15話 初挑戦
後日、僕らは集会所と言う名の依頼受付所にやってきた。
生徒はここで学園に届けられた依頼を確認し、自由に受けることができる。
別に誰がどんな依頼を受けてもかまわないが、基本早い者勝ちだ。
わりのいい依頼は争奪戦なんだとか。
ちなみに僕は依頼を受けたことは一度もない。
内申点や通貨は足りてるし、しなくても二位。かといって死に物狂いで依頼をこなしたとて、一位になれるわけでもないから。
それに友人がいない僕にとって、一人で依頼をこなすのは……大変だ。
友人がいないって自分で言うのも惨めだね。
僕の学園での立ち位置はワイズに勝てない永遠のナンバーツー。ずっと二番と笑われる立場。いじられキャラ。
将来のために上に媚びるような生徒だって、どうせ媚びるなら一位のワイズか、理事長の息子のオーリのがいいため、よってこない。
ミーハーな女子たちも、ファンになるなら当然一位のワイズだ。
僕は社交的ではないから、こちらから誰かに声をかける事もしないしね。基本孤立してる。笑われる奴と友達になろうって変わった生徒はそうはいないだろう。
まあ金づるか知らないけど生徒Aとかみたいにたまに絡んでくるのはいるけどね。あと、僕をライバル視してくれてるユーノさんとか。
ライバルと思ってくれてるって事は、僕個人に対して多少は興味もってくれてるのだろうし、ユーノさんにはわりと好感はもってるんだよね。
……向こうはどう思ってるか知らないけど。
話を戻すけど、依頼成功での内申点は上位の生徒にはあまり意味をなさない。それで順位が上がるわけでもないからね。
でも最下位のシールちゃんの場合は話が変わってくる。
下の成績の者は依頼で内申点をあげるのも一苦労。授業の単位をもらうこともね。
となると、シールちゃんが依頼で内申点稼ぎまくればどうなる?
答えは最下位脱却だ。
最下位でなくなれば、彼女に対する目も変わってくるかもしれない。
オーリを倒したことも噂になってるかもしれないし。
そうなればシールちゃんがいじめられることはなくなる。
実践で試したいというシールちゃんにとって依頼はつまり、一石二鳥ということだ。
集会所にはそれなりに人が賑わっている。
内申点目当てか、校内通貨目当てかは知らないけど。
……ん? 僕とシールちゃんに視線が集まりだす。
「人間だぜ。クセー」「気持ち悪いわね……」「離れようぜ」
……本当に気分の悪い連中だ。
だからこそ、シールちゃんの成績をあげ、こいつらの鼻をあかす……
「あ、永遠ナンバーツーだ」
……ガクッとくるね。
僕も視線集めてたのか……
「エンツー!」「ナンバーツー! ナンバーツー! 永遠ナンバーツー!」「お~いワイズに勝つの諦めたのかよエンツー」
……まあいい。シールちゃんが何か言われるくらいなら、僕が的になって煽られるほうがいい。
シールちゃんは少し不機嫌そうにしている。
言われてるのは僕なのに。
優しい子だねシールちゃん。
「なんで言い返さないのぉエクスさん!」
プンスカしててかわいいな。
「別に、言いたい奴らには言わせておけば……」
『オーッホッホ! こんなところでなにをしておられるのかしら? エクス・リコード!』
このお嬢様的高笑い……
ナンバースリーのユーノさんか。
「おわ! ユーノさん!」「ユーノ様ぁ!」「ユーノ~踏んでくれ!」
……今度はユーノさんに視線が集まる。
どうやら人気者のようだね。
まあ美人だし、男子生徒から人気あるのも当然か。
その上家柄も立派と来たものだ……
……おかしいな。
僕も家柄は立派だし、自分で言うのもなんだが、顔もいいほうだと思う。
そして成績は二番だからユーノさんよりは上なんだ。
この扱いの差……理不尽。




