招かれざるもの
スライムを倒したカノープスは、ギルドから報酬を受け取り、宿を探している最中だった。
『報告』
『この先300メートル、左に宿があります。』
「あと少しだな、ありがt…」
ドンッ
と通行人と肩がぶつかった冬樹
「す、すみません」
そう言いそさくさと去ろうとすると
「お願い、助けてっ」
「え?」
「今助けてって…」
ローブ?の様な物で全身を覆い身長は自分よりも20センチ位低いような人が助けを求めてきた。
「おねがいっ!」
「分かった!着いてこい!」
そう言い手を引き
「フィオ!」
『了解』
『引き返し、左へ曲がると裏路地に出ます』
「こっちだ!」
ーーーーー
「…撒いた、みたいだな」
『肯定』
『今夜は身を隠すためにここで休息を取ることをお勧めします。』
(馬小屋か…まぁ臭いは魔法でどうにかなるとして…)
「所で、どうして追われてたの?」
「…」
「んー、じゃあ名前は?」
「…名前、リア。」
「リア…」
(まずい、数年間まともに会話してないせいでコミュニケーションが弾まない!? )
『報告』
『対象、リアはかなり体力を消耗しているので回復魔法をかけるのをおすすめします』
(確かに足に深い傷が見え息遣いも荒い)
「ヒール」
冬樹が手をかざすとその子に回復魔法がかかり無事体力を回復できた。
「さっきはいきなり聞いてごめんね、俺は神凪冬樹で最近この街に来た冒険者だ。」
「話せる所でいいからどうして逃げてきたか話して欲しいんだけど大丈夫かな?」
「…うん、分かった。」
「私は、魔族なの。」
「まっ、!?」
「…そう、だけど人間に危害を加えることはしない!ただ人間に捕まってしまったの奴隷にするために…」
「だから逃げてきた、そしたら直感で貴方に助けてもらえれば助かるって」
(なるほど、さっきの怪我の具合からかなり体力を減らした魔族を奴隷として使いたかった所から逃げ出したって訳か…ただ…)
(違和感はある、そもそもこの街自体はかなりの結界が張ってある、それを無視できるほどその奴隷として使いたかった所は、この子を欲しかった点)
(それとギルドのクエスト板には魔族等の高位の魔物はかなりクラスの高いクエストだったからそれなりの強さを持っているはず…。)
『結果』
(結果?)
『…対象、リアは魔族と人族の混血だと思われます、そのため結界が正しく反応せずこの街に居座れるのかと』
『それと、先程の足の傷から鑑定した結果、竜族または龍との戦いの傷と99.2%一致していました。』
(…なんかフィオ、ギルドで少し本を学習させただけでポンポンと出てくるな答えが…)
『ドヤ顔』
『天使なので!』
そう考えている間、リアはもう疲れて寝てしまっていた。
「明日、少し確かめておかないとな。」
と干し草の上で寝転がり大きな欠伸をしてからすぐに眠りについた。
ーーーーー
翌日早朝から街を出て森に出た。
「無事追っては来なかったようだな」
(さてとこれからどうするべきか…)
『報告』
『モンスターが周囲に数体反応あり』
「森は危険ってギルドも言ってたなそう言えば。」
「リア、そこの木の影に隠れてて」
「うん、分かった」
リアが木の陰に隠れた瞬間狼のようなモンスターが3体出てきた
『報告』
『ハウンドドッグが出現しました。』
『Eランク相当のモンスターです。現在Gランクの冒険者であるマスターには危険です。戦闘はおすすめできません』
「なるほどな…」
「だが、俺達には逃げ場はない。」
「なら」
と短剣を構え戦闘の態勢に入った
グルルルと吠えながらハウンドドッグが襲いかかってきた
「スパーク!」
冬樹が雷属性魔法を放ち1匹のハウンドドッグに当たったが
「っち!」
ハウンドドッグは魔法を無視して冬樹に噛み付いた。
冬樹はそれを防ぐ為に盾を構え、その噛みつきを受け切って弾いた。
弾いたハウンドドッグの後ろから2匹のハウンドドッグが右と左から同時に攻撃を仕掛けてきた
「っ!」
「行動強化魔法」
「アクセラレーションッ!」
行動強化魔法を使い自身の速度を上げた冬樹は短剣でハウンドドッグを切りつけた
『お見事』
「だがもう1匹!」
「喰らえっ!!」
そう言い持った短剣を投げつけた。
その短剣はハウンドドッグの脳天に突き刺さった。
「よしっ!」
ハウンドドッグを討伐し喜んでいると
『報告!』
『近くに、龍の反応あり直ちにこの場を離れることをおすすめします!!』
「なっ!?」
フィオの報告があった途端空から龍が降りてきた。
「グオオオオオオオオ」
龍の咆哮が冬樹を襲う
「っ!!?」
たちまち咆哮の風圧で吹き飛ばされる
「ぐっ」
『危険』
『体力の減少及び、龍の咆哮でステータスの大幅減少』
「くっそ…」
龍は冬樹を睨んで逃さないように鋭い視線で




