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勇者とメイドさん その15

準レギュラー襲来。

「長ったらしいから要約するとだ、『二人は勇者に憧れているから、一緒に住まわせてください』でいいんだよね? メイドさん」


「そのようですね」



 この前拾ったけど返してきたはずの、聖女様と剣聖の息子が尋ねてきた。拾ってくださいはペットの意思表示じゃなかったのか……。それはそうと、二人が異様にそわそわしてる。勇者の家だからか。


「まあ私はメイドですので否とは言えませんが、居住スペースなどの問題があるので、すんなり受け入れるという訳にもいきませんよ」


「この家小さいしね」



 そう、この家は3LDKと勇者の家にしてはこぢんまりしてる。ちなみに三部屋の内訳は勇者の部屋、メイドさんの部屋、物置になってる。


「加えて居住スペースの問題が解決したとしても、聖女様と剣聖の息子様に、相応の生活環境を提供するのも難しいですよ」


「この家の生活水準は庶民レベルだからねー」



 優しい勇者様のことだ、すぐに快諾してもらえると思っていたのだろうか、会話が進むに連れて二人とも慌て始めてる。ついにはそれでもいいと言い始める始末。


「……いえ、あなた方自身が大丈夫だとしても、家族や従者などの周囲の方が黙ってはいないでしょう。こんな環境に住まわせていることがバレたら、ご主人様に迷惑がかかります」


「口ではいくらでも言えるけど、食材も一気に質が落ちるし、生活用品とか寝具の面で馴染めなそうよね。それに文句を言われてもほとんど対応できないだろうからさ。そういうことだから、申し訳ないけど住むのは諦めてもらえると嬉しいかなー。なんて」



 申し訳なさそうに言うと、二人はすごすごと家から引き下がっていった。自らの欲求で、憧れの人に迷惑をかけまいという判断だろうか。お偉いさんの相手は気を使うから、正直これで完全に手を引いてもう来ないでほしい。




 その日の夕飯はミルフィーユ鍋だった。

到着は剣聖の息子の方が先。

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