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21話  パワー対パワー

 魔物は暴れ狂う。


 うん。今の魔力で精製した檻ではいずれ壊されるのは間違いないね。

 ここは閉じ込められてる間に、できるだけダメージを与えてもらいたい。


「ということでユーノさん、お願いいたします」

「ちょっと! わたくしばかりに攻撃させるおつもり?」


 そこについては申し訳ない。

 ただ、僕はできるだけ魔力を温存しておきたいんだ。


 理由は一つ。いざという時、シールちゃんに魔力をさらに送れるようにしておきたいからだ。

 

 あくまでシールちゃんが活躍し、彼女がこの任務をこなすことが重要だからね。


 ということで、ユーノさんには悪いけど頼るしかないんだ。


「ユーノお嬢様の素晴らしい魔法の数々……惚れ惚れするもので、もっと見せてもらいたいと思いまして」

「惚れ!? わたくしの魔法が好き!?」

「はい。大好きです」

「だ、だだだだだだだだだだ」


 ユーノさんは沸騰するように顔を赤くして魔法を連発する。


「それはつまりそれはつまりそれはつまりそれはつまりわたくしが好きわたくしが好きわたくしが好き」


 タイル以外にも、地中の石や土を固めた物質を魔物に連射。

 魔物の体を次々と貫いていく。

 よし、これだけダメージを与え続ければ魔物も弱るな……


 しかし、ユーノさんの魔法は速度も威力も高いね。惚れ惚れするのは事実だ。


 シールちゃんは?


「ガトリングマシンガンライフルドリルパンチ!」

「面白い!」


 脳筋対決と言ってもいいかのごとく、互いに拳の乱打乱打乱打。


 相手……やるな。パワーでシールちゃんに張り合ってる。


 並みの相手じゃないぞこのボディーガード。何者なんだ?


 でも。


「――!? こ、小娘……」

「バルカンスーパーエクストラアタックノヴァ、はーはー。ギガント……」


 途中で息切らしてるとこは置いておいて、段々とシールちゃんが押してきてる。

 単純なパワーと速度はシールちゃんのほうがさすがに上だ。

 そして奴の頼みの綱の魔力も……


 僕が与えたそれより低い。


 よって結末は決まってる。


「クラッシャーナックル!」


 シールちゃんの、渾身の拳がボディーガードの腹部に直撃!

 奴は血を吐き、その衝撃で上昇し、天井に頭をぶつけ、落下した。


「がっは……」


 これが、魔力を手にしたシールちゃんの強さだ。


 この敵、間違いなく実力者だった。わずかに劣っていたとはいえ、シールちゃんの動きに反応していたんだからね。


 学園の生徒を上回るレベルの実力者と言っていい。


 ……無論ワイズとか僕やユーノさんほどではないけどね。

 僕たちは学園の生徒というレベルは越えてるから。


 自分で言うのもなんだけどね……


 後は魔物……


「ギヤアアアス!」


 やはり壊されたか!

 檻を力ずくでぶち壊し、脱獄してきた魔物くん。


「面白いですわね。こいつ並みの魔物ではないですわ」


 確かに、ユーノさんの魔法を多数受けてもまだこんなに元気とは。あの博士が作ったんだろうけど……そういう技術力、もっと世のため人のために使おうとか、思わないのかな……


 僕は言った通り、ユーノさんの前に出る。


「エクス?」

「盾になると言ったでしょ」

「う、うふふふふふふふふふ」


 え、なに? 口抑えながらすごい笑ってるけど……

 ま、まあめちゃくちゃ笑顔だから嬉しいんだろうけど……


 シールちゃんは勝てたし、僕自らが魔力使っても問題ないはず。


 僕は周囲に魔方陣を大量に召還。そこからあらゆる武器や鎖が出現。


 魔物の右と左に現れた魔方陣から鎖が飛び出す。

 魔物の両腕を縛り動きを止めてから……


 僕は手を銃の形、要は親指を立て人差し指を指すポーズを取りながら前方に魔方陣を呼び出す。


黄金剣矢シューティングソード


 黄金の剣が、矢のように放たれ、魔物の脳天を撃つ。

 頭を貫かれた魔物はゆっくりと沈んだ。



 ――決着、ついたね。

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