲームじゃ無い世界なら水に触れ続けた鉄は突然錆びるそれはお前とて同じだ。」
「そしてお前の最大の特徴はすぐ逃げる点だ、これは前の世界にいた知識だがお前みたいなやつはすぐ逃げるがそんなに埋まっちまったら逃げれないだろ!」
「つまり!完璧!!」
「水を汲む時にお前の顔覗きに行ってやるよ、ははっ!」
ーーーーー
テントの中
「…あの人、魔族に対して一切嫌悪を感じなかった…こんなの初めて本当に不思議な人。」
「…!」
何かを感じたリアはテントを出て外を見回した。
(何もいない?)
「リア・ゼノ・イヴリース様お迎えに参りましたベルフォメットです」
その見た目はハット帽をかぶり片眼鏡をかけ、執事の様な見た目をしている大男が木に寄りかかっていた。
「ベルフォメット…私を殺しに来たの?」
リアの言葉を聞きふふふと笑いながら近づいてきた。
「いえ、そのままの意味ですよお迎えにです。貴方は崇高なる力を持つ物私と一緒にその封印を解きましょう。」
「…封印を解いた後はどうするの?」
そのリアの言葉にニヤリと笑みを浮かべながら
「貴方に魔王になってもらいましょうか。」
そう答えた。だがリアの反応は
「そう、なら断るわ」
「私、魔王の座には興味無いもの」
と簡素な返答だけだった。
「そうですか…」
「まぁ良いです。そのうちまた来ます貴方の意思が大事ですからね、そのうち来たくなる様にします。」
「……」
「そんな睨まないでください」
そのベルフォメットの意味深な言葉にリアは鋭く睨み返しそれに対してベルフォメットは、まるで子を愛すようなほど優しい笑みで返し、そのまま影のように消えていった。
「…今のは警告ね…早く洞窟に行かないとならないね。」
「冬樹…早く帰ってきて来ないかな…」
そう言いテントへ戻った。




