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Ⅲ 試験

Ⅲ 試験




 朝食を食べ終えると、俺は家の近くの原っぱで今日の戦いのイメージトレーニングをした。俺の能力は想像が重要だ。緊張して技が出せなければ、冒険者になることができないだろう。瞑想を10分ほどして、軽くジョギングをして体をほぐした。

 家に戻るとゼクスが薪を割っていた。

 「準備できたのか?」

 「はい、お願いします。」

 「エリス、頼んでいいか~」

 「は~い。」

 エリス母さんを呼んだのには理由がある。母さんは子供ができる前はゼクス父さんと一緒に冒険をしていたんだけど、賢者で回復魔法が得意だ。俺が怪我した時のことを考えてくれている。セリスも心配そうに俺を見ている。セリスは兄弟思いのすごくいい姉だ。俺が血縁じゃなかったら告白していたと思う。心配かけてごめんね、セリス。

 「さあやるか。時間は30分、その間に俺に一撃当てることが出来ればお前の勝ちだ。俺からお前を倒す攻撃はしないから安心しろ。」

 「一撃っていうのは剣撃だけじゃないよね?」

 「ほぅ、何か企んでやがるな。魔法でもなんでもオッケーだ。俺に一撃与えればお前の価値。だが砂粒1つ当てたとかそういうのはなしだ。」

 息子が何やら企んでいるのを、あごを触りながらにやにやと答えた。

 「もちろんです。そんなせこいことはしませんよ。」

 ゼクスは木刀を構えた。俺も同じく木刀を構えた。

 「さあこい。」

 ゼクスは片手をイクスの方へ向け、ちょいちょいと指で合図をした。

 俺は軽く木刀を振ってからゼクスに攻撃を開始した。

 カッカッカッとリズミカルに木刀同士がぶつかる音がする。ゼクスは難なく俺の斬撃をはじいていく。だがこれでいい、俺の攻撃スピードがこれくらいだと思わせる必要ある。

 「はははっ、随分単調な攻撃だな。俺の集中力が切れるのを狙っているのか?」

 お父さん、あなたがそんな初歩的なミスをすることないのは知っていますよ。もう少し待っていてください。あなたが受けたことのない攻撃を見せてあげますよ。そう漫画の力を使ってね。

 15分が経過し俺は勝負に出ることにする。

 「はぁ~~~っ。」

 全身に気がたまる。俺が試してみた技の中で、安心で安全な技、気を練る技だ。バトル漫画なら大体使ってくる技なので“気功”となづけた。この技は瞬間的に自分の力を増してくれる割に副作用が体の倦怠感という風邪薬並みのデメリットしかない。ゼクスも俺の力が増加したことは分かって、木刀を握り手の力が増しているのが分かる。

 (ここからだよ父さん)漫画に二重の極みといって高速で2回叩くことでものすごい力を相手に与える技があるんだ。学校でお互いに掛け合ってげろ吐いてクラスのみんなに迷惑かけたことあったなぁ。という訳でこれの応用で足で高速に2回地面をける。“2回蹴り”

 タタンと音がし、ゼクスに向かって高速で切りにかかる。ここで腕にためた気を使って素早く切りつける。ガッという音がし、はじき返される。

 ここで両手を額の前にあげて“イクスフラッシュ”額が光って相手の目をくらませた。クリリンの技がさえわたる。

 「グッ。」

 ゼクスが突然の光で目をくらませた。俺は両手を広げてゼクスの方に向け、

 「イクス~ガン‼」

 これは霊丸とか指鉄砲とかを参考にしている。

 10本の指から小さな弾が打ち込まれる。

 「ハアッ~」

 ぱぱぱぱぱぱぱぱん。

ゼクスは木刀で弾を撃ち払った。

 「クッ。」

 痛みで俺は木刀を落とした。この技を使うと骨折するので、10発撃った俺は木刀を握ることができない。

 「何だもう終わりか?」

 「うん、今ので限界。もう戦えないや。」

 「そうか。エリス、イクスを見てやってくれ。」

 「はい。」

 タタタッと駆け足で寄ってきたエリスに手を見せた。

 「もう無理しすぎよ。」

 といってやさしく俺の両手を手に取り、呪文を唱えた。ポウッと手が暖かくなり次第に痛みが和らいでくる。

 「回復ありがとうお母さん。」

 「もう心配かけさせないで‼こんなに大きなけがしちゃって。」

 「ごめんなさい。」

 「今回はお前の勝ちだな。まさかあんな技を使えるようになっていたとはな。」

 「お父さん、攻撃受けちゃったの。?」

 「ああ、ここが赤くなっているだろう。」

 ゼクスの胸に蚊に刺されたような赤い斑点が1つついている。HP1くらいのだめーじだろうか?

 「もう何攻撃受けちゃっているの?」

 セリスは機嫌を損ねたようだ。

 「イクス、治療が終わったらちょっとこい。」

 ゼクスがいつもとは違い、真剣な口調で話しかけてきた。

 俺の攻撃に何か言いたいのだろう。俺は冒険者になる許可を貰えるのだろ


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