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天才だった自分に出来ること  作者: 海純/六郎
第一章 小学生編
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35.いつもの日々

 自然学習教室も終わり俺達の学校生活は普通に戻って行った。

 つまらない授業を俺はボーッと聞き逃しながら、頬杖をついて窓の外を眺める日々を過ごしていた。

 ふわぁ、

 俺は時折大きなあくびをしては教科書をペラペラ捲りながら時間が過ぎるのを待つ。

 ボーッとしていた時に、前の方からカンッという音が鳴った。

 今授業をしていた先生が教科書をまとめて、教卓を叩いた音だった。

 俺はそれを聞き時計をみる。

 授業が終わりの時刻になっていた。

 先生が少し話した後、直ぐに出ていった。


「進一くん、ちゃんと授業聞いてた?」


 急に理沙が後ろから言ってきた。

 俺は振り返り理沙の方をみるとニコニコっと笑っていた。

 するとその理沙の後ろから一人くる。


「進一、少しは真面目に授業を受けたらどうだ。意外と楽しいぞ」


 雄大が真剣な目でいってくる。

 俺は雄大の目をしっかりと見て真面目な顔で言う。


「楽しいかどうかじゃないんだ。内容が俺にとって退屈なだけだから」


 その言葉を聞いた雄大は呆れた様子でため息をはいた。

 隣にいた理沙も苦笑いしている。


「真剣にそんなこと言われたら言い返せねぇよ。これだから出来るやつは」


「それ、ちょっと傷つくんだけど……」


 雄大に言われて、俺は軽く冗談混じりに言う。

 その後にハハハっと三人で笑いあった。

 そして、時間が過ぎて次の授業が始まる。

 俺は最初は雄大に言われたから真剣に受けようとしたがものの数分で飽きて何時もどうり退屈しのぎをしていた。

 ━━うん、俺には無理だ

 そんな感じにだらだらと一日を過ごした。

 今日は特に特別なことはなかったかな。

 学校も終わり俺は帰りの支度をしていた。


「御堂君、今日の授業のプリント見せてくれない?」


 弥生が俺に言ってきた。

 俺はさっきランドセルにしまったファイルからプリントを出した。


「俺、全くメモしてないけど他の奴に見せてもらえ……」


 俺はそう言いかけて教室内を見ると弥生と俺しかいないことに気づいた。

 俺はプリントを弥生に渡す。


「ありがとう、みんな帰っちゃって私此処分からなかったから」


 弥生はそう笑っていった。

 弥生はしっかり復習もして偉いなぁと思った。

 俺は何様だよ

 俺のプリントを見ながら、弥生は復習を始める。

 暫くして弥生の手が止まった。

 何か困っている様子だったので俺は弥生に近づいて弥生の手元を覗きこむ。


「どうした、何か分からないところでもあった?」


 俺がそういうと弥生は背中をビクッと振るわせ分からないところを言ってきた。

 俺のプリントにはそこについてのメモがほとんどなかった。

 プリントぐらいはしっかり書こう俺はそう決めた後、弥生の席の前の席に座る。

 俺は弥生が分からないと言った所を細かく説明した。


「御堂君、教えるの上手だね、分かりやすいよ」


 弥生が笑顔でそう言う。

 そこら辺の男子ならそく落ちするぐらい可愛らしい笑顔だった。

 俺は変な方向を向いて呟くように言った。


「別にこれくらい普通だよ。理解すれば誰でもわかるとこだし」


 俺は、そう言った後に少し窓の外を眺め、弥生に勉強を教えた。

 放課後の時間が過ぎ、完全下校時刻に近づいてきたので、俺たちは支度して帰った。

 帰り道は、体が軽い気がした。

 そして、何か聞き逃したような忘れているようなそんな感覚がした。

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