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ⅩⅦ ゴブリン

ⅩⅦ ゴブリン




 「ルナホーク今日もよろしく。」

 ブルルルルッ、ルナホークは今日も調子が良さそうだ。俺はルナホークに跨ると、見送りにきていたエリス母さん、イリス、アクスの方を見た。

 「行ってきます。」

 「気を付けてね。」

 家族に見送られて、セリス姉さんと今日の討伐ポイントへと向かう。刈り取られた小麦畑の先にゴブリンの集団を見かけたとの情報があった場所へと向かう。いよいよイノブーではなく、ゴブリンが出現したようだ。ゴブリンは1メートルから1メートル30センチほどと背が低く知能も低い。それでもイノブーとは違いこん棒や槍などの手作りの武器を使うため、戦闘能力はイノブーよりはるかに強い。冒険者がイノブーにやられることはほとんどないが、ゴブリンにやられる冒険者はそれなりにいる。警戒心も強いため普段は山や洞窟に潜んで暮らし、街を襲うなどということはないがゴブリンにも戦争の影響がでているのだろう。

 フライの魔法で5メートルほど浮き上がったセリスは辺りを見回して、ゴブリンを発見した。フライの魔法は無属性魔法のためほとんどの者が使える初級魔法だ。オーロラフライは飛行するための魔法になる。

 「ここに砦を造りましょうか。」

 少し小高い丘に砦を作ってゴブリンを迎え撃つ作戦をとる。

 (息吹)

 気功といっていた体に気を貯めて力を上げる技の名前を伊吹と名前を変えた。こっちの方が断然かっこいいからね。心なしか名前を変えたことで力の上昇値も大きいようだ。思いの力が物理的な力に変わる天使に貰ったこの力を大切に使っていかないといけない。

 周りにちらほらとある木をクリリンさんの必殺技気円斬を自分用に変えた円月輪を掌でくるくる回し木を切って丘の上に並べる。10本ほどの木を並べて壁を作った。ゴブリンの武器は木で作ったこん棒や槍のため木を並べておけば投擲してきても防ぐことが可能だ。後は木の上からセリス姉さんが魔法で仕留め、逃げのびたゴブリンを俺が切り倒す計画だ。

 「わああああああああ~」

 ゴブリンが雄たけびを上げながら俺たちがいる丘目指して突進してきた。

 セリス姉さんは木の上に乗り呪文を詠唱する。

 「オーロラレイズ!」

 無数のオーロラレイがゴブリンたちにつきささる。

 「グビャッ~。」

 ゴブリンたちが断末魔の声を上げていく。

 「さあイクス、とどめを刺しちゃってね。」

 ウインクして俺に指示を出す。正直セリス姉さんにとってゴブリンなどハエのようなものだろう。オーロラレイには魔法の強さ(強、超、極)のほかにオーロラレイズのように魔法範囲(単体から数十体)がある。範囲魔法は効果に比例して魔力を消費するため簡単に連発できる魔法使いは少ないが、セリス姉さんはまったく魔力疲れが見られない。姉さんの魔力はそこが知れないし、ラウドではそれを生かせる機会もない。俺もオーロラレイズは初めて見た。

 「凄いな、さっきまでかんじたたくさんのゴブリンの生命力が弱弱しくなっている。」

 虫の息のゴブリンたちにとどめを刺していく。

 「うがあああ~」

一匹の倒れていたゴブリンが急に起き上がり、俺にこん棒を振り上げる。

 ブシュッ、一撃ゴブリンを切りつけると倒れて動かなくなった。

 

 「随分あっけないわね。イノブーと大して変わらないわよね。」

 「はははっ、姉さんのオーロラレイで一掃しちゃったからね。楽だったよ、ありがとう姉さん。」

 「そんなことないわ、イクスが見事にとどめを刺したから早く終わったのよ。ありがとうイクス。」

 俺の腕をとってギューッと大きな胸に挟み込んでくる。あはーっこのおっぱい攻撃が今日一番のダメージですよ。俺も姉さんの弟でなければ、剣ではなくて姉さんのお胸をギューッと握りたい所なんですけど。

 「イクス~、セリス~、大変なの~」

 話しかけてきたのは母さんの友達のハイピクシー、ルルララだった。




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