33話 最強コンビ無双する
――それからというもの……
「ファイヤークロス……」
「ギャー!!」
「エナジーライト……」
「ぬわあああ!!」
「ロングラン……」
「しえええ!」
僕とシールちゃんはコンビを組んで練習がてら、数々の依頼をこなしてきた。
だいたい僕が魔導転移でシールちゃんに力を与え、シールちゃんが暴れるというスタンス。
シールちゃんの成績を上げるのを優先しているからだ。
たまにシールちゃんの身体能力を借り、練習はしてるけどね。
あの驚異的な身体能力……なれというか、練習が必要だ。
元の身体能力がゴミみたいなものだからね……
でも最近はかなり上達してきてるよ。
ワイズとはいかなくても、誰か強者相手で試してみたいものだね。
そうそう、シールちゃん、だいぶ成績をあげてきたよ。依頼もかなりこなしてきたし、全生徒中、真ん中くらいの成績になったと思う。
とはいえ依頼でしか成績を上げれないから、いずれ頭打ちになる時がくるかもしれない。
いずれは別の事で成績をアップさせないとね。
最近は日に二回こなすこともある。今から二回目の依頼をこなしに向かうが……
あっさりかたがつく。
ゴブリンやオークのような魔物を扱う魔族が村を襲ってたのだが、難なく処理。
少し珍しい依頼だったな……
賊とかではないようだったし……
前の魔族を実験してた奴と何か関係あったりして……考えすぎだろうか?
※19話参照。
実際未だに気にはなってるんだ。ある魔族を殺すための研究……
別に戦争とかしてるわけではないし……ただの復讐だとか、そんな事の可能性もある。
でも今は新たな魔王を選定しようとしてる時期。どうしても魔王候補のワイズを狙ったことのように感じる。
考えすぎかもしれないが、もしそうなら妹のシールちゃんも黙ってはいられないはず。僕としてもそんな事でライバルに消えてほしくはない。
だからあの博士の関係者らしき奴を見つけたら問いただしたいところ……
魔物扱ってた魔族……倒したのは失敗だったかな?
※プロローグで語られた依頼のこと。時系列はプロローグの後になりました。
「いえいえそんな! 村の宝物をだなんて!」
シールちゃんはたまにたかるような発言をする……
ダメだと注意してるんだけどね。力に酔って調子にのってきてるのかな?
……そこで強く注意できないのが僕のダメなところだよね。
優しい注意しかできない。
♢
依頼をこなし、学園に戻ると……両手を腰に当て、プンスカした態度のユーノさんが見えた。
「エクス・リコード! なんでわたくしに黙って依頼をしてたのです!」
「……? いけませんか?」
「いけませんわ! 最近はわたくしもついていってるじゃない!」
確かにここのところユーノさんは僕たちの依頼任務についてきていた。別に手伝ったりはせず、後ろから茶々いれてくるだけだが。
そこはああしろだの、こうするべきだと後ろから文句だけつけてくるからシールちゃんはその度にイライラしてた。
成績上位のユーノさんは依頼をこなす理由はない。学園内通貨も、実家から仕送りもらってるから尽きても困ることはない。贅沢してるからわりと使いきったりしてるらしいけど。
その上手伝ってくれるわけでもないし、シールちゃんが嫌がってるからわざわざ誘うことないかなと思ったのだが……
ついてきたかったのか……
「いいですこと! これからは絶対にわたくしに一声かけること!」
「なぜです? 依頼こなす理由もないのに」
「それは二人きりにさせたくな……コホン。二人に指示したり、バカにするのが楽しいからですわ! オーッホッホッ!」
「あまり良くない趣味ですよ。僕はいいけどシールちゃんがかわいそう」
「そーだそーだデブぅ!」
あ、シールちゃん。君もその暴言よしなさい。
「小娘小娘小娘小娘!」
「やーい!」
なんでこの二人こんなに仲悪いのだろうか……
ユーノさん、とても優しい人なのに、シールちゃんに当たり強いせいで……
「おいてめえら! 最近調子にのってるな!」
僕たちに大声で誰かが叫んできた。
大声の主は……オーリか。




