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3.分岐点
学校からの帰り道。
進一は、詩織と合った後保健室にいかずに教室に戻った。
耐えられなかったはずの教室が別に気にならなくなった。
進一にとってこの日は大きな分岐点となった。
家までの帰り道を歩く進一の心は少し踊っていた。
ゆっくりと足を動かし、今日あったことを振り返り、そして今日あったばかりの詩織のことが気になっていた。
彼の心には大きな存在となっていた。
詩織が感じている、音楽に触れてみたいと思うようになっていた。
嫌いなものは嫌いだったはずの進一にはこの時大きな一歩を踏み出したといえる。
そんな考え事をしながら歩いた進一は、角を曲がるときガン、と人にぶつかった。
「すいません、大丈夫ですか。」
進一は咄嗟に謝った。
「えっと、大丈夫です」
ぶつかった相手はそそくさと逃げていった。
「えっ、」
一瞬の出来事で進一は頭を整理するのに時間がかかった。
ぶつかった相手は同い年位の子だった。
このぶつかった相手にもう一度会うとは進一は知るよしもなかった
進一にとってこの日は人生の道が大きく変わった日だと言えるだろう。




