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勇者とメイドさん その100
とりあえず三ヶ月続いた。
「夜は危険がいっぱいですね」
「おかえり。何かあった?」
「いえ、特筆すべき事項は特には。ただ、この身をもって痛感しました。大きな公共施設の暗がりとか、寂れた路地には不良やそういった輩がたむろしているのを、遠目に発見しました」
「まあいつの世どこでも、治安の悪い地域はあるからね」
「夜になって豹変するの面白いですよね」
「それはわかんない」
昼と夜、明るさが違うだけで、こうも小悪党がたむろし始めるのも、一種の不思議ですよね。何の目的でたむろしているのでしょうね、あれ。
「あとですね、夜は暗いので、足元の物体が影になったりで暗く見えるのですが、小さな植物から黒いシミまで、全てがセミに見えて恐ろしく思えました」
「メイドさんどうかしてない?」
「この通り、至って正常ですよ」
「夜出歩けないじゃん」
「まあ私自身従者なので、そこは割り切っています……」
まあ地獄でした。夜街灯のない……いや、あっても足下暗かったりするせいで、全てセミと言わず、虫の死骸に見えて地獄でした。
夜の外出、帰宅は一割増で疲れますね。
目指せその365。