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現世(2)

 教え子の弟を救うのに失敗した夜、ボクは気を取り直す為に、執筆中の原稿の推敲を行なった。

 ある出版社から頼まれている脚本術の為の本だ。


『ハリウッド映画の脚本術では、スターウォーズ以降、神話や民話に関する学術研究から得られた知見を取り入れる事が普通になっている』


『例えば、英雄物語は、基本的に「異世界に行き帰って来る」話だ。ここで云う「異世界」とは文字通りの意味ではなく、物語上で「異世界」として機能する場所や旅の事であり、例えば、住み慣れた家や町や村を出て、旅をする事も「異世界」と言える』


『そして、主人公が「異世界」から戻って来られなくなる物語も有るが、それは、英雄物語よりもホラーに多い』


 ふと、奇妙な考えが頭を過った。ボクが現実だと思っているのは、フィクションの中で、事故に遭って依頼、目を醒さなくなった子供達は……ホラーものの犠牲者として、禍々しい異世界に閉じ込められているのでは無いのか?

 いや、まさか、1つ上の現実では、変なジャンルが生まれたのだろうか?

 一見、ヒロイック・ファンタジーに見えるが、ボクみたいなオーソドックスな脚本術に従って脚本を書いてる連中からすると、ホラーにしか思えないような新しいジャンルが……。

「疲れてんのかな……? あまり、使い道が無さそうなアイデアだな」

 一応、ボクは、今思い付いた馬鹿馬鹿しい考えを、アイデアノートに追記した。

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