表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/380

勇者とメイドさん その13

ひっく

「『ひっく』」


「……」


「『ひっく』」


「しゃっくりですか? ご主人様」


「う『ひっく』ん」



 午前中からなぜかしゃっくりが止まらない。辛い。


「一説によると、しゃっくりは百回で死ぬらしいですよ」


「それは……『ひっく』嫌だなあ」


「まあ嘘ですけど」



 魔王すら倒した勇者の死因がしゃっくりとか悲しすぎる。


「驚かされると止まる。そんなことも聞きますね」


「『ひっく』じゃあメイドさん『ひっく』驚かしてよ」


「ご主人様はこんな大人しめの女性の驚かしが、勇者に効くと思いますか?」


「いやあ、『ひっく』効かないかな」



 こんな常に冷静で有能で無表情のメイドさんといえど、逆にそのせいで驚かしは効かないかなあ。


「ではまだ太陽も高いですが、この場で布団敷いて寝るとしましょう」


「その言動には『ひっく』驚きだけど、驚きのベクトルは求めてるものじゃな『ひっく』よね」


「難しいです」



 驚かそうという努力は嬉しいけど、なんか違う。


「そうですね。では冷えた水をどうぞ。水を飲むと止まるともいいます。コップ一杯分、一気に飲み干してください」


「まあものは『ひっく』試しよね」



 するとなんということでしょう、一気に飲み干したらしゃっくりが無事止まったではありませんか。


「……止まった」


「個人差はあると思いますが、私はこれで止まります。流し込むのを意識するといいかもしれません」


「うん、ただ飲むだけじゃ止まらないよね」



 これといって害はないけど止まるまで放置も辛いし、対策はあった方がいいよね




 その日の夕飯はちらし寿司だった。

またの名を横隔膜の痙攣。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ