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天才だった自分に出来ること  作者: 海純/六郎
第一章 小学生編
3/56

2.自己紹介

「きれい…」


 自分でも意識せずに声が漏れた。

 自分にはないものがそこにはあった。


「だ、誰?」


 少女が問いかけた。

 ガッタンという椅子の倒れる音が響き、少女はピアノの後ろに隠れる。

 チラチラとこちらをピアノの影から覗いている。


「えっと、3年生の御堂 進一です。あなたは?」


 進一はとっさに自己紹介をしてしまった。


「はい、私は日向 詩織です。年は同じ3年生です」


 少女も自己紹介をした。

 彼女は色白で髪は長く、他の人にはない特別なオーラがあった。


「…………」


 2人の間に少し沈黙が流れた。

 その沈黙に耐えきれないと言うかのように進一が口を開いた。


「えっと、日向さん、あなたは何をしてるんですか?」


 とっさに口を開いたため話し方が少しおかしくなった。

 ゆっくりとピアノに近づきピアノの影を覗き込む。

 詩織はそれに気付いて驚き立ち上がろうとして頭をぶつける。

 ガンッ!というおとが響いた。


「痛っ!!」


 という詩織の声が響いた。

 その直ぐあとに、


「フフフッ」


 という進一の笑いを堪える声が聞こえた。


「ごめん、そんなとこに隠れるから頭ぶつけるんだよ。大丈夫怪我してない?」


 進一は詩織に謝り、大丈夫かと気を使う。

 詩織は少し涙目で口をぷくっと膨らませいじけるような表情をした。

 2人の間の空気感は少し変わったような気がした。

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